JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

なぜコンテストのRSは「59」なのか

2023-08-16 | JF4CAD技研
以前移動運用の記事で「なぜコンテストのRSは慣例的に59なのか」についてちらっと触れましたが、今回はその理由について書いてみたいと思います。(もちろんCWでは「599」です。以下「59」を「599」に読み替えてください)

理由を先に書きますと「手間や間違いを減らし、自局にも相手局にもメリットが大きいから」なのです。


例を示してみます。JARL形式ログで中身はもちろん架空です。

黄色のセルが自局が送ったコンテストナンバー、青が相手局が送ったコンテストナンバーです。このケースでは自局のみが59以外のRSを送っています。

現在のJARLのコンテストではご覧のログの内容全てが正しくないと有効となりません。あなたが送った「53」とかもご自身が転記ミスをしてしまえばスコアにならないのです。1局毎にいちいちRSが違っていては打ち込むのが大変ですし、どこかで1行ズレてしまえば以下の行にもミスが及び大量失点となりかねません。

さらにこんな感じで相手局も1局毎にRSが違っていれば転記ミスの確率は大きくアップします。せっかく頑張ってQSOしたのに転記ミスでスコアを落としてしまうのはもったいないと思いませんか?


もし慣例に従って皆さんが59を送った場合にはこうなります。

各エリアいろんな局とQSOできていますが、青いコンテストナンバーの部分の違いは都道府県コードと電力コードだけになります。黄色の自局のところは常に同じコンテストナンバーでよいのでセルをコピペすればいいだけですから、効率が上がり間違いが大きく減ります。

たとえカスカスで取りにくいSであっても確認が必要なのが都道府県コードと電力コードだけであればコピーの成功率が上がりますよね。自局にも相手局にもメリットが大きいのです。なので海外局を含め慣例的にRSを59としているのです。

このようにコピーミスの率を減らし、手間や間違いが減るメリットがあります。

さらにコンテストでいつもアクティブにQRVされている常連局であればRS含めてコンテストナンバーが常に変わらないことになり、聞こえたらすぐにコンテストナンバーを埋めることができます。これも効率アップに寄与しますよね。


こう書くと必ず「SはリグのSメーターを見るものではないのか」という意見が出ますが、いわゆる「耳S」が認められているので弱い信号に59を出しても送出局個人の判断であれば何ら問題がないのです。そもそも昔のIC-2Nとか3NなんかにはSメーターがありませんが、そういったリグで「SメーターがないのでRSを送れません」などと言えば笑われるでしょうね。


以上の通りコンテストのRSが慣例で「59」なのは自局・相手局双方の効率アップや転記ミス削減のメリットが大きいからです。メリットをご理解いただけるのであればこの形をオススメしたいと思います。
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移動運用のバッテリをモバイルバッテリ化する

2021-02-18 | JF4CAD技研
移動運用に必要なのが電源です。私は飛行機に乗ることがあるので飛行機に持ち込む際に制限のないニッケル水素を使っています。一方でスマホやiPod(スマホより使い勝手がいいのでまだ使ってます)のためにモバイルバッテリがあれば便利なことは分かっています。

市販のモバイルバッテリはリチウムイオン電池であり、預け荷物への搭載禁止など制約があります。だったらニッケル水素のバッテリの残り容量をスマホなどの充電に使えないか?と思うようになりました。移動運用でバッテリの残量を全て使い切るケースもありますが、運用時間が十分に確保できないような場合は容量が残りますからこれを活用できそうです。

うちのバッテリはリグに合わせて13.2Vで組んでいます。USBの5Vではなく、何らかのアダプターで5Vに変換してやる必要があります。

幸い車のシガーソケットに差し込んで充電できるアダプターを100円ショップでも売っています。しかしながら部品数を減らすためソケットに全ての回路をビルトインしており、そのままでは使えません。

何かないか探したら共立無線(シリコンハウス)でシガーソケット用のジャックにDCコネクタが付いた物を販売しています。このコネクタはφ2.1mmですからEIAJ-2に変更してやれば上手く使えそうです。

これだけを揃えて組み立てます。

φ2.1mmを切ってEIAJ-2に付け替えるだけです。5分ほどで完成です。

ちゃんとスマホが充電できます。先日東北で再び大きな地震があり、広範囲で停電しましたが、このような時でも予めバッテリを充電さえしておけばスマホが使えます。

安く売っている12V用LEDランタンも買っておけば安心じゃないかと思っています。
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「2つめのアンテナ」を整備していますか?

