JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

新石垣空港について

2012-11-29 | シャック便り

新石垣空港の開港まで100日を切りました。ご存知の方はあまり多くないようですので、今回の移転について少し掘り下げてご紹介したいと思います。

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[石垣空港]
現在の石垣空港は石垣市真栄里にあります。市内の中心部に位置する離島ターミナルからは車で10分前後と近いことから、島に空港のある与那国島を除く八重山諸島の玄関口として機能しています。

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沖縄県が管理する地方管理空港であり、地方管理空港としては岡山空港などとともにトップクラスの便数と乗降客を誇る空港です。しかしながら滑走路が1500mしかなく、しかも市内中心部近くに位置することから騒音問題を抱えるなど問題点が多いことも事実です。

 
[暫定ジェット化]
現在の石垣空港は戦時中に開設された海軍の飛行場が起源です。その後滑走路は何度か延長され、1968年にYS-11型機が発着できるよう現在の1,500mになりました。ところがこの長さは近くで言えばプロペラ機のみが発着する多良間空港と同じです。

伸び続ける需要に対応するため1979年に滑走路の舗装強化など「暫定ジェット化」が行われジェット機が発着できるようになりましたが、滑走路の延長ができなかったため以下の通り大変厳しい制約があります。

・離着陸できる飛行機は小型のボーイング737型以下に限られる。
・オーバーランを防ぐため着陸後は急制動が必要。
・離陸時は滑走路の端でブレーキをかけた状態でエンジン出力を十分に上げてから解除しダッシュさせる。
・離陸に必要な距離を短くする目的で機体を軽くするため乗客・貨物・搭載燃料が制限される。

737型機にはバリエーションがあり、ANAの使っている胴体の短い737-500型機なら少しは余裕があるのですが、JTAの使う標準サイズの737-400型機ではあまり余裕がありません。このような暫定ジェット化は宮古や与那国、北九州空港などでも行われましたが、いずれも移転や滑走路の延長が行われ石垣空港のみが暫定ジェット化のまま残されています。

ただし世界的に見ればこの程度の制約のある空港はザラで、もっと危険な空港がたくさんあります。極端に短い滑走路でしかも急勾配がついている空港、滑走路のすぐ先が断崖でオーバーラン=死という日本では考えられない空港もあります。

 
[現石垣空港の問題点]
ともあれ搭載燃料の制約により航続距離に制限を受けますから石垣島から直行することができるのは福岡空港が精一杯で、那覇空港もしくは宮古空港に給油のため立ち寄ることになります(逆の本土→石垣は燃料を使って機体が軽くなるため着陸可能)。

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画像の出発便のうち、JTA84便関西行きと78便羽田行きはそれぞれ「那覇/関西」「那覇/東京」と表示されています。この2便はそれぞれ最終目的地まで直接行けず那覇で給油を行います。このような便では保安上の理由から乗客は給油中の機内滞在が認められず一旦降機しなければいけませんから、乗り継ぎとたいして変わりません。

また、石垣発の便は座席定員一杯まで乗ることができません。本土行きならば給油地で新たな乗客を受け入れることができますが、主力の那覇行きですと途中で空席を埋めることができず無駄が生じます。輸送力を確保するためには便数を増やすしかなく、航空会社にとってかなり都合の悪い運用なのです。

最も簡単な解決策は今の滑走路の延長です。ところが片方は国指定の遺跡、もう片方は住宅地があって困難とされ、新空港が計画されたという次第です。しかしながら移転候補地が環境破壊につながるとして相次いでダメになり、ようやく島東部の白保地区北側に空港を移転することが決まりました。

移転を決めたが移転先がない状態が長く続き、石垣空港は近代化から取り残されてきました。ANA側のターミナルビルはのちに増設されたものですが、JTAの使う旧来のターミナルビルは古いまま使われ続けています。ボーディングブリッジも整備されていません。
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このように天気のよい日であれば八重山の明るい日差しが心地よいのですが、雨の日なんかはせっかくの楽しい旅気分がそがれてしまいますね。

 

[新空港のメリット]
新空港の滑走路は宮古空港と同じ2,000mになります。この長さですと737型機なら定員一杯に乗っても本土まで直接飛ぶことができますし、中型のボーイング767型や787型機でも離着陸できます。今の空港にはないボーディングブリッジも整備されます。現在は狭いスペースにギリギリまで商品を押し込んで陳列している売店も整備され、スペースや店舗数は今より増えるみたいです。

