kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

楽しい練習?

2019-02-10 | 陸上競技

思う事を。

前の記事にも少し触れました。土曜日の練習に参加した他校の選手が「hoshoの練習は楽しい」と行っていました。陸上競技を本気でやるならhoshoで練習する方が絶対にいい、と。

まー社交辞令という意味もあると思います。それでもこういう言葉を聞くと嬉しいですね。しかし、うちの練習が、「楽しい」というのはどうなのか。この日も含めて毎回毎回遊んでいるわけではありません。どちらかというと負荷は強い。「楽しい」と言っていた選手、この日は途中からヘロヘロでした。コケるんじゃないかと心配で何度も声をかけました。補強も含めて無理はさせないようにしましたが。

うちの練習は普通だと思っています。競技志向で練習後を進めています。強くなるためにどうするかを最優先事項に置いて取り組んでいる。練習途中で手を抜いたり妥協したりするのはぜったいにやりません。参加して走っていたら良いよというスタンスではない。こういう指導方針の中でもやっているので「そんなに本気でやりたくはない」「気軽に身体を動かせたらいい」という気持ちではできないかもしれません。

今のご時世、そんなに競技に対して本気でやる子供達が少なくなっている気はします。陸上部には所属したい。しかし、上のレベルを目指したいという気持ちは少ない。ひょっとしたら当初は「強くなりたい」という気持ちが大きかったのかもしれません。それがその環境に慣れてしまっていつのまにか「それなり」で良くなってしまうのかもしれない。他の県は分かりませんが我が県では「中学時代のベスト記録」を更新できる女子は然程多くありません。それが何を意味するのか。どこでもやっても同じかもしれませんが明らかな違う部分があると思っています。

うちは「どうすれば強くなれるか」を常に私が考えています。それが私にできる子供達を育てる「ツール」だから。この一年間でその色はこれまで以上に強くなっていると思います。「こんなに本気でやるつもりはなかった」という言葉を聞くこともあります。そういうパターンの時は続けていくことが難しくなるのかなと。根本は「単なる運動」ではないからです。強くなろうと思えば様々な事が必要になっていきます。やはり「好きかどうか」というのは大きいのかなと思います。誰かから強制されてやるものではない。

別の他校の選手にも聞いてみました。以前から何回かうちの練習に参加してくれているけど、楽しいと思えるか?という話。返答は「考えることも多くて試行錯誤しながらの練習という感じですが、それも速くなるためだと思うとすごく楽しいです!!」でした。いや、なかなか嬉しい評価です。うちの選手はその事をどう感じているのか(笑)。それでも前向きに取り組んでいる姿は見受けられます。

キャプテンが他校の選手が「楽しい」と言った場面にいたので聞いてみました。すると「これまでの陸上の練習の中で今が一番楽しい」と言っていました。ここにどのような意味があるのか。

たしかに少し前までは「強くなりたいのであればやるしかない」というスタンスでした。やっている内容は大きく変わりません。しかし、パターンを固定化して徹底して同じドリルをやる。いわゆる「型にはめる」練習だったのかもしれません。強くなりたいという気持ちがあっても退屈な練習だったのかなと。まーそんな事を言っている選手は強くならないのでは??という考えでやっていた部分があったと思います。

しかし、それが今は少し変わっているかなと思います。多様化する練習パターンの中で感覚を作りたい。何が自分に合うか分からないので色々な形で取り組む。根本的には考えて動きを作っていく流れにしています。それに対して「楽しい」と思えるのかどうかです。

考えてやりなさい。それはすごく自主性を尊重した言葉に聞こえます。しかし、「考えるための方策」を何も知らないまま「考えなさい」は無責任だと思います。それは指導ではない。放任です。私はきちんと考えてやらせたいと思っています。選手が自分で考えてそれが最初から分かるくらいなら誰も苦労しません。方向性を示してそこに向かって何をするか。そしてこちらもその場でできている事、できていない事を伝えていかなければいけない。その中で初めて「考える」という意味が出てくるのだと思います。

練習に来てくれた他校の選手やうちの選手が「楽しい」と言ってくれることはやはり誇らしいですね。決して楽しい内容ではないと思いますが。それに対しても本人達が「楽しい」と思って取り組めるのであれば大きな意味があると思います。ワイワイやってふざけ合って楽しいというのとは全く違います。自分達の練習と向き合う楽しさが生まれてきたのかなと思っています。

変化はあります。間違いなくあります。走り自体も大きく変わってきています。もう一歩。そこが踏み出せたら驚く結果になると思います。なんとかしたいですね。こんなハードな練習を「楽しい」と言ってくれる選手のためにも私自身しっかりと考えなければいけないと思います。

本当の意味での楽しい。そこに出会えた気がします。今でもうちの練習が「楽しい」というのはなかなかだと思いますが(笑)。見守ってください。

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雨でも走る

2019-02-10 | 陸上競技

土曜日。この日は屋外で走れるだろうと考えていました。練習計画を数日分まとめて作っておかなければいけない状態だったのもあります。この数日間の中で練習のバランスを取りたいと考えていました。

