連携が難しい。
医療機関は大きく病院と診療所に分かれる。
さらに病院では急性期と回復期、慢性期に分かれる。
その他には介護分野として老人保健施設や特別養護老人ホーム、特定施設、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどがある。
これらはそれぞれが役割をもって連携できる仕組みになっている。
ある面では連携しないと本来の運営が難しい。
ところが薬局はどうだろうか。
大きく大手調剤チェーンの薬局があり、中小薬局がある。
さらにドラッグストアもある。
ここには連携などない。
お互いがお互いの処方箋争奪戦に参加している。
上記が関係する組織として中小薬局が主体の日本薬剤師会がある。
もともとの歴史が長く、まさに距離制限があり競争がなかった職業組合(ギルド)の様な組織である。
次に、ここ30年前後で急成長した大手調剤チェーンを主体としたのが日本保険薬局協会となる。
規模も大きく売上が数十億から数千億円規模の企業で組織されている。
前回の調剤報酬改定から出された、受付回数が4万回、40万回以上の企業がひしめいている。
そして、新興勢力としてのドラッグストアを核とした日本チェーンドラッグストア協会がある。
これらは利害がぶつかるだけで連携など出来ない。
上記の関係から一般的な薬局側としての共同主張も迫力がない。
迫力がないというより前に、共同などあり得ない。
中医協でも厚生科学審議会でも本当の意味での薬局の代表ではない。
薬局3団体の考え方はかなり異なる。
それぞれが自分たちの立場を守ろうとするので話し合いは常に平行線をたどる。
以前も書いたが日本薬剤師会が提案している「地域医薬品供給体制確保計画(仮称)」などは、薬局版地域医療計画の性質を帯びている。
ドラッグストアの店舗展開を阻止したいとの要望を感じさせる。
ドラッグストア側はますますの調剤併設の多店舗展開を目指している。
何と言っても処方箋は利益にも貢献し、その利益が食品の安売りにつながる。
その結果として処方箋の獲得にもつながっている。
また、個店の不祥事がめぐりめぐって薬局開設者にまで遡られると、多店舗展開している開設者は数多くのリスクを抱えることになる。
10店舗のリスクよりも1,000店舗のリスクとなるとかなりガバナンスが難しい。
それを強いられると反旗が翻る。
どうなるのか心配だ。