なお、新空港開業後に那覇-石垣線への参入を表明していたスカイマークは就航を延期することを既に発表しています。

 
[新空港で懸念される点]
一方で心配な点もあります。
現在の石垣空港は定員一杯まで乗せられないため、主力の那覇-石垣線は輸送力を確保する目的で多くの便数を飛ばしています。ところが新空港になれば同じ737型でも1機あたりの利用可能な座席数が増えますから、飛行機を集約・減便することもできます。便数が減りかえって不便になる可能性があります。

本土との直行便にしても確実に見込めるのは現在も直行便がある羽田や関西などくらいで、737の座席をフルに使えて実質増席になりますから機種は引き続き737が使われる予定です。それではLCCとなりそうですが、現時点での参入表明はないようです。

加えて新空港は石垣の市街地から離れ、利便性が低下します。市内中心部へは引き続き東運輸がバスを走らせる予定ですが、料金は高くなりますし時間もかかるようになります。このため観光客の足が遠のく可能性が指摘されています。特に竹富島をはじめとした離島への影響が大きいのではないかと言われています。

新空港から市内中心部までを直結する道路の建設も始まっています。しかしながら道路の開通は空港の開港に間に合わず、2016年頃になると言われています。他にも空港と中心部の間に鉄道を建設しては、という意見もありますが採算が取れるとは考えにくいのが正直なところです。

 
地元では観光客が年間80万人台から100万人台へ伸びるとの強気の予想を出してはいますが、足下の国内航空需要や中国人観光客の動向を見れば、たとえ本土との直行便が可能になったとしても新石垣空港の利用客が伸びるのかはっきり分からないのが現状です。

私は当面の不便が解消されるのを待ってから(直接飛行機で行ける与那国以外の)八重山への訪問を再開したいと思います。

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八重洲製マイクMH-31をECM化する

2012-11-26 | JF4CAD技研

FT-817の標準マイクはMH-31です。

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夏に武田尾温泉移動で使っていたら突然マイクが断線してしまい使用不能になってしまいました。

HM-31はダイナミックマイクを使用しています。ダイナミックマイクはマイクの振動板が音圧を感じると磁石で磁界を与えられた環境にある内部のコイルが動き、起電力を生じます。コイルに交流をかけると振動板が振動するダイナミックスピーカーとちょうど逆の原理です。どうやらこの内部コイルが断線してしまったようです。

マイク自体は買って数ヶ月でしたのでまだ外回りやUP/DOWNなどのスイッチは痛んでいません。もったいないためマイクを再生することにしました。

 
日本橋のデジットに行くとダイナミックマイクのユニットを売っています。お値段は数百円くらいで部品としてみるなら結構な値段です。ところがお隣に置いてあるECMは1個50円。こちらは格安です。

元々八重洲でもFMのハンディ機なんかはECMを使っています。もちろんSSBでもECMが使えますし、周辺部品を買ってもダイナミックマイクよりはるかに安いので今回はECMに載せ替えてみます。

ECMは振動板がコンデンサの電極になっており音圧が加わると振動でコンデンサの電極が動きます。これにより静電容量が変わりますので、この変化を交流信号として取り出す原理です。ダイナミックマイクに比べ小型軽量化が可能です。
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今回は2線式のECMと3.3kΩの抵抗1個、10μFの電解コンデンサ1個で組みます。全部足しても100円しません。ダイナミックマイクの何分の一かのお値段になります。

 

まずは壊れたマイクを分解です。モジュラーケーブルを外して単体にし、裏のネジ3つを外します。

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さらに中のネジを3つ外したらこう分解できます。ちなみに左端が裏側のケースになりますが、おもりが取り付けられています。少しでも軽くしたいので外したいんですがネジのゆるみ止めがべったり塗られており外せず断念しました。

基板部からマイクを外し、基板に組んだマイクユニットに交換します。ECMの動作に必要な電源として+5Vが本体から来ていますのでこれを利用します。

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ECMは中央の黒い部品です。オリジナルのダイナミックマイクユニットからすれば随分小さいことが分かると思います。

 

元に戻し、SSBモードで送信してみます。POメーターが喋った通り振れていますので動いていそうな感じです。最終的にQSOで使ってみて確認しました。

このテストが延び延びになり、ようやく11/25に実現しました。430MHzのFMでレポートしていただいたところはっきり聞こえるとのこと。特に低音が強調されるそうです。変調はオリジナルより少し深いそうで、3.3kΩを4.7kΩに取り替えてもいいのかも知れませんがこれでしばらく様子を見てみたいと思います。

 
マイク内のおもりを取り外せなかったため劇的な軽量化にはならなかったものの、使い勝手は全く一緒ですしECM化したことで少し軽くなりました。ARRL10mあたりで使ってみるのも面白いかも知れませんね。

