医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

ごめんなさい🙇

2023-01-09 04:02:37 | 薬局
“覆水盆に返らず”は元々の盆がダメだったからじゃないの。

後発医薬品メーカーの不祥事から薬の安定供給が大きく損なわれている。
通常は修正して元のラインに戻るが、修正が出来ないのは、そもそもがいいかげんだったってことじゃないだろうか。
修正がきかないほどなら根本から見直しが必要になる。
中途半端に直すより新しく作り直した方が早いかもしれない。
それをためらっているから何時まで経っても改善などない。

水虫などの真菌症の治療薬に睡眠導入剤の成分が混入した件は、混入しないように手順書を見直して本来の製造工程に戻せばいい。
そもそも継ぎ足しなどありえないことで、継ぎ足さなければいい。
また品質試験で不適合となった錠剤を砕いて再び加工したり、出荷前の一部の試験を行わないなども同じである。
再加工など許されない。
出荷前の試験はきちんとやればいい。

ところが、それだけじゃなさそうだ。
簡単に修正が出来そうにもかかわらず、これだけ時間をかけても元に戻すことが出来ないのは、かなり不祥事の根は深い。
もっと隠された裏事情がありそうだ。
要は修正がきかない根本的、構造的問題があるからである。

日医工の事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)が昨年末に成立した。
厚生労働省としては倒産されると薬の安定供給が損なわれるから何とか再生させたい。
そこで本来なら認めない不採算品の撤退を認めることで、事業再生計画案に債権者の同意を得た形になったようだ。
日医工としてはとりあえず“いいとこどり”で活路を見出すことになる。

そこで問題になるのが不採算品をどこの会社が引き受けるのかである。
不採算品は、どこが製造しても不採算から逃れられない。
どこの会社も製造ラインに不採算品を流すより、儲かる品目をより多く流したいはずだ。
4月から始まる薬価の中間改定では、不採算品の薬価引き上げがあるようだが、そんな気持ち程度ではどこも引き受けない。
安定供給への道は簡単ではない。

ところで日医工はどうやって医療機関や薬局の信頼を回復するのだろうか。
問題はそこにある。
せかっく“いいとこどり”が出来ても誰も買ってくれなければ赤字は続く。
まさに崖っぷちに立たされたようなものだ。
支援している医薬品卸が必死になって販売しても得意先は納得しない。
安ければ買うかもしれないが、薬価改定は毎年になり、確実に薬価引き下げになり不採算へと向かわせる。
無駄に薬価引き下げになるだけで意味がない。

そもそも不祥事に対する謝罪が見えてこない。
先ずは、そこをどうするのかが先決じゃないだろうか。

今日は成人の日だ。
成人の定義が分からなくなったが、成人になったんだから不祥事には逃げないで欲しい。
面と向かって早い対応が大事になる。
ダメなことには言い訳など要らない。
本気の謝罪があるのみだ。
コメント
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