5/19(土) 石垣→鳩間島→石垣
いよいよ勝負の土日になりました。
今日は鳩間島からです。沖縄では民謡「鳩間節」の故郷として知られています。鳩間島は西表島の北東に位置する小さな島で、人口は先日の琉球新報の記事によると64人だそうです。以前は渡島手段が限られる不便な島でしたが、日本テレビ系のドラマ「瑠璃の島(成海璃子主演)」のロケ地となったことで一躍注目されるようになりました。
「瑠璃の島」は過疎化で廃校の危機にある島の学校が都会の子を里子で迎え入れる話でした。沖縄には日テレ系の民放がないため、他局で放映時間を変える形で放送されたらしいです。
ドラマの反響は大きく、放映後は石垣からの高速船が定期運航されるようになり宿もいくつかできています。ところがドラマ人気を受けて急造されたプレハブ造りの宿(壁が薄い)や仕切りのない大部屋のワイルドな民宿などQRVが難しい宿ばかりですから石垣からの日帰りとしました。電源を考えれば宿泊がベターでしょうが、致し方ないところです。私の場合はハイバンドと50MHzであり、これらがオープンするのは主に昼間ですから日帰りでも何とかなるでしょう。
鳩間島へは石垣からは1日3往復の高速船か、曜日により小型フェリーも利用できます。いずれも西表島の上原行きの途中寄港という形で、上原が欠航になると鳩間も道連れでアウトになります。上原は港湾事情が悪く冬の就航率は非常に低いのですが、5月下旬は年間を通じて最も波が穏やかな時期ですからアウトになる可能性は低そうです。
朝の鳩間行き高速船は9時発です。この船は一旦西表の上原港に行ってから鳩間に寄港するため、島への到着が10時を回りスタートが11時前になります。ハイバンドや50MHzのオープンを考えれば遅いスタートになってしまいます。他にないか探していたら土曜日に石垣8時発のフェリーがあることが分かりました。この船は鳩間先回りで8時50分着ですから、設営を終わった時間あたりから本土がオープンし都合が良さそうです。ならばとこの船を使える土曜日に決めました。
帰りの高速船は鳩間16時15分発で7時間あまり滞在できます。今回は長時間対応でFT-817用の補助バッテリも用意しできる限り運用するつもりですが、頑張っても5時間あまりしか持たないためフルタイムの運用はできません。できるところまで頑張ってみてあとは島巡りもいいかなぁと思います。
この鳩間島からの移動運用は何年かに1度はあるのですが、50MHzについては過去の実績がほとんどありません。何とか50MHzが開いてくれればと思っています。
離島ターミナルに到着。鳩間には一応食堂があるものの、集落から離れる予定のためターミナルで弁当とおやつを買っておきましょう。
離島ターミナルには運休中の波照間海運の窓口もあります。依然として補助金の目処が立たず運休状態で、貨物が滞留したときにフェリーだけ動かしているそうです。ぶっちゃけた話、波照間に行くのは去年で正解だったようです。
離島桟橋には「ニューはてるま」が係船されていました。「ぱいぱてぃろーま」就航前に活躍していた高速船で、引退せず予備船として在籍しています。ところが「ぱいぱてぃろーま」が船だまりも含めてどこにも見あたりません。どこへ行ったのか気になります。
ちなみに「波照間」と「鳩間」はともに「果ての島」を意味する「ぱてぃろーま」が転じたと言われています。
フェリードリームはIDTの船で積める車は4台くらいの小型船です。
25ノット(45km/h)出ますからなかなか速いですね。しかもフェリーは1,680円で高速船(2,610円)よりかなり安いです。3,500円払った3日間乗り放題の券はこれでようやく元が取れます。
50分少々で鳩間島に到着です。
目の前には大きな西表島が見えています。「瑠璃の島」放映後は浮き桟橋と待合所が整備され、便利になったそうです。
港の目の前が集落です。集落はごく小さく、歩いても数分で抜けてしまいます。
運用地に到着。18MHzと50MHzのアンテナを張って9時30分にスタートです。FT-817はまず2400mAHの補助バッテリで動かします。これが切れたら内蔵の1400mAHにし、これも切れたらリニア用の11000mAHから供給してやります。
