火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

タイムラグ

2012-08-10 12:08:55 | MSL

NASAからの発表の時のCuriosityのEDLに関する時間は、地球で確認できた時間となっていました。
従いまして、火星で実際起きた時間と約14分の誤差がありました。詳しくは、こちらです。
記録として残しておきます。

Time of Event Occurrence at Mars (PDT)
[10:10:45.7 PM] Atmospheric Entry
[10:15:04.9 PM] Parachute Deploy
[10:15:24.6 PM] Heat Shield Separation
[10:17:38.6 PM] Rover Separation (from Descent Stage)
[10:17:57.3 PM] Touchdown   (8月6日14:17:57.3 JST)

Time Event Occurrence Received on Earth (PDT)
[10:24:33.8 PM] Atmospheric Entry
[10:28:53.0 PM] Parachute Deploy
[10:29:12.7 PM] Heat Shield Separation
[10:31:26.7 PM] Rover Separation (from Descent Stage)
[10:31:45.4 PM] Touchdown   (8月6日14:31:45.4 JST)

                                   以上

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着陸地点の分譲開始

2012-08-10 11:50:02 | MSL

NASAのMSLサイトの「Latest MSL Updates」の8月10日 09:48:00 AM UTC+0900 付けニュースです。Sol4の朝を迎えたわけです。
(発表時間が昨日より、24分遅れとなってますね)
まずは、ミュージカル「雨に歌えば」の "Good Morning"のタップのリズムでCuriosityは、気持ちよく目覚めたとのことです。
早速、OdessayとMROから大量の新しいデーターが送られて来たとのこと。
・NAVCAMSの高解像白黒パノラマ画像とデッキの画像。図1、2
(デッキ上に着陸時に積もったと見られる小石が確認できますが、機器等に問題なしとのことです。)
・Mastcam-34の最初のカラー画像として低解像度のGaleクレーターのパノラマ画像を送ってきました。図3

図1


図2

図3


・ハイゲインアンテナと地球とのリンクの確認完了。
・CuriosityのメインソフトをEDL用から地上勤務用(バージョンR10)に変更しました。
・RAD測定実施。
・APXS、CheMin、SAM、DANの機器チェック完了。特に問題なしのようです。

また、MROのHiRISEのデーターを利用して着陸地点の約390平方キロメーターを150個の1辺約1.6kmの正方形に分割しました。
これを基に科学チームが地質図の作成を開始したとのことです。
どこが調査すべき場所か?Sharp山への効率の良いルートを探す作業となるでしょう。
(行くべきところをもらさず廻って山を目指す。迷路ゲーム的な感じでしょうかね。)

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初ポートレート

2012-08-09 12:51:06 | MSL

上記の写真は、NavcamsでCuriosity自身の姿と周りの景色を撮った初ポートレートです。
下記は、Curiosityの周りのパノラマ写真です。上記の写真と同様にNavcamsでの撮影です。
Galeクレーターの外縁が正面に見え、Sharp山は、右に見えます。
撮影は、現地時間で15:30です。
まだ、完全なデーターが返信されていないとのことですので、そのうちきれいな画像が見れることでしょう。

その他、下記の画像が公開されています。

影         足元の小石     着陸地点     
Navcams    MARDI        HiRISE

NASAのMSLサイトの「Latest MSL Updates」の8月9日 09:23:52 AM UTC+0900付けニュースによりますと現時点で下記の点が実行もしくは確認されています。
*NASAのサイトですが、どうも日本時間で表示されているのではないかと、如何でしょうか?

・ハイゲインアンテナは、地球との交信が可能となった。
・remote sensing mastも展開されて、可動部分の動作確認も完了。
・RADが測定を開始しました。まだ、テスト中のようです。
・Curiosityの体温が予想より高いとのことですが、機器の異常というよりは、気温が高い為だろうとのこと。

Sol3では、以下のことを予定しています。

・ハイゲインアンテナと地球とのリンクを確実なものとするテストを実施。
・CuriosityのメインソフトをEDL用から地上勤務用(バージョンR10)に変更する。
・RAD測定。
・いよいよMastcamによる360°のカラーパノラマ画像の取得。楽しみですね~
・APXS、CheMin、SAM、DANの機器チェック。

とにかく、予定通り進んでいるようです。
10Sol程度でヘルスチェック等終了するようですから、8月中にはCuriosityの初ドライブがあるでしょうね。
待ちましょう。

