9/14(土) 神津島(続き)
アンテナの設営が終わりいつも通り50MHzからで10時15分スタート。神津島から見れば新島・利島・大島はほぼ一直線上にあり、利島のやや右を狙えば都心方向です。
海に浮かぶ△が利島です。相変わらずすごく分かりやすい島ですね。古文書では利島は「ミツケノ島」と記されており、なるほど航海の際に見つけやすい目印だったことがよく分かります。
最初は1エリアビームですから1エリア中心で呼ばれます。ところが台風の影響で北よりの風が吹いており、徐々にビームが西方向にずれてゆきます。ある程度回るとビームを直しにゆく、の繰り返しになりました。
海上伝搬で減衰が少ないとはいえ都心からは180km前後の距離がありますから、八木などのビームアンテナをお持ちの局がメインになります。八木ですと栃木など内陸部でも聞こえているようですが都内でもGPの局ですと聞こえないケースもあったのではないかと思われます。
それでも「神津島の50MHzはファーストです」の声が多く、大変有り難いです。スタート1時間で38局というペースです。
今日はGWが伸びており、固定局で山形・福井・神戸の局とも59でQSOできています。まわりに電線などがないためノイズは低く聞き取りやすいです。いい感じです。
途中でJH1OVE局にコール頂き、JH1OTE 関OMの話題となりました。実は出発前に関OMにjarl.com経由でメールを出していたはずだったのですが、私のアドレスの打ち間違いで届かなかったようです。関OMの連絡先を教えて頂き、関OMとは今夜アイボールとなりました。OVE局ありがとうございました。
50MHzのコールが途切れてしまったので12時過ぎからは144MHzにQSYしましょう。144MHzは補助バッテリ中心で動かします。144はさすがに5Wなので1エリア内陸部まではなかなか飛んでくれません。この辺はパワーの違いでしょうね。
お昼は持ち込んだパンです。依然として天上山の山頂付近は雲がかかり続けていますが、QRVしている場所は雲に覆われないので大丈夫です。
144MHzのコールが少ないため430MHzに出てみましょう。あまり期待していませんでしたがよく呼ばれます。意外にも静岡県からのコールが多いです。1エリアは山への移動局か沿岸沿いになってきます。5Wでは内陸に飛んでゆくだけの力がないみたいです。
13時を回って手が空くようになると50MHzのAM、430MHzのSSBなんかのリクエストも頂きました。いいタイミングでリクエストを頂けていますので気軽に応じることができます。リクエストしないとゲットできないでしょうから、貴重なチャンスだったのではないかと思います。
14時30分を過ぎますとバッテリが尽きてきました。GWも伸びないのかコールも減ってきます。このまま終了予定の15時になりましたので予定通り撤収。白島登山口で下山します。雨には降られずまずまずの天気でした。
6合目には火山観測施設があります。天上山は平安時代の838年以来噴火などを起こしていませんがすぐ近くの三宅島では依然として活発な活動が続いていることから、天上山についても遠隔で観測を続けているようです。
天上山のモデルコースでは白島の登山道を下山に使うケースが多いのですが、2合目あたりからの石段が急で慎重に下る必要があります。時間を掛けて舗装道に脱出できました。
天上山にはもう一つ黒島登山口があり、白島と黒島の両登山口の間に神津沢という大きな崩落沢があります。山頂付近から崩れており、大崩落を起こすと島の集落が埋まってしまうため継続して砂防ダムの整備を行っているようです。上の方の砂防ダムなんかどうやって整備したのかなぁと思えるほどダイナミックな光景です。
秀蒼は天上山の黒島登山口に近いところで、役場などの中心からは少し離れた高台になります。宿に入ると「先にお風呂へどうぞ」とのことでしたので3階のお風呂に。なかなかの眺望です。
部屋はこんな感じ。5年くらい前に新築したばかりとのことです。集落の外れにあり静かなところでした。窓の外からは灯りが見えず夜は真っ暗になります。
秀蒼さんは「秀蒼丸」という釣り船を持っており、もちろん夕食は魚料理中心です。魚が新鮮で臭くないのでおいしいですし、量も多くて満足でした。「秀蒼丸」は限定近海船ですので銭州なんかでも行けるそうです。無人島からのQRVをお考えの方は連絡を取ってみるといいかも知れません。下田からも船を出せるそうです。
夜になって神津島唯一のアマチュア局である関OMが仕事を終えて宿に来られました。関OMは神津島唯一のアマチュア局であり、伊豆諸島では最もアクティブにQRVされている方です。狭い島なので宿の女将さんもご存知のようで、ロビーのソファーで談笑となりました。
関OMからお聞きした話では神津島では冬場の西風が強いそうで、風で海水が吹き飛ばされてくるためアルミのアンテナでは風や塩害ですぐボロボロになるそうです。そのためしっかりしたワイヤーを使ったアンテナが一番持つのだとか(同軸ケーブルはトラブル防止のため5年くらいで取り替えているそうです)。沖縄の局も同じようなことを言われていましたが、離島ならではの苦労があるようです。
神津島はぷちアワードの対象になりましたので今年はQSLを3千枚発行したそうです。今年の冬のシーズンは160mバンドにも出てみたいとのことでしたので、ローバンダーの方には朗報だと思います。
関OMは島でただ一人のアマチュア局ですから、なかなか他局との情報交換ができないし他局と一緒に移動運用をしてみたいが訪れるアマチュア局も少ないためなかなか叶わないとのことです。神津島を訪れる方はぜひ関OMに連絡を取ってみて下さい(連絡先を教えて頂きましたのでQSPできます)。お仕事でお疲れのところありがとうございました。
バッテリ+817を充電し寝ることにします。
本日は50MHzで78局、144MHzで20局、430MHzで25局の計123局でした。関OMにもお会いすることができ充実した1日でした。ありがとうございました。