花ごよみ

映画、本、写真など・

犯罪小説家 (雫井 脩介)

2009-02-28 | 本 さ、た行(作家)

新進作家、待居の作品「凍て鶴」を、
映画化しようとする話がもちあがる。

監督として手をあげたのは、
人気脚本家の小野川。

独特の自分の世界を持ち、
相手を自分の思いこみの中に、
追い込む強引さを感じさせる…。
この小野川に、
待居は気味悪さと、
相容れなさを感じ始める。

あまり内容に変化がないのと、
全編に漂う重苦しい雰囲気の中、
暗い底に沈んで行きそうな気がする
不気味な湿った空気感があって
読み進めるのがつらかったです。

このまま最後までこの調子で行くのは、
とても精神力が持たないなと
感じ始めていましたが…。

本の半分ぐらい読み進めたところ、
そこで表れた「落花の会」の、
ハンドルネームに関する情報。

待居のスランプ時代の「落花の会」の
サイトとのつながり。

俄然面白くなってきました。

小野川と待居、そして今泉
作家と映画監督、ライター。
同じ物書きとしての感性。

この世からフェード・アウトしそうな
感じのあぶない人達。

フィクションとは大いなる嘘。

信じ得る登場人物は一体誰なのか?

ハンドルネームがたどり着く真相。

面白い構成だと思います。

でも暗いストーリー。

今回は我慢して気になるラストを
かいま見ることなく読み終えました。
先に読んでいたら面白さが
半減するところでした。










コメント (4)
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