曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

布刈 に行きました

2018年02月20日 | 日記

今日の鳥

今日は変な鳥ではありません。普通の鳥カラスです。こんな海岸に集まって何をしているのでしょうか???

 


 この時期になると今でも海へ行きたくなります。

 若いころには1月と2月の大潮の日にはきまって友達を誘って、真夜中に磯へ海の幸を探しに出かけたものです。真夜中と言っても午前2時から4時くらいの時間帯がよいのです。だいたい満月の日かまたは新月の日になるのですが、その日には夜中の干潮が最もよく引いて、元来海の中にいるべき生き物たちが引潮に取り残されたり普段の住処が露出したりするのです。たとえばサザエやアワビなどは普段海中に潜らないと取ることはできませんが、潮位が特別に下がるこの時期には水中に入ることなく陸から拾うことができるのです。タコやナマコも陸に上がっていますし、海藻ではヒジキやワカメなども楽に取ることができます。とても美味しい海の幸が楽に手に入るとなると、どんなに寒かろうが夜中だろうが嬉々として出かけたものです。
思い出してみるとこんなことがありました。満月の夜出かけた時には海岸で夢中になって獲物を探していると、気付いた時には周りが暗くなっているのです。夜中ですから暗いのは当たり前ですが満月の夜だけに最初は海岸はとても明るかったのです。暗くなったので不審に思い空を見上げると正に皆既月食の真っただ中だったのです。赤黒い月が空にありました。暗いと岩だらけの磯を歩くのは難儀するのです。そして、私たちの磯歩きが終わるころには月食も終わり元の満月が海岸を煌々と照らしていました。
またこんなこともありました。とても寒い夜でしたが仲間と海へ行くことに決めていたので、夜中に起きて出かけました。海岸に出て最初は良かったのですが、真っ暗の空から雪がはらはらと落ち始めました。せっかく出てきたのですからそんなことで諦めたりはしません。岩の多い波打ち際で懐中電灯の明かりを頼りに獲物を探して歩いていると、懐中電灯の光の中を舞う雪はひどくなるばかりです。風も強くなってきました。懐中電灯の光を海の方に向けると雪は吹雪の様に沖から陸へ向かって吹きつけています。波の砕ける音、風の唸り声、真横から吹き付ける雪、懐中電灯の光の外は真っ暗です。世の中のほとんどの人がお布団の中でぬくぬくと寝息を立てているときに、そんな所をさまよっていた私たちはなんと言ったらいいのでしょう、もの好きと言うかアホと言うべきか、若かったのでしょうね。70を超えた今はさすがに夜中に出かけようとは思いません。それでも海がわたしを呼んでいるし、大潮の最後の日を無駄にしないためと思って今日は海へ出かけました。

海岸には私を除いて人っ子一人いませんでした。遠くでカラスたちが私のことを迷惑そうに見ていました。

お目当てのワカメはとても不作で、丈は小さくて数も少ないのでバケツに1/3ほどしか取れませんでした。でも我が家で食べるには十分です。海の幸に感謝です。

 


ワカメの生える場所は潮の流れのよい瀬戸です。

 


 

海中のワカメ 小さいですね。

空気を含んだ海藻が波で踊っているのは面白かったです。

こうしてワカメを刈り取ります