現地時間では、Sol3の11:43となっています。今のところNASAは、火星時間で活動しているはずです。

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MAHLIもやってくれました

2012-08-08 13:01:10 | MSL

MAHLIからの最初の画像が届きましたのでメモしておきます。
着陸の翌日、まだ、ダストカバーがかかった状態での撮影です。(約30°斜めになっている薄茶色の画像です。)
全体の画像は、MROのHiRISEとESAのMarsExpressのHigh Resolution Stereo Cameraによって収集された画像データーから作られたデジタル標高モデルとのこと。
ぴったり合っているということですね。
右上の時計のような印は、上と右側が東であることを示しています。
従いまして、向いている方向は、北となります。
MAHLIの画像の中の左側のピークは、高さが1,150メーターでCuriosityからの距離は、約24kmだそうです。
この画像からCuriosityは、東を向いていることがわかります。

MAHLIについては、Curiosityの搭載機器の概要を見てください。

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着陸の立役者揃い踏み

2012-08-08 12:20:05 | MSL

MROのHiRISEがEDLで活躍したHeatShield等の画像を撮ってくれました。
詳しくは、HiRISEのサイトにて。

各ハードウエアのアップは、下記の通りです。Curiosityがハッキリ分かりません。
もっとアップに出来ないものでしょうか?
そのうちCuriosityが自分で撮って送ってくれることでしょうが・・・

Curiosity      Heatshield      Parachute   SkyCrane

JPLの記事は、こちらにて。

撮影は、Curiosity着陸後の24時間後とのことです。日本時間で7日14:32となります。
現地時間で着陸時がSol0の15:00でしたので、Sol1の14:20となるのでしょうか?

NASAのTime on MARS をインストールするとCuriosityの現地時間が確認できます。
NASAなどでミッション時間として表示するSolは、着陸してからの時間です。因みに着陸時の現地時間は、15時頃と言われていました。
NASAの数え方で言うと日本時間8月6日14:32がSol0の0:00となります。
個人的には、現地時間で表示してもらうと太陽の位置とか分かりやすくて良いかと思います。
因みに、日本時間8月8日12:14でCuriosity現地時間は、Sol2の11:45です。

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やっぱりMARDIもやりました

2012-08-07 12:50:47 | MSL

ヒートシールドが落下していく様子をMARDIが捉えていました。
詳しくは、こちらです。
この後、MARDIは、1504枚の画像を取得しました。
その中の低解像度の297枚のカラー画像を動画に繋げたビデオをこちらで見ることが出来ます。
着陸用のエンジンが噴かされると機体が激しく揺れて、地表面のダストが舞い上がる様子が迫力あります。
今後、地球-火星間の通信が確立したら、高解像度の画像が送られてくるようです。
もうマストカメラやハイゲインアンテナも展開していることと思いますので、楽しみに待ちましょう。

また、HAZCAMSがSharp山を捉えた画像が公開されました。
目標をしっかり見据えて頑張りましょう。

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パラシュート大成功

2012-08-07 10:36:13 | MSL

着陸後、着々と情報が発表されています。
MROのHiRISEカメラがCuriosityがパラシュートでGaleクレーターを目指す姿を見事に捉えました。
きれいな画像ですね~

大きな画像は、こちらです。
まだ、減速の途中で着陸地点は、この画像には見えていませんが、Curiosityは、しっかりと捉えていたことでしょう。
昨日も驚きましたが、こんなに早くCuriosityの勇姿が見れるなんて思っていなかったので嬉しいですし、NASAのオープンな姿勢に共感を覚えます。
(どこかの電力会社の姿勢と真逆ですね。)

下記は、拡大画像です。パラシュートが完璧に展開していることが分かります。損傷箇所もなさそうですね。

この画像は、ランディングの約1分前にMROが照準を合わせた結果、得られたとのことです。
結果は、見事に撮影成功でしたが、1秒でも早すぎたり遅すぎたらただの火星地表のみの撮影となった可能性があるとのことです。
ひやひや話まで出るとは、余裕ですね。
また、事前の予測よりCuriosityは、少し東側を通っていったとのこと。
既にヒートシールドは、分離されて、Curiosityのレーダーが作動しているものと考えられます。
(Curiosityは、高度約3kmで時速250-350km程度の速度で降下中です。MROとCuriosityとの距離は、約340km。)
この後バックシェルとパラシュートが分離されてエンジンが作動したんですね。

逆噴射の様子も見たかったですが・・・

着陸地点は、下記の通りとなっています。

かなりSharp山の近くに着陸しています。
スカイクレーン方式が定番となれば、今後の惑星探査の費用が軽減されることが期待できます。
また、有人での着陸にも展望が開けたこととなります。