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大阪府池田市(JCC 2506)移動運用報告

2012-11-25 | 移動運用結果報告

11/25に大阪府池田市(JCC 2506)五月山に移動運用に行ってきましたのでご報告します。

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3連休最終日です。移動運用に行きたいと思っていましたが、結局最終日の昼頃からしか行けませんでした。そこで、前々からやってみたかったテストを兼ねて出かけることとしました。

場所は近所の五月山とし、昼からでもワッチしている局のいる430MHzにしました。

 

いつ通り阪急バスで途中まで行き、山登りの時間を短くします。到着したら早速ホイップを設置します。12時40分にスタート。早速コールが返ってきました。今日は山登りにハンディ機を持ってきた局が多かったです。

今日は2つのテストを予定しています。1つは常置場所から掘り出してきた20年以上前の卓上型プリアンプ、ECM化したマイクです。皆さんにお願いしてレポートを頂きました。卓上アンプはキャリコン含め正常動作しているようで使えることが分かりました。

マイクについては製作含め明日以降レポートします。

 

午後2時を回って日が傾き始めました。日が当たらないと寒いのでコールが途切れたタイミングでそろそろ引き上げることとしました。

 

本日は430MHzで14局でした。ありがとうございました。年内は今のところARRL 10mと福岡1回、日生諸島1回を予定しています。よろしくお願いします。

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靴箱QSL整理中です

2012-11-24 | シャック便り

3連休ですが昨日は雨、今日は午後から知り合いの京都案内で動けず移動運用に行けていません。これから案内する方は「ガイドブック至上派」で、京都の市バスに乗るにしても5番とか206番とかのピーク時に積み残しが出て京都市民が敬遠するような系統ばかり「ガイドブックにあるから」と指定してくるので説得するのにいつも困ってしまいます(例えば京都駅から銀閣寺に行くのに5番とか絶対使いません。私なら17番か地下鉄+203番にします)。ジャンボフェリーで高松に行ってうどんでも食べつつ移動運用ってものいいなぁとか思ってたのですがメールで呼び出されて巻き込まれちゃいましたHi

 

そんな状態なので合間を見て靴箱で送られてきたQSLの整理をやっています。5月の沖縄とかが大量に送られてきています。私の場合手書きログとの照合になるので大幅に時間のずれたQSLが整理できず困っています。原因は前にも紹介しましたが、手書きログをハムログに入力する時にでオート入力される日時を相手局が修正していないためでしょう。1時間とかなら何とか探せるんですが日にちまでずれちゃうともう見つからないです(沖縄移動とかだと1日に200局とかになるので、手作業での照合はもはや無理)。「Not in the log」でお返ししてもいいのかなぁとか思っています。

 

それでもって気になったのが受け取ったQSLに今年廃業した矢野印刷さんのQSLがかなりの枚数含まれていることです。確か既製デザインだと550枚送料込み3,000円と安かったのでお使いの方が多かったのかなぁと思います。似たような他業者さんですと500枚で4,500円(送料込み)とかですから結構な価格差でした。それだけに廃業は大変残念ですね。

現在手持ちの在庫のある局でもいずれは使い切ってしまうわけで、今後皆さんどうされるのかな、と思います。

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東海汽船が4隻目のジェット船を投入

2012-11-23 | シャック便り

東京から伊豆諸島への航路を運営している東海汽船が新たに4隻目のジェット船を投入することを決めたそうです。詳細はこちら

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(画像は現在就航しているセブンアイランド夢)

新たに投入される船は「セブンアイランド友」で、来年4月1日に就航させるそうです。船体のカラーリングと命名はこれまでの3隻と同じく東海汽船名誉船長の柳原良平さんが手がけています。

東海汽船は2002年に「愛」「虹」「夢」の3隻を一気に投入し、竹芝-大島間が1時間45分に短縮されて便利になりました。しかも揺れが高速バス並に抑えられて船に弱い人でも快適に伊豆諸島へと渡れるようになり、ダイビングを中心に若い女性客や欧米系の外国人観光客が増えています。夏の繁忙期を中心に満席となることも多く、船のやりくりを改善するための4隻目の投入と思われます。

ジェットフォイルは現在新規の建造が行われておらず、中古船の買い取りもしくは借り受けとなります。セブンアイランド友はどうやら隠岐汽船が新規で投入する船と同様に種子屋久高速船が手放した船になるようです。同社は鹿児島-種子島・屋久島間で繰り広げられたいわさきグループと市丸グループとの熾烈な競争を終息させるために両グループが共同出資して航路を集約した会社で、航路統合により船が余っている状態と言われていました。

 