2020-11-23 | JF4CAD技研
先日の沖縄移動、荒天の渡嘉敷島から何とか脱出し翌日浦添市から出ていたのですが、とある局から「今回の沖縄移動で渡嘉敷村の予定はありませんか」と言われました。この局は私が前日に渡嘉敷から出ていたことすら知らないようです。

他にも間もなく期間が終了となる某アワードの掲示板で「○×村がQSOできません どなたか移動をお願いします」との書き込みも見られます。

こういった局が持ってないのがアマチュア局にとって必要な「2つめのアンテナ」なのです。


[現代のアマチュア局には2つのアンテナが必要です]
「1つめのアンテナ」とは電波を出したり受けたりするアンテナです。HFで言うならモービルホイップや短縮GPよりもフルサイズのダイポールの方が飛びますし、八木にすればさらに飛びます。アンテナの重要性は今更言うまでもありませんよね。

1980年代や90年代のアマチュア局にとってはこの「1つめのアンテナ」だけでも十分楽しめました。アマチュア局が今より多かったからです。ところがアマチュア局の数が減った現代ではもう一つのアンテナが重要になってきました。それが「2つめのアンテナ=情報のアンテナ」です。


[情報のアンテナがないと・・・]
情報のアンテナを持たないまま365日日がな一日VFOを回し続ければ移動局しかいないとされる東京の利島村や沖縄の渡名喜村はいつか聞こえてきます。でもそんなことはできませんよね。

それを補うのが情報のアンテナです。

アマチュア局が減った現代ではもはや情報のアンテナを持たず「メール使えません」「ネット使えません」ではアワードを追うことすらできないのがアマチュア無線なのです。電波を出すアンテナがないのと同じ状態と言えます。


[クラスタはアンテナの一つに過ぎません]
情報のアンテナとして真っ先に思いつくのがクラスタです。いま・どこの周波数で・誰が・どこから出ているのかが一目瞭然です。もちろん情報のアンテナとして重要なのですが問題もあります。

一つは書き込む局が少ないこと。閲覧はしても書き込まない人が多いのでクラスタから漏れている珍しい局が多いのです。沖縄からのハイバンドはこの時期でも昼前後は本土がオープンします。でも誰も書かないから開いていないと思っている方が多いようです。積極的に書いてゆかないとクラスタ自身の情報価値が落ちてしまうことになります。

もう一つは気が付いたときには既に猛パイルになっていて余程の設備でないとパイルを抜けない状態になっていることがあること。「1つめのアンテナ」が平均レベルの局でさえ手の打ちようがない場合もあります。場合によっては「クラスタで見つけてももはや手遅れ」というケースがあるのです。


[「情報のアンテナ」のエレメントを増やしましょう]
クラスタだけでは不十分ですから他の情報手段も合わせて使ってみるといいと思います。あらかじめ「いつ誰がどこからどの周波数で出るのか」分かっていれば網を張ってあとは待ち構えるだけです。

例えばCQ誌などの情報、アクティブな局のブログやSNS、友人同士のメールや電話連絡網などの整備など様々な手段があります。まるで八木アンテナをエレメントを増やすかのように情報のアンテナのエレメントも増やしてゆけば確実性が増すことでしょう。


[アワードに挑戦するのなら]
アワードに挑戦される方は「頑張れば達成できる」と思わない方がいいです。まずはリストを見てQSOが困難な市区町村がどこかを見つけ出すことが大切です。一般的には北海道の道北や道東の町村、東北の県庁所在地から距離のある町村、東京の伊豆諸島、鹿児島の奄美やトカラ、沖縄の離島町村が該当します。これらは移動運用でないと取れないからです。

次にそれらの市区町村からQRVができそうな局が誰なのかを考えて早い段階からリクエストを出しておくこと、あるいはその局の動向を掴んでおくことが達成への鍵だろうと思っています。

具体的な局名を出して申し訳ないですが、私とほぼ同時期に奄美に行かれていたJA2KFC 橋本OMと私とでは運用スタイルが大きく違うことを理解できてないとトンチンカンなリクエストになってしまいます。