朝から少し雨が落ちていました。本当に弱い雨。これくらいなら大丈夫だろうと考えていました。学校に着いたときにグランドに降りてみましたが全く問題なく使えそうな感じがありました。それでもアップに関しては室内の方が良いかなと思ったので若干のメニュー変更。体幹強化サーキットは寝転がってやる部分もあるので小雨でも濡れてしまうかなと。一応気を使います。

外部から個人的に練習参加する選手もいたので一応最大限の練習はしたいなと思っていました。うちの練習に好んで来るというのもかなり変わっているのではないかと思いますが。室内でバランス系をやってから体幹強化サーキット。さらに手押し車を。これだけで予定よりかなりロスしました。移動する時間が出てくるのでその分のロス。元々予定を3時間半くらいで考えていましたがそれでも長くなると飽きるので。

この時点でかなり暑いと言っていました。室内ですから。室内で練習を続けてもいいかなと思ってはいたのですがやはり外で走ろうということに。若干グランドは緩いなという感じでした。出来るかなという感じではありましたが。これまでであれば絶対に走らない状態です。それでもこの日は強行しました。

ハードルドリルver2から始めました。グランドに水が浮いています。それでも表面だけなので問題なし。私は室内に置いてある荷物を少しずつ運ぶ。ここの練習に関しては自分達でできるようになっていなければいけません。意識すればできることです。ここれまでは過保護だったのかなという気はしています。関わり過ぎる部分があったのかなと。考える能力を奪ってしまわないようにしたい。

この日は加速段階の動きもやりたいと思っていました。が、ゆるい。うーん。やろう!ということにして押し切りました。基本的にこういう状態だと加速段階でパワーを使ってしまいます。更に足が流れる。これではやりたい動きができません。そこで「水の上を走るトカゲ」の動画を見せる。私がやりたい動きのイメージなので。特にこういうグランド状態であれば尚更です。スタート5本と前半マークも実施。

更に合流走まで。この時点で雨は止んでいました。走りにくい環境ではあったと思います。その状況に応じて何ができるかというのは大きいかなという気はしています。走れないと決めつけない。スタート5歩などで泥ハネをしていました。女子選手の顔に少し土がついていたりする。この日はやると決めていたので絶対にやる。汚れるというのは気にしない。お客さんが来ているのでそれもプラスに使わせてもらいながら。

本当は120をやりたかったのですがさすがに厳しいなと感じたので相談。自分達で判断して折り返しの形でやることに。T走は無理だと判断してDM走で。こうやって対応する力は多少なりと身についているのかなと。かなり負荷をかけることができました。

休まずに補強を。セラバンド歩行。これはうちの選手が最も嫌う練習。この日は間に補強を挟むことができなかったので2サイクル。1サイクル終わった時点でやり終えたという表情になっていたMにその事を伝えると絶望感が全面に漂っていました。初めてやる他校の選手はやるだけで苦しんでいました。うちの選手、私がやると言い出したらやるのが分かっているので諦めて2サイクル実施。立派。更にプレート補強を。

本当はここからスプリントサーキットをしたかったのですがなかなか難しいので若干の変更。DMスキップ、DMシザース、DM走を入れました。走りを段階的に作っていくメニューです。このメニュー1サイクルやった時に明らかにタイミングがズレている者が数名。走りの間にスイッチングを入れるようにと指示をする。それによりやりたい動きが完全にできるようになりました。3サイクル目はスイッチングの事は言わずにいましたがきちんとやっていました。こういう部分は本当に成長していると思います。

大学で続ける選手がこの場に4人いました。だからこそこういう練習は必要だと思います。自分で足りないなと感じた部分に関しては自主的に入れておかないといけない。与えられたメニューだけをやり続けるのでは先には進めません。崩れた動きを戻すという部分もやはり自分でやらないといけない。走りの特徴を理解させたい。ここは私の責任だと考えています。

最後に走りたいなという話をすると前半メニュー後と同じように折り返しをするという事なので任せました。走りたくないと思う部分もあるのかもしれないですがやりきりました。比較的楽しそうにやっていました。このことに関してはまた別に書きたいなとは思います。

練習後、少しだけ話をしました。これから先本気で勝負をしようと思えばやはりきちんと練習を積まないといけない。こういうグランド状況だから練習ができないという判断も必要かもしれません。しかし、関西の高校ならこれくらいのグランド状態なら走ります。雨が降ってもグランドが緩くても走る。服が汚れるから嫌だ、泥ハネで顔や髪に土がつくから嫌だ。そんな気持ちもあるでしょう。しかし、そんな話をしている場合ではない。

走れる可能性があるならしっかりとやる。泥臭い練習というのはうちではなかなかやりません。少しでも緩ければ室内で走らせてきました。しかし、それが本当の意味でのタフさを育てることに繋がらないのではないかと。毎回毎回この手の形ではやりませんが、時としてこういうことも必要なのかなと。バカみたいなことをしていると思われるかもしれませんが私はかなり本気です。

この場にいて近くで見続けています。そこでしか分からないことがあると思っています。分かりにくい部分だと思いますが。

かなりやりました。こういう機会を次につなげてもらいたい。心からそう思います。また書きます。楽しい、については触れておきたいと思うので。

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