来年夏ダイヤからの東海汽船の運航体系がどうなるのか現時点では未定ですが、ANAの撤退で高速交通機関を失う三宅島から要請されているジェット船の新規就航などにも応えられる態勢になってきたのかな、という感じです。また、竹芝から距離のある神津島は現在各島に停泊する便しか就航しておらず、最速で3時間10分とされていながら実際には30分以上余計にかかるダイヤになっていることが多く、所要時間を短縮できるようなダイヤを組めないのかな、と思います。

セブンアイランド友、私も早く乗ってみたいと思います。

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6Dの結果発表

2012-11-22 | シャック便り

JARLのサイトで今年7月に開催された6m and Downコンテストの結果が発表されています。詳細はこちら

 

今年は2日目のお天気がまずまずで、しかも午前中には50MHzで1-3エリア間の近距離EsまでオープンするなどCondxは悪くなかったと思います。X50やXAのスコアを見る限り、この近距離Esをうまく活かせた1エリアの局が全国上位のスコアを上げています。反面開くには開いたものの爆発力に欠けた8エリアや、八重山くらいしか聞こえてこなかった沖縄の局はスコアが伸び悩んでいます。

 

いつもお世話になっている各局では以下の皆様がご入賞です。おめでとうございます。

JI4EAW局 C144 全国2位(3エリア2位)

JA9XAT局 C430 9エリア1位

JG3LDD局 XA 3エリア4位

JJ2DWL局 X50 2エリア2位

JO3OMA局 X50 3エリア2位

JE3VRJ局 X144 3エリア1位

JO3TAP局 X144 3エリア2位

JH3SKC局 X430 3エリア1位

 

私はPAで3エリア1位でした。皆様ありがとうございました。最近は参加局が少ないこともあり、PAで1万点に届かないのでダメかなぁとは思っていました。聞こえた局を丹念に拾うのが愚直だけど入賞への近道なのかも知れませんね。

6Dは一度沖縄から出てみたいなぁと思っていますが、夢のまた夢に終わるのでしょうか?

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アワード花盛りですが・・・

2012-11-20 | シャック便り

最近特に7MHzや3.5MHzにおいて「LA」「WF」などの略号を聞くことが多くなりました。

LA 湖沼アワード
WF ウォーターフロントアワード
の略だそうです。

先行している湯けむりアワードなんかも含め、対象となる場所の局からQSLを集めて定められた条件をクリアすればアワードを申請できるようです。

2~3年くらい前でしたら道の駅アワードがほぼ唯一でしたが、東日本大震災の頃から名勝アワードが人気を得ると次々と新しいアワードが出てくるようになりました。

さらにそれ以前ですとJARL発行のアワード以外では支部発行のアワードを目指している方が多かったのですが、今は支部発行のアワードはあまり見向きされないみたいですね。漏れ聞いた話ですと数種類のアワードを出している某支部では今年の申請総数が2桁に届かないのだとか。アワードの発行手数料が支部の貴重な自主財源だった時代はもう終わってしまったのでしょうか。

 

そんな支部アワードに取って代わった個人やクラブ発行のアワードはルールに極端な違いはないのですが、それぞれのリストを見るとなかなか興味深い違いがあります。

[対象ポイントの総数]
対象ポイントの数が400前後のものもあれば2,000近くに上るアワードまで様々です。対象ポイントの数が少なければクリアしやすくなりますが、ポイントが多すぎると最初こそポイント数が順調に伸びても途中で頭打ちになって苦しくなってきます。その辺のさじ加減をどうするかがアワードマネージャーの手腕じゃないかと思います。

恐らく日本で最も多くの方がチャレンジしているアワードはJCCだと思いますが、現在これの上限が800です。2,000枚のQSLがいわゆる「靴箱(QSLビューローから送られてくるQSLが多い場合に使用される箱)」何箱分かを考えると800を基準にどれだけ増やす(あるいは減らす)かが基準になってくるのかな、とも思われます。

 
[対象ポイントの難度]
対象ポイントについてはその数だけでなく難度も気になります。現在の移動運用は車で行かれる方が圧倒的に多く、私みたいに船やバスといった公共交通機関を使う移動局はかなり少数派です。

ということは「車で行ける移動地にはいずれ誰かが行く」ということです。一方で車で行けないような場所にある対象ポイントは移動が難しく難度が上がります。離島ですとか、湯けむりアワードでは登山をしないと規程を満たさない対象ポイントもあったと思います。

JCCで「珍市」と言われるところは大抵が離島であったり移動運用の難しいところです。でもこういった珍市や珍郡があるからこそ達成したときの達成感が高まるのではないでしょうか。

