花ごよみ

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閃光 (永瀬隼介)

2011-09-17 | 本 な、は行(作家)

昭和43年12月10日。
場所は府中刑務所前。
土砂降りの雨と、雷が放つ閃光の中。
犯罪は犯人達の目的どおりに、
成し遂げられた。

40数年経過した今も未解決に至る、
三億円事件を扱った小説です。

605ページの文庫本。
かなり分厚いですが
引き込まれる作品でした。

“東京小金井の玉川上水の中でひとが倒れている”
この事件を端緒として、
今と過去が交差しながら展開していきます。

滝口が見いだした三億円事件との繋がり。
未解決に終わったしまったのには
警察組織に関するある理由が存在。
警視庁捜査一課滝口は、
自分自身のカタをつけるためにも動き出します。
その相棒となった
巡査部長・片桐慎次郎を巻き込みながら…

三億円事件当時の時代を生きた犯人達の
ゆがんだ青春も目に浮かぶように
描かれています。

いくつもの複雑に絡み合った、
素因をほぐしながら
徐々に謎を解明していきます。

ラスト近くまで犯人は見えません。

先を読みたい衝動に駆られますが
今回は我慢しました。

重厚でそれでいて、
夢中になれる面白い小説。

ハッピーエンドではなく
暗く重い気分が残りますが、
少しだけ明かりが見えるのが救いです。

昨年『ロストクライム -閃光-』というタイトルで
映画が上映されました。
その映画がWOWOWで放映されています。
それを録画しているので見るのが楽しみ。






コメント
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