KFC局の場合は車をフェリーに積み込んでいるため持って行けるアンテナの制約が少なく、車からQRVできますから3.5MHzなどもQRVできます。一方で私は飛行機や船、バスを使って移動地に行くため持って行けるアンテナに制約がありハブの出る夜間にオープンする3.5MHzなどは危険なため無理ですがフェリーのない宮古や八重山にも行くことができます。同じように見えてカバーできる範囲が違っているのです。

私に3.5MHzのリクエストを出しても断られるでしょうし、KFC局に宮古郡多良間村のリクエストを出しても断られるでしょう。その点は理解しておくべきだと思います。


[リクエストは早めに]
言うまでもなく期限まであと1ヶ月といった段階でお願いしても応じてはもらえないはずです。今から渡嘉敷村をお願いしても沖縄近海では波の高い日が多くなっていますから渡嘉敷村への渡島自体が難しい時期に入っています。「年末までに何とかお願いします」と言っても「難しい」との回答になるでしょう。

アワードのスタート直後にリクエストを出しておくくらいがベターでしょう。
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Radixが1200MHz用八木アンテナを新発売

2020-04-29 | JF4CAD技研
アンテナメーカーのRadixが1200MHz用の八木アンテナを新たに発売しました。商品ページはこちら

いずれも片支持ブームで5/7/10/13エレをラインナップしています。13エレでもブームの長さは1mほどと短く、これで15.0dBiとのこと。コネクタはN型のみとのことです。


1200MHz用のリグ自体が少ないためアンテナも新製品が出ることはほとんどなく、手頃なサイズのアンテナですので注目してもいいのではないかと思います。

Radix製品取扱店(富士無線やCQオーム)に取り寄せを依頼するかメーカーの直販サイトで購入できます。他にもメーカー直販サイトでは新商品として50MHzのL型GP(フルサイズおよび短縮型)も取り扱っているようです。
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ハンディ機の山岳移動がもっと飛ぶ方法

2019-09-23 | JF4CAD技研
8月のFDの移動運用レポート(大阪府茨木市移動運用報告)で「5Wでもしっかり飛ぶアンテナにすれば飛びます。今回のようにゲインのあるアンテナを地上高を稼いで設置すると飛んでくれます。ぜひ工夫して欲しいなぁと思います。」という内容を書かせて頂きました。

今回はV/Uの移動運用において大切なアンテナやロケーションについて少し触れてみたいと思います。


[大切なのは3つの要素]
V/UHFの飛びにおいて大切な要素は以下の3つと言われています。

・ゲインの高いアンテナ
・標高が高く見通しのいいロケーション
・十分な地上高

この3つの要素をバランス良く高めてゆくことで飛びを実感できるはずです。


[バランスが良くないと?]
飛びを実感できないことになります。

典型的な例が「ハンディ機と付属ホイップでのQRV」です。実際にQRVされた方は実感されているでしょうが標高の高い山なのに思ったほど飛ばないなぁということになります。これはアンテナのゲインと地上高の低さが原因です。標高だけ良くしても他が一緒なら効果が低いのです。


[地上高と標高は違います]
標高というのはその場所の海面からの高さです。一方の地上高はその場所の地面からの高さです。標高800mの山頂に登ってもハンディ機なら地上高は1.2~1.3mくらいになります。残念ながらこの地上高では十分とは言えないのです。

できれば4.5mの伸縮ポールを使うなど地上高を上げてみてください。飛びが変わってくると思います。


[実際やってみました]
先日実際にやってみました。

FT-70Dに1/2λホイップで京都市西京区の善峯寺近くからQRVしています。

こちらからは京都盆地南部が見渡せる標高340mのFBなロケーションですがQSOできたのは京都市中京区と長岡京市だけ。要は見通しの短距離しか飛ばないのです。出力はFT-817もFT-70Dも同じ5W。なのに先日の茨木市竜王山での飛びとは全く違っています。

これはアンテナのゲイン不足と地上高不足が原因と考えていいと思います。もし4.5mの伸縮ポールと24KGでも持って行っていれば飛びが違ったはずです。


[飛びのための工夫を]
このように「ハンディ機+付属ホイップ」では飛ばないのです。どうすれば飛ぶのか、無理のない範囲で工夫してみませんか?
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24/28MHzにQRVしてみての感想

