映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

「トルコの旅 ①」と、帰国して最初に見た映画 『悪の法則』

2013年11月25日 | 日記


     ↑ イスタンブールの街のど真ん中をボスフォラス海峡があり、街を二分しています。
       写真の私はボスフォラス海峡クルーズクルーズ中で、海峡の向かって左側がヨー
       ロッパ、右がアジアとなります。

     随分長くお休みをしてすみません。
     トルコ~シンガポールの旅から戻りましたので、今日からこのブログの再開
     です。
     月曜はいつも「大映関連」のことを書いていますが、一週延ばさせていただ
     き、今回は旅のあらましと、帰国して最初に見た映画「悪の法則」の感想を
     アップさせていただきます。

     トルコは日本と時差はマイナス七時間でアジアとヨーロッパに接点に位置す
     る国です。
     いつの時代も激動の中にいることを余儀なくされた国でもあったトルコでした
     が、今回の旅は繁栄を尽くしたオズマン・トルコを中心に、いくつもの歴史が
     重なり合っては消えて行った古い長い歴史を、駆け足で追ってみた旅である
     と言っても過言ではありません。

     トルコは正式国名がトルコ共和国。人口約7472万。面積は約78万k㎡で日
     本の約2.1倍です。
     国の東部であるシリアに接した一部地方は、治安不安定で危険だと言われ
     ていますが、日本で聞かされた危険度よりは低いようで、今回旅行したイス
     タンブール~アンカレ~ボアズカレ~カッパドキア~コンヤ~パムッカレ~エ
     フェソス~トロイ~イスタンブールは思った以上に治安が良かったように思い
     ます。

     街には西洋・中近東・アジアと、色々な人種が溢れている感じですが、もと
     もとのトルコ人とはモンゴル族が発祥で蒙古斑があったそうです。
     紀元前4世紀ころからモンゴルから西進がはじまり、今では62民族の混血
     が進んで純粋のトルコ人はほとんど居ないと聞きました。
     広大な農地を持ち、食料は主食のパン用の小麦をはじめに、野菜・果実な
     どは全てトルコ国内で自給自足とのことで羨ましい限り。

     ヨーロッパ連合加入を目前に、従来は非常に物価が安い国と言われていま
     したが、このところ上昇気味で、これではユーロに加入しないほうが良いとい
     う声も一方で上がっているようです。
     消費税は税率がそれぞれ違って、食料が3%、衣服などが8%、皮製品などが
     12%、宝石などが18%、自動車は25%、それとガソリンは贅沢品だそうで、な
     んと83%ですが、車はとても多く走っていてガソリン代は日本円だと1ℓ 230円
     となります。安いのでビックリは高速道路の料金で、例えばイスタンブール→
     アンカラ間は約450キロですがバスで650円くらいです。

     言葉はトルコ語ですが、主語・動詞が日本語と同じだし、そればかりではない
     と思いますが、各地で聞いた彼らの日本語は変な抑揚がなく、発音が綺麗で
     観光地のオバさんでさえ心地良い日本語で話しかけてくるのには驚きました
     し、オ・モ・テ・ナ・シと例のジェスチャーをする人もいましたよ。
     街角では「トルコにようこそ!」の声を何度も聞きました。
     旅のことは、これから暫らく毎週木曜に私が撮った写真を中心にアップします
     ので、是非とも読んでください。


       ↑ カッパドキアでのスナップで、ツアーで一緒になったYさんと・・・。



   

     帰国して最初に見た映画は「悪の法則」でした。あの顔ぶれであの監督作品
     ですから期待するのは当然でしょう・・・の想いでした。
     リドリー・スコットのメガホンで描いたサスペンスで、脚本を「ノーカントリー」で
     知られるピュリッツァー賞作家のコーマック・マッカーシーが書き下ろしたオリジ
     ナル作品です。

