JF4CADの運用日誌2.5

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「2019春期 京都非公開文化財特別公開」に行ってきました①

2019-05-19 | 御朱印めぐり
10連休の締めは京都です。最終日は皆さん京都から各地に帰るでしょうから比較的空いて穴場なんです。

5/6まで京都古文化保存協会による恒例の「春期 京都非公開文化財特別公開」が開催されています(一部は期間が異なる)。今年は天皇陛下の即位を記念した特別公開になっています。崩御ではなく譲位なので大々的にお祝いできますよね。

今回の特別公開では20の寺社が対象となっています(聖護院と積善院は1つとしてカウント)。中には東寺・仁和寺など「京の冬の旅(こちらは京都市観光協会主催)」でも常連となっている寺社もありますが、京都市外にある寺社やほとんど公開されない寺社が時折混じっているのが特徴です。


なんと言っても今回の目玉は東山の長楽寺で、天皇陛下の即位時にしか公開されない本尊・准胝観音が約30年ぶりに開帳されます。令和に改元された5/1からの公開となっています。この他西陣の慈受院、東山の得浄明院、山科の安祥寺が未訪問ですので行ってみます。これらの寺院はいずれも御朱印を頂けるようです。

回り方をどうするかですが、まずは山科に行き安祥寺からスタート、地下鉄東山駅から得浄明院と長楽寺を回ってみます。知恩院を挟んで南北なのでまとめられます。このほか近くにある寺社を合わせて回ってみたいと考えています。


JR山科駅に到着。

混雑というか混乱している京都駅から1駅離れるだけでのんびりしています。10連休でも山科は混まないのでスムースです。

JRの線路をくぐり安祥寺に向かいます。大正年間に建設された趣のある煉瓦のトンネルです。実は北側半分は昭和(戦前)にコンクリートで継ぎ足されており、この間の建築技術の変化が見て取れます。

トンネルを抜けた道をひたすら上れば安祥寺です。9時の拝観開始より15分ほど早く着きましたが既に20人ほどが並んでいます。9時には50人ほどになっていました。

855年に恵運が開山した真言宗のお寺です。創建当初こそ2万平米の広大な敷地と伽藍を有していましたが次第に衰退、応仁の乱により完全に廃寺となります。その後江戸時代に再建されますが維持費に困窮し敷地の多くを毘沙門堂に売却、さらに明治期の火災で多宝塔を失い小さなお寺になりました。通常非公開で、古文協の特別公開では今回初公開となります。

多宝塔に安置されていた五智如来像は火災以前に国立博物館に寄託されていたため無事で、このたび国宝に指定されることになりました。今回は本尊の十一面観音像(国重文)が公開されます。

拝観料を払うと多くの人が御朱印待ちで庫裏に並んでいます。直書きは本尊の十一面観音と国宝に指定された五智如来の2種類のうちいずれか1種類のみ(指定可)で、中には2日続けて並んで両方頂いた猛者もいるようです。20分ほど待って本尊の御朱印を頂きました。

本堂からお参りしましょう。十一面観音像は262cmと大きなもので奈良時代の作と言われています。近年修復されたことおあり美しいお姿です。

さらに大師堂なども公開されています。特別公開でなければ拝観することが難しいため貴重な機会でした。

安祥寺の御朱印です。


地下鉄山科駅で地下鉄とバスの1日乗車券を購入し東山に向かいます。東山からは一旦市バスに乗り祇園に向かい、祇園から北に上がる形で進んでゆきます。

祇園のバス停に到着。長楽寺への道すがらに雙林寺がありますから寄り道しましょう。特別公開のお寺はお昼休みがないですが、一般の小さなお寺ですとお昼時は気が引けますので早めに回ることにした次第です。

雙林寺は長楽寺と同じく805年に勅命により最澄が創建したとされている天台宗のお寺です。平安末期の歌人・西行が隠棲したお寺です。1384年に時宗に改められるものの明治期に天台宗に復帰しています。

雙林寺は大谷祖廟や円山公園、さらには高台寺にも敷地を取られ、今は小さなお寺になっています。コンパクトな本堂と境外の西行庵だけが今の寺域です。

西行庵は道すがらにありました。

本尊は薬師如来で、京都十ニ薬師霊場七番札所になっており御朱印が頂けます。

雙林寺の御朱印です。


大谷祖廟の脇を登ってゆきます。この奥が長楽寺ですが、長楽寺の山門手前から北に入る道があり、これを進むと安養寺です。安養寺を名乗るお寺は新京極にもありますね。あちらは「倒蓮華」として知られています。

こちらの安養寺は「吉水草庵」とも呼ばれる時宗のお寺です。長楽寺と同じ時期に桓武天皇の勅命で最澄が創建しています。すぐに荒廃するものの1175年に浄土宗の宗祖・法然が入り浄土宗の布教拠点としています。この間浄土真宗の宗祖・親鸞が法然に弟子入りしています。法然の生涯にとって重要な場所ですが法然上人二十五霊場にはなっていないようです。

その後1380年代に時宗に改宗しています。明治になって円山公園に敷地を召し上げられ規模が小さくなりました。

本堂には時間内であれば自由に中に入って良いとの紙が出ています。中には一人拝観客がおり、明らかに御朱印待ちでしたのでお参りしながら待っていると御朱印帳を手にしたご住職が出てこられました。お願いしたら快く引き受けてもらえました。

本尊の阿弥陀如来像は法然が念仏を唱えていた由緒ある像だそうです。ひっそりとしていながら歴史あるお寺のようでした。

安養寺の御朱印です。


いよいよ今回の目玉である長楽寺です。805年に勅命により最澄が延暦寺の別院として創建したとされ、建礼門院が出家した由緒あるお寺です。1385年に時宗に改められています。江戸期に幕府から敷地の多くを大谷祖廟に譲るよう命じられ衰退、さらに明治政府からも敷地を円山公園に召し上げられ今は小さなお寺になっています。

つまり長楽寺・安養寺・雙林寺は似たような歴史をたどっていることになりますね。


長楽寺は秋の紅葉の穴場であり、混雑のピーク期でも比較的スムースに拝観できるため私もご案内したことがあります。

拝観券売り場の手前に御朱印の受付があり、ここで用紙に希望を書いて預けておく形だそうです。

本尊の准胝観音は天皇陛下の即位時のみ公開される秘仏です。最澄が彫ったとされています。5/1には2時間待ちになったとのこと。

庭園も公開されています。

長楽寺の御朱印です。こちらが通常授与されるものです。

こちらが准胝観音の開帳時限定の御朱印です。長楽寺の准胝観音は引き続き6/16まで公開されますからぜひお参りに行ってみてください。


長くなりましたので後半は次回に。御朱印情報は後半の最後にまとめてご紹介します。
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