こういった対象ポイントをどれだけ意図的に組み込むのかのさじ加減もアワードの面白さを左右するのではないかとも思います。

 
移動する側から言えばザコ市でも呼んでもらえるなど有り難い面がありますが、いったい今どれが旬なのか分かりかねている移動局も少なくないと思います。私もその一人であり、迷ったときはシンプルにJCC/JCG/WAKUの珍しいところに出かけるようにしています。

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沖縄移動運用報告⑦

2012-11-19 | 移動運用結果報告

12(月) 那覇→南風原町→那覇→伊丹
本日は最終日です。昼まで移動運用をして夕方のJAL2088便で帰る予定です。沖縄滞在中に「途中で飽きた」ってことは一度もなく、毎度のことですがあっという間に最終日です。

 
最終日は短時間になりますからあまり遠くには行けません。那覇近郊から南風原町にしました。最近は沖縄本島のローラー運用が増えているので移動地の決定に苦労します。日生諸島みたいに他に行く人がいないところなら自分の都合で自由に決められるんですけどそうは甘くないようですHi

南風原町は2011年の春以来になります。

 

南風原町や渡嘉敷村を含む島尻郡は非常に複雑な郡です。大きく分けると以下の4つになります。
(1)沖縄本島南部の町 南風原町、与那原町、八重瀬町
(2)本島南部付近にある離島 久米島町、粟国村、渡名喜村、渡嘉敷村、座間味村
(3)大東諸島 南大東村、北大東村
(4)琉球王朝王家の縁による地域 伊平屋村、伊是名村

現存する島尻郡の「村」は全て離島部に位置しています。ちなみに(4)は琉球王国の第二尚氏を興した尚円(金丸)の出身が伊是名だったため、お隣の伊平屋とともに直轄地とされたことに由来するみたいです。このため端から端までで見れば南北100km、東西は500km近くに及ぶ日本で一番広大な郡です。ハムログとかでは分からない複雑さがあります。

 

ホテルをチェックアウトしてまずは空港に要らない荷物を運び込みます。
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選挙事務所によく使われるビルです。那覇では昨日が市長選の投票日でした。現職の翁長さんが大差で当選し、昨夜早い時間に当確が出ていました。次の市長選には出ないそうで、実績や年齢を見れば3年後に任期が切れて引退すると言われている仲井真県知事の後継で県知事に出るのかなぁと思われます。

那覇バスターミナルまで戻ってきました。

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道の向いにはカフーナという再開発ビルがあり今年から沖縄総合通信事務所も入居しています。

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与那原方面行きのバスが来ました。今日は東陽バスの37番那覇新開線に乗ります。このバスは那覇バスターミナルから開南・古波蔵・国場十字路のおなじみのルートを通って与那原に抜け、南に転じたら南城市の新開を通って馬天営業所へと向かいます。終点は馬天営業所なのになぜか行き先表示が途中の新開です。

朝ラッシュの終わった郊外行きなので客は2名だけ。のんびり進みます。

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南部保健所前で下車しイオン琉球の大きな建物の横を通って宮城公園の展望台に向かいます。

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展望台に到着。平日なので少しでも聴いている局が多いと思われる21MHzに出てみます。10時20分にスタートです。ざっと聴いてみるとDX含め他局がほとんど聞こえませんが、CQを出してみたらぽつぽつ呼ばれます。F層伝搬ですからQSBを伴うもののJA本土はどこかが開いてくれます。滞在中呼んで頂いた局には「今日で引き上げます ありがとうございました」とお礼を言いながら進めます。

今日も東日本しか聞こえません。距離的に東日本の方がオープンしやすいんでしょうか。合間に18MHzをワッチしたもののガラガラです。

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移動地は南風原ですが今日は北風が強いです。上に1枚着ておかないと肌寒いです。沖縄も冬が近くなってきています。スタート1時間で16QSO、その後もあまり変わらないペースです。

午後に入っても同じ状態で、南鳥島のJD1YAAが誰にも呼ばれず寂しくCQを出しているのでコールしてみたり(一発で取ってもらえました)、DUの日本人の方とも話をしていました。DUは59+で安定して入っています。

さらにのんびりムードなので、もう潮時でしょうと言うことで12時40分で撤収しました。南風原からは21MHzで32局でした。

 

最後の昼食は沖縄そば。南部保健所前13時1分に191番という首里に直接行くバスがあるのですが、なんと2分も早発して通り過ぎてしまいました。さすが東陽バス。次に来たバスが30番でしたので、姫百合橋で降りて安里の「ゆうなみ」で沖縄そばを食べました。

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三枚肉そば+ジューシーで650円。安いですがかつおだしでおいしいです。

