医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

足るを知る

2011-07-13 06:55:27 | 薬局
多いのか少ないのか。

現時点で薬局薬剤師の必要数は充足しているとの報告があった。
日経DIからの記事であるが、厚生労働科学研究「薬剤師需給動向の予測に関する研究」からだ。
この報告書によると薬局薬剤師1人当たり院外処方せん枚数は、2001年度の5,555枚/年をピークに漸減傾向にあり、2009年度には4,982枚/年になったそうだ。
年間52週として週休2日とすると260日の勤務体制となる。
そうなると2001年度の1人当たり1日薬剤師が扱った処方せん枚数は21枚となり、2009年度は19枚となる。
これだけ見ると明らかに充足となる。
また、在宅患者に関する医療費・介護費をみると2008年度は83億300万円あった。
これは2001年度に比べて約20億円増えている。
少しずつではあるが薬剤師の地域活動も芽生えている。
この報告では薬剤師の地域偏在についても触れている。
これは実感として感じていると思うが、やはり都道府県の県庁所在地などの都市部に集中していることも記されている。

さて、地域偏在はあるとしても本当に充足状態にあるのか。

新しい流れとしてドラッグストアが調剤事業に本腰を入れ始めた。
スーパーなどの異業種参入により、対抗的にドラッグストアは薬剤師がいる差別化戦略を進めている。
何と言っても調剤業務は薬剤師が必要となる。
また、大手GMS(イオンの様なスーパー)も調剤を絡めた戦略を考え出した。
従来は医療機関がショッピングモールに入りことを単にテナントとしか考えていなかったが、これからは集客を考慮したモール展開を始める。
もちろん調剤事業も重要なサービスと考えている。
何と言ってもスーパーの顧客の大半は自宅で食事をする小さな子供がいる世帯と中高年世帯が多い。
そして、ここには処方せんが宝の山になっている。
リフィル処方せんが解禁になるのを虎視眈々と狙っている。

そうなるとなかなか充足とまでは難しい。
新たなビジネス展開は新たな薬剤師需要を生む。
尚且つ、薬学部を持つ大学は増えたが、定員を満たせる大学は少なくなりつつある。
また偏差値の低い入学も見られるようで、6年間のハードルを越えることができるだろうか。
かなりの学生は実習が始まるまでにふるいに掛けられ落とされているらしい。
聞くところによると入学して5年生にたどり着くまでに3分の1は再挑戦になっているとか。
それを聞くと親のふところが心配になる。

それにしても集まるところには薬剤師は集まる。
そこには薬局として、企業としての魅力があるからかもしれない。
何時までも地域偏在のせいにしてはいられない。



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