曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

目の病気 加齢性黄班変性症

2018年02月19日 | 日記

今日の花

椿の銘花 玉之浦    長崎県五島で発見された藪椿の変種

 


わたしは昨年の秋に「加齢性黄班変性症」という目の病気になり治療をしていることを何度か書きました。

治療は4カ月に渡り、2月2日に一応終わりましたが、幸いなことに治療薬がよく効いたようで症状はほとんどなくなりました。それでも、お医者さんがおっしゃるには「状態は良くなりましたが完全に治ったとは言えません、いつか再発することもあるので定期的に検査を受けてください。」ということでした。9月の末に発症した時には左目の視野の中に黒い丸い斑点が現れてその部分が見えなくなりました。そんな状態が突然起こったものですからとても驚きました。一夜が明けて次の日の朝になっても黒い斑点は消えませんでした。これはお医者さんに診てもらわなくてはと近くの病院の眼科を訪ねました。先生から「これは加齢性黄班変性症ですね、ここの病院では治療ができないので専門のお医者さんを紹介しましょう。」と言われました。黄班変性症という病名は聞いたことがあるようなないような、要するによく知らなかったのです。帰ってから調べてみると日本ではそれほど多くはないけれど、進行すると失明に至ることもあるようで結構大変な病気なんだと言うことが分かりました。先生も言われましたが、最近までは治療の方法がなく「お気の毒ですが諦めてください」と言われていた病気だったのです。でも最近は何通りかの治療法が確立されており諦めなくてもよいとのことでした。

すぐに紹介状を持って、徳山の眼科病院を訪ねました。眼底写真や網膜の断層写真を何枚も撮り、症状について説明されました。眼底の写真を見ると中心部の黄班より少し右側の所に出血した所が見られました。断面を見ると網膜とその下の脈絡膜との間に出血したものが溜まっていて網膜が浮いたような状態になっていました。その出血部分が視野の中では黒い斑点になっていたわけです。先生はこれからの治療方法を説明してくださいました。出血部分には新生血管という新しい血管ができていてそれはもろくて破れやすいものだそうです。これから行う治療は眼球内の硝子体の中に治療薬を注射で注入してその薬の作用で新生血管の発生を抑えるのだそうです。その眼球注射をひと月に一回づつ三回行うことになりました。ルセンティスという薬ですが結構高価な薬です。一回目の治療は10月の18日に決まりました。治療日の三日前から目薬として抗生剤のレボフロキサシン点眼液を一日4回目に点すようにと言われました。雑菌を防ぐのですね。治療当日はどのようにして注射するのかと言うと、まず瞳孔を開くための目薬を入れます。注射を始める前には痛み止めの目薬をさします。効いてきたら顔全体をカバーで覆って目の部分だけ開いています。更にもう一度殺菌をします。そして目の周辺も洗って殺菌をします。準備が整ったらまぶたが閉じないように器具で広げておいてから、いよいよ注射針が眼球に差し込まれます。もちろん私の眼は見えていますが証明の明かりがとても明るいため細かな作業はよく見えませんでした。針先から薬液が目の中にじわっと広がって行くのはよく見えます。そして注射針がひきぬかれるとそれでお終いです。薬液が注入された分圧力が高まるのかしばらくは眼球全体に軽い痛みを覚えます。病院を出て歩き始めるころにはその痛みもそれほど感じなくなりました。2時間くらいは瞳孔が開いたままになっていますので車の運転はできません。電車で帰るため駅までゆっくり歩きます。街路樹がきれいに紅葉していて、それが夕日を浴びてとてもきれいでした。美しいものが見えるということは何と素晴らしいことでしょう。

2度目の治療は11月の20日でした。最初の注射からひと月が経ちました。眼底写真では出血部分が分かりにくくなっていました。断層写真では基底部の脈絡層と網膜との間がかなりくっついていました。円形の出血部分の縁のあたりはまだでこぼこしています。それでも出血は抑えられてたまっていた体液はほとんどなくなっていました。だいぶ良くなっているようです。3回目の治療は12月の20日過ぎになるのですが、その時期には我が家の仕事が一番忙しいので正月明けの4日の仕事始めの日にしていただきました。

3回目の治療日の1月4日には、秋にはきれいだった街路樹は丸裸になっていました。検査では前回見られた網膜のでこぼこもほとんど見られなくなっていました。脈絡膜と網膜との隙間もほとんどなくなっていて、眼底写真で見ても何処が悪かったのか分からないくらい良くなっていました。このころになると黒い斑点も視野から消えて気にならなくなりました。3回目の注射をして治療を終えました。ひと月先にもう一度検査をして経過が良いようだったら今回の黄班変性症の治療は終わりです。薬はよく効いたようで視野の中にあった黒い斑点もなくなり像のゆがみも気にならないほどになりました。

診察が済んだ時には、現代医療技術と先生の治療に感謝をこめて「ブラボー」と叫びたい気持ちでした。

 

 

加齢性黄班変性症についてはよく知らない方もいるかもしれませんので、日本眼科学会のホームページから画像を借りてきましたのでご覧になってください。

もしも症状に心当たりのある方がおられたら、早めに診察を受け治療をしていただいた方がよいと思います。

 

 


加齢性黄班変性症について

 

目の仕組み

 

 

 

 

 

加齢性黄班変性症になったたらどんなふうに見えるのか

 

 

 

検査の方法

 

 

 

 

眼底写真で見ると

正常に状態

 

加齢性黄班変性症の発症した眼底  私の場合こんな状態でした。

 



患部の断層写真

私の場合もこのくらいでした。

 

 


レーザーでの治療

 

 

 

 

画像を載せただけで説明が不十分ですが、何かお役に立ちましたでしょうか。

 

詳しく知りたい方は日本眼科学会のホームページ http://www.nichigan.or.jp/public/disease/momaku_karei.jsp をご覧ください。