定年退職後の生き様

定年退職後、残された人生を如何に意味有るものに、しようかと悩んでいます。

丸腰

2013年06月01日 16時30分50秒 | お仕事関係
これも昔の話である。

郊外にある施設の庶務係で働いていたことがある。

20人余りの小さな施設で、施設長のリーダーシップのもと、社員全員が一体となった風通しの良い職場であった。

隣の席に、施設の機器類や植栽の管理等を行う若い業務員がいた。


すこぶる気立ての良い人間で、パソコンに堪能で、おりしもウインドウズ95創生期、わざわざ自宅まで来て、一晩がかりでデスクパワーをインターネット接続してくれたりしたこともあった。
まだ、表計算ソフトの主流がロータス123であったころ、エクセルの操作方法についても彼から教えてもらった。

------------------------------------------------------------------------------------------------

数年後、彼が別の職場において、そこのある社員と馴染むことが出来ず、経緯はともあれ、相手を殴ってしまった。

相手は会社の組合経由で、マスコミへのリークもちらつかせながら、本社に、非組合員である彼の処分を糾弾してきた。


わが社は社員の暴力沙汰に非常に敏感な職場である。



「組織」としての守りに入った本社では、規定に基づき懲戒免職案を諮問した。


その諮問会のメンバーの中に、当時の施設長が、かなり権限ある立場として加わっていた。


事務局から、懲戒免職案を提案し、予定調和の中で終わろうとしたとき、当時の施設長が

「丸腰で戦場に追い出すのか」と一言。


彼は、勤務年数に応じた退職金をもらってわが社を去った。