 
空港に戻ってちゅらナビを使ってお土産を割引で買い込み、JALのカウンターでチェックインと荷物を預けを済ませました。サンエーで買ったポーク缶が重たいです。4個で35kgになったんですが私は40kgまでならセーフなのでまだ余裕があります。

一旦空港を出て毎度おなじみジミーのチーズケーキを買います。一番人気のチーズケーキは今までの7号とカットに加え、この夏から小ぶりの5号ができました。大家族の多い沖縄では大きな7号がぴったりだったのですが沖縄でも核家族化が進んでおり、小ぶりの5号にニーズが出てきたみたいです。

ちなみに号数×3がケーキの直径で、7号ですと21cmあります。これが5号になるとほぼ半分のサイズになります。小ぶりサイズの登場でバリエーションが豊かになったんですが、相変わらず空港ではチーズケーキを売らないみたいですね。ジミーの看板商品ですから何とか工夫して売って欲しいですね。

 
最後に空港で大東寿司を買ってJAL2088便で伊丹に戻ります。沖縄は意外とWAONが使えるので上手く使うとマイルが貯まりますHi ほぼ定刻に伊丹空港到着。荷物を受け取って帰宅しましょう。沖縄帰りだけはタクシーなので少しは楽です。

 

今回は18MHzで44局、21MHzで254局の計298局でした。皆様ありがとうございました。

次回は来年5月で予定しています。しばらく続けていた八重山シフトが解除されます。計画編で触れました通り難関離島からの移動運用が相次いでおり、どこに行くべきか悩ましいです。まだ時間がありますからゆっくり考えてみることにします。

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沖縄移動運用報告⑥

2012-11-18 | 移動運用結果報告

11/11(日) 那覇→渡嘉敷→那覇
本日は渡嘉敷島です。慶良間諸島の東半分で、那覇(泊)からフェリーと高速船があります。

同じ慶良間諸島の座間味が未訪問のまま残っているんですが、この夏にも座間味からの移動運用があったことと今日は帰りのフェリーが変則ダイヤで那覇へ戻れる時間が遅くなってしまうことから座間味はパスしました。一方で今年渡嘉敷が新しいフェリーを就航させましたのでこれに乗ってみたいというのもあります。

渡嘉敷は前回2009年に50MHzの大オープンに遭遇したくさんの方とQSOできました。ところが50MHzだけでほとんどの時間を費やしてしまい18/21MHzにQRVできなかったので改めて出かけてみたいと思っていました。

 

今日の那覇は未明から断続的に激しい雨です。テレビで予報を見ると昼前には上がるようですが波の高さが2.5mのち3mです。かなり高い波です。

宿を出て泊埠頭までは歩きます。時折雨が強くなり、結構濡れてしまいました。

あらかじめ電話で予約してあった高速船の乗船券を引き換えます。渡嘉敷は店が少ない上に集落から離れますから泊の売店で弁当を買っておきました。泊には弁当やお土産、新聞とかも売っている何でも屋の商店が2店あったはずですが片方が閉店して1店だけになっていました。そのため大にぎわいです。何とか弁当を確保。

渡嘉敷行きの高速船は「マリンライナーとかしき」です。高速船の乗り場は泊の北岸なのでターミナルからは少し歩く必要があります。

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9時に出航です。35分で到着予定です。最初は穏やかでしたが、那覇港の防波堤を出るとどんどん波が襲ってきます。波の高さは予報通り2.5mはあるでしょう。

構造上双胴船は横揺れに強いのですが、思いっきり揺られます。限界を超えて横揺れするとモーメントのかかり方が違うのか単胴船とは違う変な揺れ方です。あかん・・・段々気分が悪くなってきました。双胴船で船酔いは初めてです。

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何とか吐かずに渡嘉敷に到着。もし渡嘉敷より距離のある座間味だったらやばかったです。港を見下ろす丘に展望台があり、こちらからのQRVです。島の集落を抜け、細い道路を上ってゆきます。船酔いが残っていてげーげー言いながら登ってゆきます。雨は時折小雨が降る程度です。
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展望台に到着。アンテナを設営します。10時25分に21MHzでスタートです。

今日も東日本がオープンしているようで、1や7エリア中心でコールを頂きます。ただ昨日の八重山よりはCondxがよくないのか西方面が聞こえてきませんし、聞こえてくる東日本もQSBが大きいようです。

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朝方からの雨はようやく止んできました。ただ北風が強いので風切り音がマイクに入らないよう手ぬぐいでマイクをくるんでQRVです。スタート1時間で35QSOです。

