凄腕のマジシャンたちとFBI捜査官らの攻防を描くクライムエンタテインメ
ントです。前から話題になっていた作品で、私も期待して見た1本でした。
カリスママジシャンのアトラスをリーダーとする四人のイリュージョニストグ
ループ「フォー・ホースメン」が、ラスベガスのショーで、遠く離れたパリの
銀行の金庫室から320万ユーロを消すというマジックを披露し、観客を驚
かせます。
FBI捜査官のディランとインターポールのアルマが捜査に乗り出し、彼らが
更なる盗みを働く前に阻止しようとしますが、フォー・ホースメンのイリュー
ジョンを見抜くことが出来ません。
捜査陣はマジックの種を暴くことで有名なサディウスという人物に協力を
依頼しますが・・・。
キャストはジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウッディ・ハレルソン、
メラニー・ロラン、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマンらと豪華で、みんな
颯爽としていて好感が持てます。
監督は「トランスポーター」「タイタンの戦い」のルイ・レテリエです。
最初からこれは面白くなりそうだと思いながら見ていましたが、マジックの
ネタ明しが始まると俄然面白さを失い盛り上がりが欠けます。
やはりマジックは種明しをしないのが正解のようで、マジックが物語の中心
になっているのでネタバレで面白さが半減するのは仕方がないと思います。
その観点から脚本が弱いし、監督の演出が粗いのも拍車をかけます。更に
ラストがイマイチなので見終わって何も残らないのが困ります。
フランソワ・オゾン監督が、文才あふれる少年と彼に翻弄される国語教師が
繰り広げる心理戦を描いたフランソワ・オゾン監督の作品で、スペインの作
家ファン・マヨルガの戯曲からの映画化です。
若いころ作家に憬れたジェルマン(フゥブリス・ルキーニ)は高校教師で、妻の
ジャンヌ(クリスティン・スコット・トーマス)は画廊で働いています。
ある日、生徒たちの作文を採点している最中に男子生徒クロード(エルンスト・
ウンハウワー)が書いた文章に目を留めます。それは、あるクラスメイトとその
家族を皮肉に綴ったものでした。
クロードの感情あふれる文章に危うさを感じながらも、その才能に引きつけ
られたジェルマンは、クロードに小説の書き方を指導して行きますが、実に
鋭い観察眼を見せるようになり・・・。
原作が戯曲ですから狭い範囲の場所で舞台の匂いは残りますが、出演者
たちの個性が発揮されて中々粋な出来ばえです。
生徒の文章作りに入れ込んだ教師と、その周囲の人たちを巻き込み、なん
と皮肉なラストが待ち受けているものか、興味深々で一瞬たりと目が離せま
せん。面白い作品ですよ。