     若くハンサムで有能な弁護士カウンセラー(マイケル・ファスベンダー)が、美し
     い恋人ローラ(ペネロペ・クルス)との将来のため、出来心から裏社会のビジネ
     スに手を染めてしまいます。
     そのことをきっかけに周囲のセレブたちにも実に危険な事態に巻き込んで行く
     ことに・・・。
     マイケル・ファスベンダー、ペネロペ・クルスのほか、キャメロン・ディアス、ハビ
     エル・バルデム、ブラッド・ピットが出演、カリフォルニアを舞台に欲望にまみれ
     たセレブリティたちが危険な罠に落ちていく姿を描いた作品です。

     ですが残念ながら、この監督と豪華キャストに振り回されて、結局は得るもの
     が無かったと言えます。
     まず期待の脚本が不完全で、人物・物語の説明と共になぜ主人公があの世
     界に踏み込んで行くのかの重要部分の描き方も希薄で安易過ぎます。
     しかも一寸目を離したら物語が判り辛くなるのも欠点で、もっと親切な演出も
     必要だし、あのラストでは不満が残ります。
     ひと言で感想を纏めると、コトを大きく見せ過ぎた虚作だった・・・です。


コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

未アップの映画感想と、私の旅のこと・・・。

2013年11月08日 | 日記

       

       

     見た映画の感想は、出来るだけ早くアップしているつもりですが、今回は
     海外に出るため申し訳ありません、未アップ作品の感想は帰国してから
     書かせていただきます。

     既に見ている作品は「42~世界を変えた男~」「もうひとりの息子」「恋す
     るリベラーチェ」「ばしゃ馬さんとビッグマウス」で、非常に特徴がある4本
     です。
     どんな作品も好き嫌いがあり、私としても好きではない部分もあるのです
     が、作品として良く纏まっている佳作4本と思いますので、是非ご覧いた
     だき、帰国した私の感想と付き合わせしてくださると嬉しいです。



     明9日早朝からトルコの旅に出かけます。
     シルクロードの中で東西文明の交差点に位置し、4000年以上の歴史を
     誇るのがトルコです。
     特にイスタンブルーは、ボスポラス海峡でアジアとヨーロッパに分けられ
     る重要ポイントの街です。
     とても親日的な国だと聞いているので楽しみですし、広大な国土に古代
     遺跡と雄大な景観の大自然・・・カメラは3台携行して撮りまくります。

     なお今回はシンガポール航空を利用するため、シンガポールに立寄る時
     間が大幅にありますので、シンガポールの休日も楽しむつもりです。
     そういう訳で2週間の旅ですが、このブログはその間お休みをいただき、
     11月25日(月)から再開させていただきますので、宜しくお願いします。

           ↓ (トルコ) 4枚
  

   
           ↓ (シンガポール) 2枚
  

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画2本 「ある愛へと続く旅」 & 「2ガンズ」

2013年11月07日 | 日記

   

     「赤いアモーレ」のセルジオ・カステリット監督が、同作に続いて監督の妻で
     あるマルガレート・マッツァンティーニの小説を映画化した三品です。

     夫と16歳の息子ピエトロとローマで暮らす女性ジェンマ(ペネロペ・クルス)の
     もとに、青春時代を過ごしたサラエボの旧友から会いたいと誘いの電話がか
     かり、出向くことにしたのです。
     ピエトロを連れてサラエボを訪れたジェンマは、そこで死んだとばかり思って
     いたピエトロの父ディエゴ(エミール・ハーシュ)と思いもかけぬ再会を果たし、
     彼の深い愛を知るのでした・・・。

     ペネロペ・クルスがヒロインの学生時代から中年時代までを熱演し、音楽を
     ペネロペの実弟エドゥアルド・クルスが担当しているのも興味がありました。
     今年の夏にアンジェリーナ・ジョリーが自ら監督した「最愛の大地」が公開さ
     れました。「ある愛へと続く旅」もボスニアヘルツゴビナの紛争を背景にした
     作品でしたが、今度の作品を見ていて、先にアンジーがサラエボの悲劇を
     撮りたかった気持ちがよく判るような気がします。
     この映画も女性がなぜここまで虐げられるのか、やりきれない思いで肝心
     の場面を見ました。

