何やら謎の数字が威力を発揮する。
未だにはっきりしないが、はっきりしているのは「四大臣合意にそって実施する」である。
この四大臣合意とは2016年12月17日、厚生労働大臣、財務大臣、経済再生担当大臣、官房長官の4人が、薬価制度の抜本改革に向けた基本方針に合意し、薬価の全品目の見直しを行い毎年薬価の改定を行うことに決定した。
やることは既に決まっている。
15日の参議院厚生労働委員会で、厚生労働大臣が国民皆保険の持続性とイノベーション推進の両立を図るために必要と述べている。
ここのところは動かないと思う。
そこで問題となるのが2023年の薬価改定はいくらの引き下げになるのかである。
振り返ってみると2021年の中間年改定では8%の乖離に対して0.625倍の5%を超える品目が対象となった。
ここで私が注目したいのは0.625倍である。
これは何の根拠で0.625倍なのか。
明らかに数字合わせである。
2021年3月5日の薬価改定に関する告示には「国民負担軽減の観点からできる限り広くすることが適当である」として、0.5倍~0.75倍の中間をとったと記されている。
0.5倍なら4%、0.75倍だと6%になる。
薬価には2%の調整幅が認められている。
調整幅とは「薬剤流通の安定のため」としてクッションのような遊びを設けている。
要は実勢価格に調整幅を上乗せて新薬価を決めるという仕組みである。
従って、単純ではないが8%の乖離であるなら6%の引き下げがあっても不思議ではない。
それをあえて5%にまでおまけしてくれている。
さらに大臣合意では「価格乖離の大きな品目について薬価改定を行う」としている。
ところが実際には7割にも及ぶ改定があった。
これはやり過ぎじゃないかとの意見があるが、7割にも及ぶ安売りがあったと考えるべきではないだろうか。
2023年度の薬価の中間改定は“あるある”のようだ。
日頃の価格交渉の成果があだとなる。
これを踏まえて薬価差益が経営原資として必要だと言うのは勝手だが、ひっそりと調剤報酬本体への大幅なシフトは欠かせない。
先ずは、算定可能な報酬の何が難しいのか。
算定できない理由は捨てて、やるための必要条件を明確にする。
時間はまだたっぷりある。
職員を動かすのはやる必要性や意義の理解、そして出来た時のインセンティブくらいは用意して欲しい。
“やれ、やれ”は、どうせ経営者だけが儲かるだけと反発になる。
”なぜやらない“は目標設定とやれる環境整備がない。
こんなところに普段の経営者の後ろ姿が見えてくるものじゃないだろうか。
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