全日空が中古のプロペラ機DHC-8-Q400型機(74席)7機を購入することを決めました。2025年度より順次納入される模様です。
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この機材はメーカーのデ・ハビランド・カナダで整備と全日空仕様への改装が行われる認定中古機で、新造機同様のメーカー保証があり、10年以上使用可能な機材だとしています。
日本の大手航空会社がまとまった数の中古機を導入するのは異例ですが、以下の背景があると考えられます。
(1)MRJの開発断念により置き換え機材が白紙になった
(2)代替機を探したが適する機材が見つからなかった
(3)DHC-8-Q400型機の新規受注が停止されており中古機しか選択肢がなかった
(2)については新規の受注を受けている機材としてATR72(ATR、プロペラ機)、A220(エアバス、ジェット機)、E175(エンブラエル、ジェット機)などがあります。
しかしながら
・ATRだとDHC-8-Q400よりさらに足が遅い
伊丹-青森間の所定で言うならエンブラエルを使用するライバルのJAL系J-AIRが90分なのに対しDHC-8-Q400を使用する全日空は100分、これがATR72では105~110分となります。これでは勝てないでしょう。
・A220だと100席を超えるため客室乗務員が3名以上必要
人員が確保が難しく、運航コストも上昇します。
・E175だと納入の見通しが立たないこと
期待されていたE175-E2が2027年以降に延期され、しびれをきらしたアメリカン航空が今年初めに旧型機でもいいからと確定90機の大量発注を行っています。エンブラエルの製造能力を考えるとこれだけでも相当に大変だと思われます。
という理由があり適する機材がないのだと考えられます。
ただDHC-8-Q400は機内が狭く、騒音や振動も大きい、機内WiFiもないなど見劣りするのは確かで、この機材を相当先まで使い続ける明らかにした形です。