念のために大きな画像で着陸位置を確認しておきます。
Galeクレーターの中でSharp山の北側斜面の手前ということになります。
わざわざ狭い地域を狙って着陸を成功させたことが良く分かります。
探査の効率化まで計画の中に織り込まれているのですね。
オペレーションルームでは、早速Curiosityをもっと働かせようと知恵を絞っていることでしょう。

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好奇心

2012-08-06 23:14:47 | MSL

Curiosityの名付け親の当時12歳の小学生Clara Maちゃん(現在は、15歳かと、感慨ひとしおです。)のエッセイの拙訳です。
2009年5月29日の当ブログCuriosity(キュリオシティ:好奇心)と命名も懐かしいですね~

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
好奇心は、みんなの心に燃える永遠の炎です。
それは、私を朝、目覚めさせて、その日、人生がどんな驚きを私に投げかけるか知りたいと思います。
好奇心はそのように強力な力です。
それがなければ、今日、私たちは、私たちではなかったでしょう。
私がもっと子供だった時、私は、「なぜ空は、青いの?」「なぜ星は、きらめいているの?」「なぜ私は、私なの?」とあれこれ不思議に思いました。
そして、まだそう思っています。
私は、そういうたくさんの質問を持っていました。
そして、アメリカは、私が答えを見つけたいと思う場所です。
好奇心は、私たちの日常生活の中で私たちを動かす情熱です。
私たちは質問したり、知りたいと思う私たちの欲求で探検家や科学者になります。
確かに、多くのリスクと危険がありますが、それにもかかわらず、私たちは、まだ知りたいと思い、夢を見て、創造し、希望を持ち続けています。
私たちは、世界について大変多くのことを発見しましたが、まだ、少なすぎます。
私たちは、決してすべてのことを知ることは出来ないでしょうが、私たちは、激しい好奇心でそのようにたくさんのことを学びました。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

Curiosityの火星着陸を祝うNASAの管制室です。「7分間の恐怖」が「7分間の勝利」へと変化した瞬間です。
凄い喜びようでしたね。詳しくは、こちらです。   
NASA長官のCharles Boldenさんは、Curiosityの火星着陸を称え、この実績がObamaさんが掲げた2030年代に人類が火星へ行く為の重要なステップとなると宣言しました。

CuriosityからのGALEクレーター内の画像です。
事務局は、てっきりMARDIの画像かと思っていましたが、左側後部のHAZCAMS(Hazard-Avoidance cameras)での画像でした。
カメラの位置は、当ブログ順調ですを確認してください。
後輪がはっきり見えます。その下のスプリングがダストカバーを外したスプリングとのこと。
左上に見えるのがローバーの電源の一部だそうです。詳しくは、こちらです。
カメラは、太陽の方向(北西)を向いていたようで露出オーバーになった部分が確認できます。
NASAでは、この着陸地点をCuriosityのホームだと言ってます。
そして、足元の砂利がどこから来たのか?早速、Curiosityが着陸して最初の疑問を投げかけています。
今後、もっと沢山の科学的疑問が投げかけられることでしょう。
探査開始が待ち遠しいですね。

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Curiosity着陸予定通り!素晴らしい

2012-08-06 15:17:23 | MSL

やりました!
素晴らしい!

Curiosityは、無事火星へ着陸したことが確認されました。
管制室は、お祭り騒ぎです。
Galeクレーターの現地時間は、15時頃となっています。
最初の画像が送られてくるのは何時ごろか?と思っていましたら、すぐに送られてきてびっくりしています。
たぶんMARDIの画像でしょう。
2枚かそれ以上画像があるようですが、入手できた1枚をとりあえず下記に載せます。



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軌道調整なしで突っ込みます!

2012-08-06 09:45:29 | MSL

本日朝になって事務局のPCがJPLのWhat'sNewsに繋がるようになりました。
その最新ニュースによりますと軌道調整のTCM-6と最終の2回のチャンスの実施をしないとのことです。
とにかく順調に飛行しているので、余分なことはしないほうが良いですね。

上図は、Curiosityが地球に向けて2種類の電波を発信しているイラストです。ビデオも見れます。
丸いピンクの電波は、basic radio-frequency tones(無線周波数による音)で直接地球へ送られます。
青の輪は、complex UHF radio data で Odyssey によって転送されて地球へ送られます。
UHF signalの方がより複雑な情報が入っているものと思われます。

