酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

坂口安吾2

2009-06-05 19:50:23 | 東洋大学
今日も東洋大学のエクステンション講座に参加した。

『坂口安吾と現代』講座の第二回目で、題は「安吾の推理小説」。講師は藤本典裕東洋大学文学部教授。

先生の話はミステリーの楽しみ方から、安吾の推理小説へ。

安吾は何故推理小説を書くことになったのか。
江戸川乱歩から書くことを勧められたこと、元々推理小説が好きだったこともあったが、一番大きな理由は当時の推理小説について、①トリック偏重で人間の心理が描かれていない、②超人探偵への批判など、読者と作者の間のゲームが成立しないことに安吾が大きな不満を持っていたことがある。
その結果1947年に『不連続殺人事件』が生まれた。
この小説の登場人物である矢代寸平(小説家)と巨勢博士(探偵)に安吾の投影が見られることや、一見無能にもみえる巨勢博士の探偵像についても話があった。
そして最後にこの小説で見られる数多い「無意味な殺人」は一人の死に対する敬意が感じられない点で、大多数の無意味な死を生んだ戦争の影響があるのではないかとの指摘をされた。

講義前に私も慌てて『不連続殺人事件』を読んだが、登場人物が多過ぎる上、場面により本名とあだ名が交錯したりして、人物像が整理出来ない内に読み終わってしまった。犯人を明かされても、あっそうかという程度が正直な感想。安吾の狙いが今日の講義でわかったので、ゆっくり再読したい。



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2 コメント

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安吾その2 (つゆ草)
2009-06-06 08:27:06
安吾と推理小説は私の中であまり結びつかなくて、安吾小説の幅の広さを感じます。安吾自身は推理小説を謎ときゲーム的に愛好していたようで、夏の暑気払いのつもりで本格的な推理小説を書き始めたと述べています。それと「我が人生観」によると、安吾は結構繊細なところもあり奥さんのことなども安吾側から読むとまた違った一面もあったりして興味深いものがありました。己に対してとても正直な生き方をする人だと好感度が上がりました。来週の谷地先生の「第二芸術論」楽しみですね。
私のブログのタイトルは「つゆ草」でした。写真はまだやり方がわからずです。
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安吾2 (酢豚)
2009-06-06 10:05:29
ありがとうございます。
確かに謎解きゲームの感じです。「不連続殺人事件」でも、読者に犯人を当ててみろと何度も
煽っています。内容に自信を持っていたのでしょう。

かわいいブログ開店おめでとうございます
毎日一句楽しみにしています。
でも映画の批評は手厳しいですね(笑)
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