じんましんが出来た。
体中が痒くてたまらないため、午後から有給を取り、自宅近くの皮膚化の病院に行った。
盆明けの午後のため、老若男女、多くの来患がいた。一時間以上待って診断を受けた後、処方を待っていたら看護婦さんが出てきて、「昔K中学校にいたSさんじゃないですか?」
そうだと答えると「中学校3年生の時にクラスメートだった旧制Yです。カルテを見ていたらそうじゃないかと思って思い切って声を掛けてみたんです」
仕事では余り活躍しない頭のシナプスが、今回ばかりは一挙に30年以上の昔の記憶と繋いでくれた。
上品な婦人の笑顔が、西日の差す放課後、班日誌を二人で整理していたときの笑顔と重なった。
ある時期、彼女に対して一方的に特別な感情を抱いていた時期が有ったが、家族の手前、これ以上記すことは出来ぬ。
取りあえず、無難な社交辞令的な会話で間をつないだ。
思い出話が深みにはまっていかないよう・・・・・