2018-08-19 | JF4CAD技研
今年のハイバンドシーズンもほぼ終わり、新たにアンテナを作ってチャレンジしてみた24/28MHz帯の感想をまとめてみたいと思います。

アンテナはギボシダイポールのようにエレメントを物理的に切り離すもので製作記はこちら。マイナーな2つのバンドを1本のアンテナで共用させることで活用しやすくしています。


種子島の西之表市、福岡の田川市、神戸市などあちこち試してみた感想は以下の通りです。


[24MHz帯の感想]
・21MHzにかなり近い形でオープンする。21MHzがオープンしていれば24MHzもオープンしていることが多い。

・とはいえ21MHzよりQSBが大きいなどCondxの影響を受けやすい。


[28MHz帯の感想]
・24MHz以上にCondxの影響を受けやすく「24MHzがオープンしているのに28MHzがオープンしていない」というケースもある。

・オープンの傾向はむしろ50MHzに近い。

・ロシアや台湾、韓国など近場のDX局に呼ばれることが多い。これは21/24MHzにない特徴。


[24/28MHz共通の感想]
・どちらもフルサイズのダイポールで十分楽しむことができる。50MHzだとEsであっても2エレHB9CV以上でないと正直厳しいが、ダイポールで十分なため機材を簡略化できる。24MHzでもエレメントが3+3=6mで済みますし、逆Vにすればさらに設置スペースがコンパクトになってアンテナを設置しやすい。

・ビッグオープンの際は別としてオープンしていても気がつく局が少ない。このためクラスタに載るか載らないかが局数を伸ばす大きな鍵になる。これらのバンドはクラスタ頼みなので聞こえた各局の積極的な情報アップをお願いします。

・ビッグオープンになると18/21MHzは大変に混雑し10Wや5Wの局では潰されてしうが、このような時でも24/28MHzは適度に局がいる程度なので4アマやQRPの局がCQを出すには便利なバンドかも知れません。

・24/28MHzは皆さん未交信の市郡区が多いので少しレアなところ(例えば西之表市とか田川市とか)だとほぼ「ファーストです」と言われる。特にAJAを集めている局には貴重なバンドなのだと思われます。


SSNのミニマム期ですからほぼ夏場しか使えないバンドですが、普段7MHzだけに出ている局、あるいは144/430MHzだけに出ている局は逆に夏場だけでもこれらのバンドに出てみるのもいかがでしょうか。7MHzは個人やクラブ局のアワードが乱立し食傷気味になっており「アワード疲れ」のような傾向も見受けられますので、少しリフレッシュする意味でも夏の間だけ他のバンドに出てみるのも面白いかも知れませんね。

来年の夏のシーズンも24/28MHzに出るチャンスを作ってみたいと思っています。QRVしていましたらその節はよろしくお願いします。
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28MHzダイポールを24/28共用にリメイクしました

2018-01-21 | JF4CAD技研
私はHF帯のアンテナをいくつか自作し、移動運用で活用しています。7MHzのフルサイズダイポールは瀬戸内海や福岡の離島移動で大活躍していますし、18/21MHzのダイポールも沖縄移動を中心に活用しています。

一方で作ったはいいがほとんど活用していないアンテナがあります。それが28MHzのダイポールです。不人気バンドのため活用する機会が少ない上に端材で作ったため同軸ケーブルが短く使い勝手が悪いことも理由でした。

この28MHzのダイポールをリメイクして使い勝手を上げ、活用してみようという考えです。手を入れるのは以下の部分です。


(1)同軸ケーブルの交換
これまでは2.5D-2Vが5mと寸足らずになっていました。これでは使用に制約が出るのも致し方ないです。このためストックしてあった2.5D-2Vを15m使ってみることにしました。エレメントや碍子は今のまま転用できますのでバランの部分から交換しました。


(2)24MHzとの共用化
28MHz同様マイナーなバンドが24MHzです。4アマでも免許されるものの、21MHz以上にCondxの変化を受けやすいこと、市販のアンテナが少ないことからQRVする局が非常に少ないのが現状です。

以前から「24MHzにQRVできませんか」とお問い合わせを頂いているのですが、こんな状態ではアンテナを作っても荷物になるだけですからお断りしてきました。28MHzのアンテナと共用化することで24MHzに出ることを考えてみます。

