酢豚のひとりごと

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『春琴』

2009-03-16 21:57:15 | 演劇
「春琴」見ました。
 演出:サイモン・マクバニー 出演:深津絵里・チョウソンハ他
 原作:谷崎潤一郎の小説「春琴抄」・随筆「陰翳礼讃」
 世田谷パブリックシアター 
 
主演の深津絵里が紀伊國屋演劇賞、読売演劇大賞女優賞、他に読売演劇大賞最優秀演出家賞などで既に評価されている舞台の再演。だから流れも演技も十分完成している。

サイモン・マクバニーの演出も見応えがある。文楽と同じように、三味線と語り(この場合は朗読であるが)そして人形とそれを動かす人形遣いが登場する。

主人公の春琴は最後の部分を除き人形が演じる。わがままなお嬢様になる人形の無表情さと、人形を動かす深津絵里の甲高いセリフがぴったりで役者が演じるより存在感がある。
また人形相手に演じる若い佐助役のチョウソンハの身体の動きがのびのびして気持ちいい。

しいて難を言えば、朗読によって全部語ってしまうので観客に想像の余地がないこと、演出の意図であるはずの「陰翳」の部分がほとんど伝わってこない (映像の利用が上手くいっていない) ことなど。

とはいえサド・マゾ風の谷崎の怪しい世界に、人形がうまくはまった魅力的な舞台である。



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