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11時過ぎに那覇からのフェリーが入港してきました。この頃からなぜか7エリアばかりから呼ばれるようになります。1エリアすら開いてないみたいです。当然ペースは鈍り、11時台は22QSOにペースダウンしてしまいます。

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ペースダウンしましたし、船酔いも落ち着いてきましたのでお昼の弁当です。ご飯の上におかずが乗ったダイナミックな弁当です。そうそう、沖縄ではご飯の上におかずを乗せないと弁当の売れ行きが悪くなるんだそうです。

7と8エリアしかオープンしない状態は12時15分頃まで続きました。その後はようやく1エリアが開くようになりました。このまま西日本まで、とはゆかず浜松が限界でした。これでは申し訳ないですから、よりオープンしやすいであろう18MHzにQSYします。

 

13時からは18MHzで再スタートです。やっぱり18MHzの方がオープンしやすいのか3エリアからもコールを頂きます。ただ相変わらずQSBが大きく、21MHzよりもノイズが高いようで弱い信号がマスクされやすい状態です。中にはコールサインを取るにも苦労したケースもありました。

それでも4~6エリアからのコールもあり、18MHzに出てみて正解だったようです。帰りの船の時間が迫ってきましたから14時過ぎで終了です。

 

集落に戻りました。せっかくなので港でお土産を買って帰りましょう。「島むん」というお店のフルーツゼリーがおいしかったので買っておきます。季節によって取れる果物が違うことから並ぶ品も違うみたいです。この時期はシークワーサーとグァバだそうです。あとは小分けで配りやすいマグロジャーキーも購入。

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帰りは15時30分発の「フェリーとかしき」です。長崎の渡辺造船所で建造され、今年就航したばかりの新しい船です。前任の「フェリーけらま」は23年間無事故で使命を全うし引退しました。今後は海外で活躍するようですが、古い船ながら9千万円といい値段で売れたそうです。村ではこのお金を高速船の新造に備えて積み立てるらしいです。

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もちろん新しい「フェリーとかしき」はこれが初めての乗船です。バリアフリー対策でエレベーターが付いています。乗船のときに船員に聞いたら「かなり揺れますね~」とのこと。覚悟を決めないといかんですね。それにしても随分垢抜けた内装ですが、あとで調べたら「ぱいぱてぃろーま」と同じく百貨店の高島屋の子会社が内装を担当したようです。和室で横になっておきます。寝ておくのが一番です。

フェリーは渡嘉敷港を出航し、ほどなく島影を抜けました。ここから大揺れになる・・・はずなのにあまり揺れません。拍子抜けです。実は前の船にはなかったフィンスタビライザという横揺れ防止の機能が追加されており、これがよく効いているみたいです。これは驚き。今後季節風で揺れやすい冬なんかも快適になると思います。

 
今年は沖縄移動の当たり年なのかレアな離島からたくさんQRVがあったんですが、50MHzにQRVした局が少なかったように感じます。F層が使えてほぼ通年本土とQSOできる18/21MHzと違って50MHzは夏のEsでしかQSOできないためにレアですし、一旦開けば大パイルになって面白いバンドなのに惜しいなぁと思います。もっとも逆に言えば50MHzならレアなところがたくさん残っているわけで、私にはおいしい状況でもありますHi

船酔いすることなく先代の船と同じく70分で泊に到着。ホテルに荷物を置いたらいつもの泡盛屋さんで泡盛を買います。5月は日食見物で臨時休業だったので久々になります。今年の夏は手持ちの在庫で何とかしのいだため補充できてよかったです。泡盛は税法上アルコール度数が45度まで、特例で認められている与那国に限り60度までのはずなんですが、最近は蒸留の最初に出てくる60度オーバーの濃い部分だけを取り出して売り出しているケースもちらほら出てきているようです。試飲させてもらいましたが、濃厚でパンチの強い今までにないお酒でしたHi

 

滞在中1回は行っているジャッキーでステーキにしました。おいしいステーキが安いのでここでしかステーキを食べてないです。締めは今夜も白ヒゲのおじさんの店です。また来年お願いしますということでお店を出ました。

 

本日は18MHzで29局、21MHzで64局の計93局でした。ありがとうございました。残る座間味は50MHzのシーズンにじっくり訪れたい島の一つです。例年高速船のドック入りと重なって宿泊が必要になるため後回しにしていますがいずれ実行したいと思います。

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沖縄移動運用報告⑤

2012-11-17 | 移動運用結果報告

11/10(土) 石垣→黒島→石垣→那覇
本日は午前中黒島からQRVし、午後那覇に戻る予定です。

黒島は石垣島と西表島の中間に位置するハート型の島で、子牛を育てて生計を立てています。この黒島は他局も時折移動運用しているのですが、どうもQSLの回収に困っているようで、「QSLが焦げ付いているので移動して欲しい」とのリクエストが何件かありましたので出かけてみます。