ダイポールを複数のバンドで共用化するには
・トラップコイルによる電気的な方法
・エレメントを付け外しする物理的な方法(ギボシダイポール)
の2種類の方法があります。

電気的な方法ならばリグ側でバンドを切り替えればすぐにQRVできます。しかしながらトラップコイルを自分で作るしかありませんし、波長が長いバンドはトラップコイルが短縮コイルとして働くためアンテナとしての効率が下がってしまいます。特に24/28MHzを共用する場合には短縮コイルにより24MHz側の調整が難しい(場合によっては無理)となるため止めた方がよさそうです。

そこで構造が簡単な物理的方法を採用することにしました。この構造のダイポールでよく使われるのがギボシ端子です。ギボシ端子は古くから使われており確実性が高いのが利点です。ただ付け外しが少々面倒なので今回はRCAプラグを使ってみます。

RCAプラグは音声やビデオ端子として真空管の時代から長く使われ信頼性は十分ですし、入手も簡単です。

24MHzに必要な延長エレメントはRCAピンプラグで接続、反対側はミノムシクリップで支線に固定する方法としました。


調整はヒゲを切ることで行います。まずは28MHz側から。左右のエレメントで同じ長さを切ってゆくのがコツです。

CWをやらないので28MHz帯は28.800など高い周波数でSWRが最低になるよう調整しておきます。使用頻度は少ないものの29.300MHzでもSWR1.5でしたからFMでも問題なく使えるでしょう。

次に追加エレメントをセットして24MHz側の調整です。24MHz帯はバンド幅が狭いので全域でSWR1.5以下にできます。


これで完成とします。ハイバンドのシーズンに活用したいと思います。
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JARDが「保証認定」と「スプリアス保証認定」を統合

2017-11-30 | JF4CAD技研
JARDが現在行っている「保証認定」と「スプリアス保証認定」が2018年1月より統合されることになりました。JARDの資料はこちら

今年12月をもって新スプリアス規格に適合していないリグに対する免許が下りなくなったためで、今後「保証認定」を受ける必要のある「技適機以外の送信機」は「スプリアス保証認定」が不可欠となります。このための統合だろうと思われます。

#新規に免許が下りないものの既に免許(再免許含む)されたリグについては5年後の2022年11月末までは引き続き使用可能です。その後は2007年12月以降に製造された技適機もしくはスプリアス保証認定を受けたリグのみが使用可能となります。


[新スプリアス規格について]
電波を使用する機器のの増加に伴い他の機器を妨害するスプリアス(不要輻射)の輻射レベルを下げるよう国際的に要求が強まっており、
2007年12月に電波法に定めるスプリアス規格が改正されました(新スプリアス規格)。

これに伴い、既に免許を受けている無線機(旧スプリアス規格の無線設備:具体的には2007年11月以前に製造された無線機)の使用期限は5年後の2022年11月30日までとなりました。それまでの間旧スプリアス規格の無線設備の再免許を受けることはできますが、これらの機器は原則2022年12月以降使用できないことになります。

新スプリアス規格の詳細、必要な対応についてはJARDが非常に分かりやすい資料を作っています(pdf)。対応がまだの方はダウンロードしてぜひ一度読んでみてください。


[統合されたらどうなるの?]
・無線局の開設並びに無線設備の取替え、増設及び変更に係る手続きを行う際の保証(基本保証)の審査において、申請に係るすべての無線 設備が新スプリア規格に適合していることの確認を行うよう審査内容が変更されます。

・保証料が変更されます。基本保証料が4,000円、2台目以降は1台ごと1,000円となります。

従ってスプリアス確認保証のみを受けたい場合も上記の料金となり、現在の基本2,500円、2台目以降1,000円からは値上げとなります。ただし来年3月末までは従来通りの料金ですのでまだの方は急いで申請しましょう。


[自作機について]
自作機については一定の配慮が行われることになりました。「新スプリアス規格に適合している」という文面を申請書に記すことでよいそうです。ただし場合によっては資料の提出が求められるとのことです。恐らくQRP機などスプリアスの影響が少ないケースでは資料提出は省略もしくは簡略化されるものと推定されます。