     それにしてもペネロペ・クルスは役柄のため裸身をさらすなど、演技も上手く
     なったし凄い根性の女優さんだと感心しますし、この女優さんを見るだけでも
     見た甲斐があったと思うくらいです。
     物語の展開が現在と過去を行ったり来たりしますが、これが演出的にはあま
     り上手くない部分ですが、音楽がいいこと、それにラストの処理が良いので
     後味がとてもいいです。お薦めの一篇です。



    

     デンゼル・ワシントンとマーク・ウォールバーグが初共演したサスペンスアクシ
     ョンです。
     麻薬取締官ボビー(デンゼル・ワシントン)と海軍情報部将校マーカス(マーク・
     ウォールバーグ)は、互いの素性を隠してマフィアの手先となりメキシコで働い
     ていましたが、2人は上部の指示により麻薬組織から4000万ドルを奪取する
     ものの、海軍の上司の裏切りにあい大金をそっくり奪われてしまいます。

     ボビーとマーカスは大金を取り戻すため手を組みますが、マフィアに追い詰め
     られ、そればかりか麻薬取締局(DEA)にまで追跡される羽目に・・・。

     スティーブン・グラントによるグラフィックノベルを、ウォールバーグ主演作「ハー
     ド・ラッシュ」も手がけたアイスランド出身の新鋭バルタザール・コルマウクル監
     督が映画化した作品です。主演二人に助けてもらいながらですが、中々の俊
     英ぶりを見せてくれます。

     麻薬組織やCIAに海軍までがからんでの大金奪取陰謀を描いていて、テンポ
     もいいし伏線の張り方も上手いし、良く出来たアクションものです。
     ただしいくらフィクションでも麻薬組織だけではなくアメリカの重要な部署がす
     べて悪者だというのは少々気になります。それと題名が良くないですね。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画2本 「グランド・イリュージョン」 & 「危険なプロット」

2013年11月06日 | 日記

   

     凄腕のマジシャンたちとFBI捜査官らの攻防を描くクライムエンタテインメ
     ントです。前から話題になっていた作品で、私も期待して見た1本でした。

     カリスママジシャンのアトラスをリーダーとする四人のイリュージョニストグ
     ループ「フォー・ホースメン」が、ラスベガスのショーで、遠く離れたパリの
     銀行の金庫室から320万ユーロを消すというマジックを披露し、観客を驚
     かせます。

     FBI捜査官のディランとインターポールのアルマが捜査に乗り出し、彼らが
     更なる盗みを働く前に阻止しようとしますが、フォー・ホースメンのイリュー
     ジョンを見抜くことが出来ません。
     捜査陣はマジックの種を暴くことで有名なサディウスという人物に協力を
     依頼しますが・・・。

     キャストはジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウッディ・ハレルソン、
     メラニー・ロラン、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマンらと豪華で、みんな
     颯爽としていて好感が持てます。
     監督は「トランスポーター」「タイタンの戦い」のルイ・レテリエです。

     最初からこれは面白くなりそうだと思いながら見ていましたが、マジックの
     ネタ明しが始まると俄然面白さを失い盛り上がりが欠けます。
     やはりマジックは種明しをしないのが正解のようで、マジックが物語の中心
     になっているのでネタバレで面白さが半減するのは仕方がないと思います。
     その観点から脚本が弱いし、監督の演出が粗いのも拍車をかけます。更に
     ラストがイマイチなので見終わって何も残らないのが困ります。



   

     フランソワ・オゾン監督が、文才あふれる少年と彼に翻弄される国語教師が
     繰り広げる心理戦を描いたフランソワ・オゾン監督の作品で、スペインの作
     家ファン・マヨルガの戯曲からの映画化です。

