三谷幸喜が17年ぶりに書き下ろした小説を自ら脚色し、メガホンをとって
映画化した作品です。
天正10年(1582年)明智光秀の謀反により本能寺で織田信長が命を落とし
ます。
織田家を如何に継続するのか、また領地の配分について織田四天王、柴
田勝家・羽柴秀吉・丹羽長秀・滝川一益が、尾張の国・清須城で協議によ
り決めることになりました。
日本史上初めて合議によって歴史が動いたとされる清須会議は、柴田勝
家が信長の三男でしっかり者の信孝を、羽柴秀吉は次男でうつけ者と噂さ
れる信雄をそれぞれ後継者に推薦。勝家、秀吉がともに思いを寄せる信長
の妹・お市は秀吉への恨みから勝家に肩入れし、秀吉は軍師・黒田官兵衛
の策で、信長の弟・三十郎信包を味方に引き入れ、家臣たちの人心を掌握
して行きますが、それぞれの思惑が交錯して中々上手く運ばず・・・。
キャストは皆さんご存知と思いますので省略しますが超豪華です。
私は三谷幸喜の舞台が好きで、今までよく見ています。しかし彼の映画で
感心したことはこれまで一度もなく、今回は場を踏んできているので大丈夫
だろうと思って映画館に行きましたが、完全に期待外れです。
題材が史実に基づいた面白いものなので、描き方によっては快作になる内
容なのに、まるで軽演劇スタイルで見るに堪えず残念でたまりません。
一日づつ会議を重ねる毎に緊迫感が増してクライマックスに持って行けるの
ですが、三谷演出は映画の勉強不足で盛り上がらないし、今回の脚本は全
くいただけない出来です。
しかも豪華キャストをいじりまわし、変なメーキャップをさせては悦に入ってい
る三谷監督の顔が、映画を見ながら浮かんできてゲンナリでした。
駄作もいいところです。