私は既報の通り10月にスプリアス保証認定を済ませており、新スプリアス規格対応済みです。まだの方は値上げ前に済ませることをオススメします。


そういえばもう一つの保証認定を行う機関であるTSSはスプリアス保証認定などについて今後の方針を一切明らかにしていません。保証認定から撤退するつもりなのでしょうか?
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スプリアス確認保証を申請してきました②

2017-11-02 | JF4CAD技研
スプリアス確認保証が必要なリグが固まったら申請をしましょう。


[申請を始めましょう]
スプリアス保証を受ける必要があるリグが決まったら申請を始めましょう。申請用紙はJARDのサイトにあります。必要事項を記入しJARDに送ることになります。

私の場合スプリアス保証が必要なリグは技適機とJARL登録機とがあります。技適機のFT-817は技適番号を書くのみ、JARL登録機のFT-104などは登録番号や諸元(終段管の種類と電圧など)を記入することになります。総合通信局に出す工事設計書の内容と重なりますから工事設計書の控えがあれば簡単にできます。

できあがった申請用紙は「紙の書面で送る方法」「ExcelシートのファイルをWebまたはメールで送る方法」があります。手数料は銀行または郵便局で払い込んでください。


[直接JARDに行ってみました]
都内にお住まいの方、用事で都内に行かれる方は巣鴨のJARDに直接出向いて書面と手数料を直接渡しての手続きも可能です。上京する機会がありましたので直接手続きをしてきました。

JARDは「とげ抜き地蔵」のすぐお隣にある「共同計画ビル」に入居しています。国道17号(白山通り)を進んだ方がスムースかと思います。スプリアス保証認定担当の方は5階にいますので直接5階に行ってください。平日9時30分から18時までですが担当者が不在の場合もありますのであらかじめ電話確認がベターかと思います。

その場で直接内容を確認して頂きOKとのことで5分ほどで手続きが終わりました。認定料も現金で支払いができます(領収書をもらえます)。なおJARL会員であれば認定料が1,000円割引となりますから当日JARL会員証を持って行くとスムースです。持ってない場合は先方で調べて確認が取れれば割引となります。


一通りの手続きが終わりお話を聞くと「この秋から申請が増えてきた」とのことです。「まだ先の話」と思わず早めの認定申請をした方が良さそうです。

またJARDのスプリアス保証確認リストから漏れているIC-2Nについては「JARL登録機種からの抹消手続きが取られておりJARDとしてはテストを行っていない」とのことでした。アイコムが総務省に提出した自社測定結果のリストにも入っていないため、自作機と同様の方法で実測し基準を満たしていることが確認できれば引き続き使用できるとのことです。


[それにしても・・・]
海外製の技適を受けてない安いトランシーバーが何も知らない業者(確信的な業者もいるのかも)によって輸入され、無免許のまま使われている状態でスプリアスを強化しても意味があるのかと思ってしまいます。

以前はFCZのキットなど自作の送信機でQRVする局もいましたが、今後は保証認定+スプリアス保証認定の2つを受けなければならず、QRP機だと部品代より申請費の方が高く付くという現状は納得しがたい面がありますよね。
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スプリアス確認保証を申請してきました①

2017-11-01 | JF4CAD技研
先日スプリアス確認保証の申請を行ってきました。どうであったかまとめておきたいと思います。

※スプリアス確認保証について詳しくはJARDのこちらのページをご確認ください。


[スプリアス確認保証って何なの?]
電波を使用する機器のの増加に伴い他の機器を妨害するスプリアス(不要輻射)の輻射レベルを下げるよう国際的に要求が強まっており、2007年12月に電波法に定めるスプリアス規格が改正されました(新スプリアス規格)。

これに伴い、既に免許を受けている無線機(旧スプリアス規格の無線設備:具体的には2007年11月以前に製造された無線機)の使用期限は5年後の2022年11月30日までとなりました。それまでの間旧スプリアス規格の無線設備の再免許を受けることはできますが、これらの機器は原則2022年12月以降使用できないことになります。

しかしながら改正以前に製造された無線機であっても多くは新規格もクリアできるよう設計されており、製造年月のみで一律使用禁止にすることは不合理だと言えます。これらの機器を救済するためスプリアスの輻射レベルが新規格に適合していることをJARDに保証してもらうのがスプリアス確認保証です。


