『虹とマーブル』 (於)世田谷パブリックシアター
作・演出:倉持 裕
出演:小出恵介・黒島結菜・木村了・小林高鹿・ぼくもとさきこ・玉置孝匡・小松和重・ともさかりえ
昨日、好きな演出家である倉持裕の作・演出の舞台「虹とマーブル」を見てきた。
昭和の高度成長期に、悪の世界を利用して底辺からのし上がった主人公鯨井紋次(小出恵介)が挫折するまでを描く。
倉持脚本にしては、珍しく政治ネタが入り少しシリアス。彼が得意の雰囲気で見せる芝居ではないので、説明的な部分が多く流れがあまり良くない。また転換のためやむを得ないとはいえ、正味2時間ちょっとの舞台に休憩2回は多い。主人公の成り上がる過程も転落する過程も十分描かれないので、結末への盛り上がりに欠けるなど、新しい境地を狙ったのかも知れないが、今回は不発かも。
役者では主演の二人が物足りない。初舞台で年代の演じ分けを求められた黒島結菜にはやむを得ないところはあるが、舞台は何度も経験しているはずの小出恵介のセリフが聞き取りにくいのは残念。
ともさかりえがクラブのママ(オーナー?)を楽しそうに演じているのが微笑ましく、玉置孝匡は何役をそつなくこなすなど、脇役陣は好演。
玉置孝匡がカーテンコールで、芝居中に3700グラムの子どもが生まれたと明かされ大拍手を受けていた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます