ゆきてかえりしひび――in the JUNeK-yard――

読書、英語、etc. jesterの気ままなおしゃべりです。(映画は「JUNeK-CINEMA」に引っ越しました。)

白色ワセリンの効き目 唇にも、顔にも、体にも!!! その1

2012-03-25 | 読書
白色ワセリンとの出会いは、昔家族Bが部活で転んで、足の側面を大きく擦りむいたときにはじまりました。

その頃の知識では、擦りむいた傷口は消毒して乾かす。

小さいころ擦りむくと、ヨードチンキつけて、なんか黄色い粉を振りかけてもらって、ふうふう吹いたもんでした。
早くかさぶたになりますように、って、ふうふう、母親が吹いてくれたりしました。

ところが、娘がかかったお医者さんは「乾かしてはいけません。消毒もよくないんです。汚れを落として、とにかく乾かさないように密封します」とおっしゃるのです。

消毒もしないで、密封??

化膿しちゃいませんか??

「いや、最近の研究ではそのほうが早く、痛みがなく、きれいに治るんですよ」

半信半疑で行った治療は、傷口を洗った後に、ワセリンをたっぷり塗りこみ、覆って放置というもの。

はたして、痛みもなく、化膿もせず、大きくて跡になるのではと思われた傷はすっかり跡形もなくなりました!!

それからは、やけどやけがをしたらそっと洗った後、消毒しないで密封、を守ってきて、とても快適なんですの。

(「床ずれ」なんかも同じで、今は乾かさなくなりました)

最近はこの治療法に使える「プラスモイスト」(被覆材)なんかも薬局で手に入ります。

でもけがをした人に「消毒しないほうがいいよ。乾かさないほうがいいよ」といっても、なかなか聞き入れてくれない人もいいます。
(ま、jesterのいうことですからね…)


そんな経験から、最近読んだのがこの本です。
傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)

いままでのパラダイムであった「傷は消毒して乾かす」という治療を根底から覆した医師の奮闘と、その理論を書いた素晴らしく面白い本です。
絶対そのほうがよくなるのに、「常識と違う」ということで誰にも受け入れてもらえなかったつらい戦いを書いています。

皮膚にはもともと常在菌がいて、この菌が皮膚を守っているもの。だから過度な消毒はよい菌を殺すし、皮膚細胞膜自体も痛めてしまうのです。
また消毒薬は、人体細胞はすぐに殺すけれど、細菌を殺すのには時間がかかり、さらに血とか膿があるとそれと結合してしまい、さらに殺菌作用が落ちてしまうそうです。

ヨードチンキやイソジンやマキロンで殺菌して、いてて・・・となるのは、殺菌しているからではなく、人体細胞が壊されているからなんですって。そしてそれが治りを悪くしてしまう。

(さらにマキロンに入っている殺菌作用のあるクロルヘキヂジンはアナフィラキシーショックという激烈なアレルギー反応の原因となり、呼吸困難を起こすこともあります)

しかしパスツール以来の「常識」とされるものからどうしても離れられない頭ががちがちな人は、往々にして、自分に過剰な自信があるもの。
特に医師という職業は、自信がなくてはできないという部分もあるから、そうなってしまうのでしょうね。

傷を乾かしてできる「かさぶた」も、吸水性がないため、その下が化膿することが多いそうです。


jesterは、どちらかというと、新しいものは試してみたくなるほうなので、こういうものを受け入れるのは早いです。

知識がないから、というのもあると思いますが、例えばR-1ヨーグルトが研究の結果インフルエンザを予防してくれることが分かったなら、みんなで食べて、みんな健康になれるなら、こんな素敵なことはない、と素直に思います。(最近かなり手に入れやすくなりましたね)


医学は日進月歩。

でもパラダイムの宝庫でもあり、昔から「瀉血療法」だの「水銀療法」だの、命を縮める療法が、どうどうとまかり通ってきました。
それが本当は効果がない、ということがわかるまでに、何万人もの患者が、病を治そうとして、逆に命を縮めてきたわけです。

そして現代医学の治療が未来永劫正しいかといえば、そうでないのですよね・・・


さて、本題は、白色ワセリンについてでした。

家族Bの傷を見事に綺麗に直してくれた白色ワセリンは、それからうちの救急箱にはいって、うっかり切り傷なんかの出番をまっていました。

でも夏井睦(まこと)さんの傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)を読んでいて、すんごく引っかかったことが。

それは「化粧品は、履くたびに骨が削れて背が低くなってしまうシークレットブーツと同じだ」という一説。

結構が~~んときました。

昔出た本で、化粧品が黒皮症をおこすことを告発した本があったのですが、それを読んだときは「化粧品は怖い」という認識があったのに、最近は忘れてきていました。
もともとお化粧は興味なく、ほとんどしませんし、肌の状態は悪くないと自分で思っています。

それでも最近はたるみやら荒れが目立つので、旅行の際にちと値のはるクリームなど購入してぬりぬりしてみておりました。

それが「骨を削って背が低くなるシークレットブーツ」だったとは!!
(背を高く見せようとして、隠れたヒールのあるブーツを履いているけれど、それで骨が削れて、本来の背が縮んでしまうという意味です)

私の中のパラダイムが壊された一瞬だったのでございます。(大げさ・・・

「皮膚にクリームを塗ることで、皮膚の健康が保たれるというインチキ」
「頭を洗うのにシャンプーはいらない」

などなど、ま、なんとなくそうかなと頭の片隅にあったようなことが、科学的に証明されていると書かれていてびっくり・・・・


19世紀の「虫垂炎のアヘン療法」だとか「梅毒の水銀療法」と同じで、化粧をすればするほど皮膚が老化し、シャンプーをすればするほどフケが増えてかゆみが増す????

                


そのびっくりについては、長くなってきたので続きます…(殴


(この夏目睦さんの本、とってもお勧めです。読んでみてください♪)


白色ワセリンその2の記事はこちらです。