     若いころ作家に憬れたジェルマン(フゥブリス・ルキーニ)は高校教師で、妻の
     ジャンヌ(クリスティン・スコット・トーマス)は画廊で働いています。
     ある日、生徒たちの作文を採点している最中に男子生徒クロード(エルンスト・
     ウンハウワー)が書いた文章に目を留めます。それは、あるクラスメイトとその
     家族を皮肉に綴ったものでした。

     クロードの感情あふれる文章に危うさを感じながらも、その才能に引きつけ
     られたジェルマンは、クロードに小説の書き方を指導して行きますが、実に
     鋭い観察眼を見せるようになり・・・。

     原作が戯曲ですから狭い範囲の場所で舞台の匂いは残りますが、出演者
     たちの個性が発揮されて中々粋な出来ばえです。
     生徒の文章作りに入れ込んだ教師と、その周囲の人たちを巻き込み、なん
     と皮肉なラストが待ち受けているものか、興味深々で一瞬たりと目が離せま
     せん。面白い作品ですよ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画2本 「ブロークンシティ」 & 「マッキー」

2013年11月05日 | 日記

   

     ニューヨークの市長選挙を背景に、腐敗した巨大権力に立ち向かう元警察官
     の奮闘を描いたくクライムサスペンスです。マーク・ウォールバーグとラッセル
     ・クロウが共演しているのにも興味をそそられて見ました。

     元警察官で私立探偵のビリー・タガート(マーク・ウォールバーグ)は、ニューヨ
     ーク市長選で街が沸いている中で、市長のホステラー(ラッセル・クロウ)に呼
     び出され、妻の浮気調査を依頼されます。

     ビリーが調査を開始すると、浮気と目された相手はホステラーの対立候補の
     右腕的存在のアンドリュースであることが判りますが、ほどなくしてアンドリュ
     ースは何者かに射殺されてしまうのです。この裏には大きな陰謀が隠されて
     いて・・・。監督は「フロム・ヘル」「ザ・ウォーカー」のアレン・ヒューズです。

     派手な場面こそありませんが、主演二人の渋い演技合戦が中々面白いし見
     どころです。   
     市長夫人役はキャサリン・ゼタ=ジョーンズで役柄としてはまっていますが、も
     う少し見せ場を作ってやりたいと思うのは私が彼女のファンだからかも知れま
     せん。
     私の好きな街ニューヨークの市長選をバックに、こんな面白い話が作られてい
     るとか、どんでん返しもあって楽しい・・・と思いながら見ました。


   

     殺されてハエに生まれ変わった主人公が愛する人を守って戦うという内容で、
     インドで大ヒットを記録した奇想天外なアクションコメディです。
     なお「マッキー」とは、ヒンディー語で”ハエ”のことです。

     貧乏青年ジャニ(ナーニ)は、向かいの家に住む美しい娘ビンドゥ(サマンサ・ル
     ス・プラブ)に思いを寄せています。
     一方、表向きは建設会社の社長で、裏ではマフィアの顔を持つスディープ(ス
     ディーブ)もまた、ビンドゥに夢中でした。

     ある日、ジャニは勇気を出してビンドゥに告白し、二人は両思いになりますが、
     金と権力とルックスで落とせない女はいないと思っていたスディープは激怒、
     部下に命じてジャニをなぶり殺してしまいます。
     やがて小さなハエとして転生したジャニは、殺された恨みを晴らし、ビンドゥ
     を守るためスディープに立ち向かって行きます・・・。
     脚本・監督はS・S・ラジャーマウリです。

     本来は気持ちが悪い蝿(ハエ)の大活躍なんて中々思いつかないアイデアで
     すが、結果的に蝿が可愛らしく小気味よく活躍して楽しい作品に仕上がって
     います。
     インド映画にしてはいつもの踊利や歌の場面が少ないのは寂しいのですが、
     勧善懲悪の物語が単純で判りやすく、これこそ娯楽映画のお手本と言える
     作品なのでお薦めしたいと思います。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする