ゆきてかえりしひび――in the JUNeK-yard――

読書、英語、etc. jesterの気ままなおしゃべりです。(映画は「JUNeK-CINEMA」に引っ越しました。)

クルド人

2005-09-21 | a day of my life
昨日「亀も空を飛ぶ」を見たので、クルド人について少し調べて見ました。
トルコではケマルのトルコ語政策下で抑圧されていたり、フセイン支配下のイラクで化学兵器による虐殺を受けていたことなどは知っていましたが、歴史的にはよく知らなかったので。

キングダム・オブ・ヘブンで主人公を喰うほどかっこよかった、『サラディン』もクルド族の出身だったんですね。
トルコ、イラン、イラクなど5カ国の山岳地帯に住む、勇猛果敢な民族。
スンナ派イスラム教徒がほとんどで、2500万人と、世界でも最大の『国を持たない民族』なのだそうです。

16世紀以降、オスマントルコの支配下にあり、1920年のセーヴル条約で独立国家を明示されたにもかかわらず、イギリスが石油利権のために裏切ったために、いまだ国家を持てず各国で抑圧されている・・・・。

もともとこの辺は自然の厳しい地帯で、生き残るためには猛々しくならざるをえず、荒っぽい遊牧民の人々をまとめるために戒律の厳しいイスラム教ができたという説がありますが、20世紀に入って石油という地下資源の価値を列強が知ったために、いまだに他国からの干渉がひどく、紛争が絶えない悲劇の地でもあります。

地下資源を国民が享受しているブルネイやドバイなどの国もありますが、ティグリス・ユーフラテス川近辺はいつも物騒ですね。
将来の枯渇が予想されている石油地下資源を、何とか平和に利用していきたいところですが・・・・。

(『世界史のパサージュ』東京法令出版 などを参考にしました)