「ホロヴィッツとの対話」 PARCO劇場
作・演出 三谷幸喜、出演 渡辺謙・段田安則、和久井映見、高泉淳子
音楽・演奏 荻野清子
久しぶりに三谷幸喜らしい芝居を見た。翻訳劇よりやはり三谷の原作の方が面白い。
ともあがめられる偉大なピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツ(段田安則)と、その演奏を支えるピアノ調律師フランツ・モア(渡辺謙)のたった一晩のお話。
ある日ホロヴィッツ夫妻がモアの自宅を訪ねたいと言う。モアにとっては大感激のことではあるが、ただわがまま放題の二人を迎えるのは大変なこと。モアの妻エリザベス(和久井映見)はぴりぴりした気持ちで食事の準備をして待つ。
到着した二人は予想どおり好き勝手で言いたい放題。最初は素直なエリザベスも次第に我慢できなくなり反撃も。
そのストレートな会話の中に、ホロヴィッツ家が抱えていた隠された事情が次第に明らかに・・・。
役者ではホロヴィッツを演じた段田安則の演技が絶品。今年の演技賞は決まり!といった感じ。老ピアニストを面白く、悲しく、そしてやさしく演じている。その妻ワンダを演じる高泉淳子とのコンビも絶妙。
渡辺謙の起用はPARCO劇場40周年の舞台ということがあるのかもしれないが、その役は偉大なピアニストのわがままに右往左往する調律師役。この辺がひとひねりした三谷らしい起用。初舞台の和久井映見もそれなりに好演。
三谷演出の4人芝居としては、役者の力量がそろっていた『コンフィダント・絆』には及ばないが、見ごたえのある芝居としてお薦め!
(PARCO劇場公演は3月10日(日)まで)
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