医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

うすいホネ

2014-04-22 05:18:16 | 薬局
これで勝てますか。

調剤報酬改定で保険薬剤師の在宅への1日の訪問は5回に制限された。
この問題については、私の知らないところで5回の是非や厚労省に対するエビデンスを求めていることと思う。
今回の診療報酬を見る限り、ほぼ全ての病院病床で在宅復帰率が算定要件に取り入れられ、それを維持するにはかなり意識的に自宅へ帰す努力が必要になる。
特に、7対1看護の維持には自宅復帰率が75%とハードルが高い。
その受け皿として地域包括ケア病棟にも70%が要件である。
どちらにしても医療度の比較的高いレベルの在宅復帰が予想される。

ここでの自宅には2通りのパターンがある。
1つはそのまま自宅復帰である。
受け入れてくれる家族がいるのは幸せである。
もう1つは特定施設やサビース付き高齢者向け住居などの高齢者施設である。
薬局の在宅患者訪問薬剤管理指導料は前者が650点になり、後者は300点になった。
施設等の300点は薬局にとっては厳しいが、基本的に高齢者施設の患者は介護保険の適用者が多い。
従って、居宅療養管理指導費の352単位の請求となる。
尚且つ、保険薬剤師が1日5回までの制限も今のところない。
これからはこの部分が急速に増えていくのではないかと予想できる。

首都圏における施設への薬局の取り組みとして、ほぼ常態化しているのが医師との診察同行である。
医師が診察に来る前に薬剤師が事前に患者の状態など把握し、診察時のサポートをしている。
これによりかなり診察時間が短縮される。
もちろん報告書も書きやすくなる。
地方では施設内の看護師またはヘルパーに渡すだけの所も多い。
患者の状況は本人ではなく看護、介護している方からのまた聞きである。
薬歴管理や報告書が書けないと言った現実もうかがえる。

その他に、薬局が自ら骨密度測定器を購入し、施設入所者への測定を行っている薬局もある。
始めたきっかけは「有病率」からだ。
人口10万人に対する罹患率を示すデーターで、これによると80歳以上の女性では50%を超えている。
男性でも30%弱となっている。
ところが、ある施設内の薬剤を管理している54名中骨粗しょう症治療薬が投与されているのは12名しかいなかった。
そこで、自前の測定器で測定すると26名に処方が増えたそうだ。
要は、医者も万能ではない。
こんな活動を施設内の看護師やスタッフ全員で取り組んでいる。
ここでなぜ骨粗しょう症かと言うと施設内での転倒は、施設側にとっても大きなリスクで、入所者が骨折でもすると施設側にも責任が問われる。
この他にも血液を採らずに測定できるトータルヘモグロビン濃度測定器(プロント‐7)などを活用して貧血予防なども行っている。
こちらも施設スタッフには便の色などを観察してもらいながら転倒につながる貧血の発見に効果的だそうだ。

高齢者施設にありがちな転倒防止で薬局が施設をサポートする。
この持ちつ持たれつの関係構築が次につながる。
ただお届けするだけでは、価格競争に巻き込まれかねない。

さて、今日から日曜日まで出張が続く。
そろそろ空港に向かわなくちゃ。



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