黒島に行く船は本数が少なく、6往復のみ(日によって他にフェリーあり)。予定をしっかり立てておく必要があります。朝8時の始発を利用し、昼前の便で石垣に戻ることにします。8時発はYKFです。もちろん「ちゅらナビ」で割り引きしてもらいました。離島ターミナルでおやつを買って船に乗り込みます。

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25分で黒島に到着。

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前回は港近くでしたが、今回は島のほぼ真ん中にある展望台を利用します。平坦な黒島で飛ばすには地上高が必要ですからここがベストでしょう。

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今日は風が強く、展望台から下に垂らしたエレメントも風に流されてしまいます。結構苦労して9時過ぎにスタート。今日も21MHzです。

早速コールが返ってきます。1エリアを中心とした東日本が開いており、クラスタに載せていただくとどんどん呼ばれるようになりました。黒島のQSLが焦げ付いている方は意外に多かったようで、「他局の黒島移動のQSLが焦げ付いていました」という声をたくさん頂きました。あ、もし私のQSLで交信日より1年以上未着のものがありましたらご遠慮なくお知らせ下さい。

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10時30分頃からは西日本も開いてきました。東日本はQRPの局もよく聞こえていきます。いい感じですね。

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ちょっと落ち着いたタイミングで離島ターミナルで買ったハンバーガーです。バンズがふんわりしていてなかなかおいしかったです。

 
黒島は船の本数が少ないので昼には引き上げです。11時40分発のYKFで離島ターミナルに戻ります。11時終了で進めます。ちょうどいい具合にコールが途切れ終了です。

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黒島は島内が平坦な放牧場になっているので夏の北海道みたいな感じがします。この画像を「夏の十勝」だとしても誰も疑わないでしょうねHi

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昨日大原→石垣で乗ったYKFのサザンキングに再び乗船し石垣に戻りましょう。YKFの標準的な高速船で、最高速度は40ノットです。 

離島ターミナルに戻ってきました。黒島でハンバーガーを食べているのでお腹と時間に余裕がありますからもう一度八島からQRVします。

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昨日は18MHzでしたから21MHzでQRVしましょう。12時30分過ぎから再開です。

引き続き東日本中心で西は4エリアまで開いており、皆さんからコールを頂きます。いい感じです。しかもXVから4局、DUから1局と東南アジア方面からもコールされます。皆さんSが強くて面白いです。

バスターミナルを14時40分に出るバスを考えているので1時間前の13時40分終了予定でしたが、コールが途切れず14時で局数を区切って終了としました。お呼びいただいたのにQSOできなかった方には申し訳ありません。

 

離島ターミナルに戻ってきました。お昼が不十分だったので弁当にします。

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5月にハンバーガーを買った総菜屋うさぎちゃんのカツ丼です。カツ丼の売れ残りが何と半額。元々安いのにさらに半額で何と175円。いやぁ、嬉しいもんです。短時間でかき込むようにして食べ、時間になりましたので東運輸のバスで石垣空港に向かいます。

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15時40分発のJTA84便で那覇に引き上げましょう。この便は石垣発那覇経由関西行きで、滑走路の短い今の石垣空港では搭載燃料に制約があるため途中の那覇で給油して関西に向かいます。もちろん那覇までや那覇からの区間利用も可能です。新空港になると直行便になって区間利用は廃止されますから、石垣空港とのお別れにはおあつらえ向きの便じゃないかと思います。

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石垣空港、本当にありがとう。南の島らしい大らかな空港でした。

 
那覇空港に到着です。私は関西空港に戻るのではありませんから空港を出てゆいレールで那覇の定宿にチェックインします。

荷物を下ろしたらおもろまちのサンエーへ買い物に出かけましょう。ポーク缶などの沖縄食材やおやつを買っておきました。サンエーは品揃えが豊富で安く毎回重宝しています。

 
買い物が終わったらすっかり日が暮れました。もちろんいつもの白ヒゲのおじさんの店にも行きます。ちなみにおじさんの店では料理を頼まなくても適当かつ勝手に出てくるのですが、敢えて頼むのはモズクの天ぷらとかパパイヤイリチー(青切りパパイヤの炒め物)とかです。オーソドックスなゴーヤチャンプルーとかラフテーとかはお昼の弁当に入ってくることが多いのでお店では頼まなくなりました。

今日は黒島・石垣あわせ21MHzで125局でした。ありがとうございました。

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