[JARDの保証対象となるリグは?]
JARDで既にスプリアスを測定し新基準に適合することが確認されたJARL登録機および2007年11月以前に製造された技適機で、対象機種はJARDのこちらにリストされています。

もう一つは巣鴨にあるJARDの機材を借りて自ら測定を行い、基準に適合したことを証明できたリグで、前もってJARDに連絡すれば対応してもらえます。海外製などリストにないメーカーのリグや自作機はこの方法で保証してもらえます。


[技適機ならスプリアス保証はいらないの?]
製造年月により必要・不要が分かれます。

2007年12月当時既に技適制度が導入されていましたので、例えばFT-817NDには
・スプリアス規格改正前のもの(2007年11月以前に製造されたもの)
・スプリアス規格改正後のもの(2007年12月以降に製造されたもの)
が存在しており、お互いは技適番号で見分けが付くようになっています。

以前メーカーに聞いたところ旧規格のFT-817NDと新規格のFT-817NDで中身は違わないものの前者はスプリアス保証が必要になり、一方後者は不要なのだそうです。何か釈然としませんがこのように「技適機だからスプリアス保証が不要」というのではなく「技適機であっても製造年月によってはスプリアス保証が必要」ということになります。


[技適機なのにスプリアス保証認定を受けられないリグがある?]
あります。八重洲のFT-100など技適機なのに新スプリアス規格を満たしておらずJARDのスプリアス保証を受けることができない機種も存在します。JARDのこちらに対象機が明記されています。

これらのリグの場合、外付けのフィルターなどを取り付けることでトータルで新スプリアス規格を満たすことができれば継続して使用できます。フィルターを接続した状態でJARDで測定してもらうなどの方法で規格を満たしていることを証明する必要があります。


[2007年12月以降に製造されたリグならスプリアス保証はいらないの?]
技適機であれば不要です。

一方で2007年12月以降に製造されていても技適を受けていないもの、具体的には自作機や秋葉原の一部店舗などで売られている中国製ハンディ機などはスプリアス保証が必要ですし、従来からの保証認定も必要です。1万円以下で安く売られていますが免許を受けて使用するには費用と時間がかかることになります。


[JARD以外の方法はあるの?]
大きく分けて2つあります。

1つはメーカーが自ら新スプリアス規格に適合していることを測定しその旨を当局に提出しているリグを使用する場合です。この場合はJARDではなく直接総合通信局に書類を提出すればよいようです。現在のところアイコムの一部機種のみとなっています。対象機はこちら

もう1つはご自分もしくはJARD以外の第三者が実機を測定し新スプリアス規格に適合していることを証明できる場合です。測定結果のデータと書類を総合通信局に提出すればよいようです。


[まずはリグと免許の整理を]
スプリアス保証を受ける前に以下の整理が必要だと思います。

(1)スプリアス保証認定が必要なリグ、そうでないリグがどれか把握する
ご説明の通り技適機であっても2007年11月以前に製造されたリグはスプリアス保証認定が必要です。スプリアス保証認定のリストに掲載されていないリグや自作機も別途測定の上保証認定を受けることで使い続けることができますが、「長年使用実績がない」「故障し放置したまま」といったリグはスプリアス保証認定の費用を考えればこれを機会に思い切って整理(撤去)してもいいと思います。ネットオークションなどで買い手を募ってもいいでしょう。故障機であっても部品取り用などで一定のニーズがあります。

私の場合は故障し修理もできないLS-702(ベルコム:430MHz SSB/FMハンディ機)やIC-2Nなどを撤去し、今後も使う予定のFT-104(八重洲:1200MHz FMハンディ機)などはスプリアス保証認定を受けることにしました。


(2)もし工事設計書に記載されていないリグ(ヤミ機)がある場合は先に変更申請を済ませる
技適機以外の場合は保証認定(スプリアス保証認定ではなく通常の保証認定)を先に済ませください。11月中に済ませることをオススメします。

工事設計書の内容を失念した場合は免許を受けた総合通信局の担当部署に電話すると教えてくれます。その際は呼出符号のほか免許番号(私の場合ですと中A*****号)が必要となります。


(1)(2)によりスプリアス保証認定を受けるべき送信機がどれであるか、何台あるかが固まります。固まったら手続きに移りましょう。
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