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ポルトガルの俊英ミゲル・ゴメス監督の長編第3作で、第62回ベルリン国際
映画祭ではアルフレッド・バウアー賞、国際批評家賞をダブル受賞したほか、
各国批評家筋から高い評価を受けている作品です。
第一、第二部に構成され、第一部は短気でギャンブル好きの老女アウロラは
病に倒れ、世話を焼いてくれる隣人のピラールと無口なメイドに、「消息不明
のベントゥーラという男を探してほしい」と頼みます。
頼まれた二人はアウロラの願いをかねるためベントゥーラを見つけ出しました
が、彼は正気ではなかったのです・・・。
第二部は、第一部を補足する形の構成になっています。アウロラの父はポル
トガルから渡って来たのですが若くして病死、母はアウロラを生んですぐ死亡。
残されたアウロラは不自由なく成長し結婚したのですが、ある時、ベントゥー
ラと出会い、禁断の恋に溺れるのでした・・・。
この作品は昨今では珍しくなったモノクロ・フイルムで、しかもスタンダード画
面で描かれています。
更に第二部に至っては16ミリフイルムで撮影してナレーションが付き、セリフ
は聞こえないサイレント映画仕立てです。
このやり方が凝っているとか、美の極地とか、鮮烈な映像美とか言われて絶
賛されていますが、正直言って私はあまり感動しなかったのです。
長い映画製作の歴史で製作技術は格段の進歩を遂げています。この映画は
昨年製作されているのに、「アーチスト」のように古い映画風に意図的に作ら
れていて、どう考えても現在の技術を駆使して製作すべきだったと私は思って
います。
ストーリーについても異論ありですが、それ以前に先述の不満が先立ちます。
つまり私はあまりこの作品を買いません。