昨日、正倉院展に行ったばかりだが、一時正倉院宝物で、その後取り出されていた宝剣が発見されたという。1250年振り。明治時代に東大寺から発掘された刀が正倉院宝物だったと確認されたのだ。わくわくする話だ。
これからも、新たな発見は続くだろう。
井沢元彦さんの逆説の日本史シリーズは、大ベストセラーだが、文庫版の第13巻が出た。単行本は、第16巻まで出ているが、急いで読む必要もないので、文庫本が出るのを待って読んでいる。
結構癖っぽい(特に、反中っぽいところ、安保論がしつこい?)と見られるところも多いので、好き嫌いはあろうが、日本史への興味、そして、通説をうのみにせず、考える癖がつくという意味で、私は好きだ。
本人は、一人の作家が通史を書くことが重要と言っている。確かに、ほとんどの日本史の本は、こま切れに別々の作者が書いており、全体としてのストーリー性には、欠ける。
本書は、ずっと井沢さんが書いているからその懸念はない。
本書の特徴は、やはり、その時代に自分を置いて、日本史を見直すことにあるだろう。
繰り返し史料絶対主義を批判している。
13巻を通じて繰り返されるキーワードは、「ケガレ」、「現代の日本史は、宗教的知識の無視ないしは、軽視」、「怨霊」、「言霊信仰」、などなど。
これらのキーワードを駆使しながら、日本史を再考し、現代の情勢にも当てはめて論じるものだから、読者には、面白いはずだ。そうだったのか!という、蘊蓄も散りばめられているのが、憎い。
例えば、本書の最初は、鎖国について。
鎖国は、江戸幕府の強い意思から取られた政策ではなく、欧米との交易を江戸幕府は独占したい、でも占領政策の先兵となるキリスト教は絶対受け入れたくない江戸幕府は、一番宗教色の薄いオランダとの出島に限った交易を行うというスタイルに落ち着いたと考える。
1609年にオランダに朱印状を与えた。この辺までは、何となくそうかなとわかる。
ところが、その後、家康は、イギリスにも朱印状を与え、浦賀への商館建設を勧めたという。鎖国のイメージとはほど遠い。ただ、結局イギリスは浦賀に商館を作らなかった。それが、250年経った後の黒船来航では、攘夷攘夷の大合唱。家康の、本来の趣獅ヘ忘れられ、平和ボケになっていたのではないかと、井沢さんは言う。
へぇっという感じなのだが、転じて今の日本の防衛に当てはめるとどうなるか。
戦後60年以上日本は、平和を享受してきた。ラッキーでもあった。平和ボケとも言えるかもしれない。
そして、今、どこかの国が攻めて来たらどうなるか?黒船が来た時と同じ混乱に陥るのではないか?尖閣トラブルの対応は、混乱と言えるのではないか?
歴史の面白さを感じさせてくれる、考える癖をつけてくれるシリーズである。
これからも、新たな発見は続くだろう。
井沢元彦さんの逆説の日本史シリーズは、大ベストセラーだが、文庫版の第13巻が出た。単行本は、第16巻まで出ているが、急いで読む必要もないので、文庫本が出るのを待って読んでいる。
結構癖っぽい(特に、反中っぽいところ、安保論がしつこい?)と見られるところも多いので、好き嫌いはあろうが、日本史への興味、そして、通説をうのみにせず、考える癖がつくという意味で、私は好きだ。
本人は、一人の作家が通史を書くことが重要と言っている。確かに、ほとんどの日本史の本は、こま切れに別々の作者が書いており、全体としてのストーリー性には、欠ける。
本書は、ずっと井沢さんが書いているからその懸念はない。
本書の特徴は、やはり、その時代に自分を置いて、日本史を見直すことにあるだろう。
繰り返し史料絶対主義を批判している。
13巻を通じて繰り返されるキーワードは、「ケガレ」、「現代の日本史は、宗教的知識の無視ないしは、軽視」、「怨霊」、「言霊信仰」、などなど。
これらのキーワードを駆使しながら、日本史を再考し、現代の情勢にも当てはめて論じるものだから、読者には、面白いはずだ。そうだったのか!という、蘊蓄も散りばめられているのが、憎い。
例えば、本書の最初は、鎖国について。
鎖国は、江戸幕府の強い意思から取られた政策ではなく、欧米との交易を江戸幕府は独占したい、でも占領政策の先兵となるキリスト教は絶対受け入れたくない江戸幕府は、一番宗教色の薄いオランダとの出島に限った交易を行うというスタイルに落ち着いたと考える。
1609年にオランダに朱印状を与えた。この辺までは、何となくそうかなとわかる。
ところが、その後、家康は、イギリスにも朱印状を与え、浦賀への商館建設を勧めたという。鎖国のイメージとはほど遠い。ただ、結局イギリスは浦賀に商館を作らなかった。それが、250年経った後の黒船来航では、攘夷攘夷の大合唱。家康の、本来の趣獅ヘ忘れられ、平和ボケになっていたのではないかと、井沢さんは言う。
へぇっという感じなのだが、転じて今の日本の防衛に当てはめるとどうなるか。
戦後60年以上日本は、平和を享受してきた。ラッキーでもあった。平和ボケとも言えるかもしれない。
そして、今、どこかの国が攻めて来たらどうなるか?黒船が来た時と同じ混乱に陥るのではないか?尖閣トラブルの対応は、混乱と言えるのではないか?
歴史の面白さを感じさせてくれる、考える癖をつけてくれるシリーズである。