18MHzでCQを長めに出して期待したものの空振り。ん?と思いつつCQを出しても空振りです。何度かCQを出していると、ようやくtwitterを見て頂いた方からコールがあったんですが「弱いです」とのことです。しかも本土では国内がよくオープンしているそうで、つぶされ気味なんだそうです。おかげでたま~に声がかかる程度です。
一方の50MHzは何も聞こえず。沖縄本島はオープンしたそうですが八重山では全く何も聞こえません。twitterでたびたび50MHzを勧められるのですが、こっちでは全く何も聞こえないのでどうしようもありません。
スタート1時間でたった4局という絶望的な結果です。こりゃあかんです。
18がダメ、50もダメなので気分を変えて21MHzに張り替えました。21MHzも18MHzに似たような感じで時折呼ばれる程度。ただ、いつもお呼びいただいている方からは「QRMがない」とのことで根気強く続けてみます。
ダメなのかなぁと思ってきた11時20分頃から急に局面が変わりました。本土が強く聞こえます。2時間粘ったかいがありました。向こうでも強く聞こえるそうで、パイルになってきました。「鳩間島ファーストです」という方も多く、鳩間島に興味がある方も何人かおられました。
そうこうしているとクラスタに載ったようでさらにパイルは大きくなってゆきます。ぶゎ~んという感じで聞こえてきて何局コールしているのか分からない状態です。それでもエリア指定をするまでではないため「大変多くの方からお呼び頂いていますのでショートQSOでお願いします」と呼びかけてレートを上げることにしました。
私はリストQSOは絶対やらない主義です。Condxの変化しやすいハイバンドや50MHzではリストを回している途中でSが落ちちゃう可能性が高いからです。これではQSOできない局が続出するだけです。さらにリストなんか取ってたらレートが上がりませんから呼んでいる局に対して「ペースが遅い」「せっかくピックアップしてもらってもQSOできない」となり二重に失礼ですよね。
おかげさまでパイルに慣れてきましたので今回はエリア指定は要らなかったのですが、パイルが手に負えないのなら複数エリアをまとめたエリア指定でさばく方がよほど効率的で確実です。その上でレートを上げて1局でも多くのピックアップする方がベターだと考えています。
エンジンがかかってきました。15分でログ1ページ(20局)が埋まるペースです。フォーンですと60QSO/hをオーバーしてくると「忙しくなってきたなぁ」という感じがします。現在は80QSO/hペースですからそれ以上で、次から次からパイルをさばいている状態です。それでも時折QRPの局を指定してピックアップすることもやってみました。何局か拾えましたので、QRPの方にもQSOできるチャンスがあったと思います。
13時を過ぎても全くペースは落ちず、15分でログ1ページが埋まってゆきます。この時間になると補助バッテリと内蔵バッテリを使い果たしてしまいました。メインのバッテリは残っていますが、心許ないので20Wに落として続行です。あわせてオンエアで告知しました。
絶好調でしたが、13時30分頃になると海の向こうに見える西表が曇ってきました。西表島は高い山が連なるため湿気を含んだ風が山に当たると雲がわきやすいのです。その雲が徐々に鳩間島にも流れてくるようになりました。
まだコールが続いてはいますが、まずい感じの雲ですので一旦終了することにしました。終了を宣言して機材を片づけしている途中で降り始めてきました。一旦終了で正解でした。
その後木陰で雨宿りをしていたものの雨がさらに強くなってきました。確実に雨をよけられる港の待合室まで戻って雨宿りにしました。
パイルで食べられなかったお弁当にします。ご飯の上におかずが盛られた沖縄スタイルのお弁当です。野菜炒め+鳥の甘辛煮+ポーク卵という豪華版ですが、これで400円です。お腹一杯ですHi
思わぬ雨で水入りとなりました。長くなりましたので続きます。