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初めての測定です

2012-08-05 08:10:18 | MSL

地球から火星へ向かう宇宙船内でマーズノウト達がどの位のそしてどのような宇宙線及び2次放射線を浴びるか?
今まで測定されたことはありませんでしたが、Curiosity搭載のRADが地球-火星間の行程7ケ月間に亘って測定をした結果の一部が公表されました。
詳しくは、8月2日のMarsTodayにて。

2011年12月14日の当ブログ「宇宙放射線を測定開始です」にてRAD測定開始を伝えてましたが、今年の7月13日に火星へのEDLに備えてRADでの測定を休止しています。
7ケ月間の測定結果は、下図の通りです。

Curiosityは、地球-火星間で5回の太陽フレアの洗礼を浴びましたが、無事に飛行を続けています。
CruiseStageでのbackshell、heatshield等が期待通り宇宙線の侵入を抑えたとのことです。
更に燃料タンクなど他の構成部分も宇宙線の軽減に寄与したそうです。
実際に宇宙船内にいる宇宙飛行士が浴びる可能性のある放射線を測定したことは、画期的なことです。
この測定結果は、今年後半にいずれかのジャーナルにレポートされるとのことですので楽しみにしましょう。

RADは、Curiosityが着陸した後は、火星地表面での宇宙線の測定をします。
このデーターも将来の有人探査に貴重なデーターとなることでしょう。

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順調です

2012-08-04 22:01:46 | MSL

8月3日12:35 p.m. PDT(4日4:35 JST)時点でCuriosityは、順調に飛行しているとのことです。
火星まで753,200 kilometers。
速度は、3,576m/秒で飛行中。

順調に飛行している為、TCM-5(the planned Trajectory Correction Maneuver 5) は、実施しないとのこと。

次のTCM-6は、EDLの9時間前を予定しています。(8月6日5:24 JSTとなります。)

下図は、着陸後のCuriosityの目となって活躍することが期待されているカメラ類です。
(MARDIは、着陸のための降下中にCuriosityの着陸地点を詳細に撮影するものです。)
各カメラについては、搭載機器の概要にて。

また、みずもとさんからFaceBookで教えていただきましたが、CuriosityのEDLの姿をMRO搭載のHiRISEで撮影する準備を進めているとのことです。
大変嬉しいニュースです。
(みずもとさんありがとうございます。)
MROは、Phoenixがパラシュートで降下中の姿を撮影した実績があります。

大きな画像は、こちら

HiRISEチームは、8月6日05:09 UTC(14:09 JST)に撮影開始体勢に入ることを決めたとのこと。
CuriosityチームとHiRISEチームとで調整した結果、HiRISEの視界をCuriosityが通過すると予想される05:16 UTC(14:16 JST)を中心としたものです。(事務局で把握しているタイムラインより少し早めな感じですが、エントリーが早まっているのかも・・・)
HiRISEチームでは、こうしたEDLは必ず決まった時間通りには行かないことが多いので、撮影が難しいかも知れないといっています。
EDLの時間のズレによっては、HiRISEの視界からCuriosityの降下の場所が離れてしまうとのことです。
是非、パラシュートでの降下やスカイクレーンの勇姿を見たいものですね。

事務局のPCでは、JPLのMSLのサイトのWhat'sNEWSに繋がらない状態が夕方の18時頃から現在(22時)まで続いています。
私のPCがへぼいのか?JPLのサイトがとんでもないことになっているかですね。

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現地調達(アムンゼン隊を見習え!)

2012-08-03 11:08:38 | MARS on EARTH

NASAは、いくつかの月、小惑星そして火星での活動の為のアナログミッションを行っています。
その内のひとつ、NASA ISRUの2012年度のミッション(The 2012 In-Situ Resource Utilization Analog Mission)について7月17日19日のMarsDailyで取り上げられていましたのでメモしておきます。
ハワイ島のマウナケア山のHiloの外縁部で7月17日から10日間の日程で行われました。

2012年のISRUアナログ・ミッションは、NASAとそのパートナー(主としてカナダ宇宙機関(CSA))の間の共同作業です。
ハワイ大学およびPISCES(the Pacific International Space Center for Exploration Systems :探査システムの為の太平洋国際宇宙センター)が支援しています。
今回の目的は、月面用の新しい探査技術を評価するためです。
水の氷と揮発性物質(volatiles)を探索し、かつ特定するためのロボット工学的な月の極でのミッションをシミュレートすることです。
主となるシステムはRESOLVE(the Regolith and Environment Science and Oxygen and Lunar Volatile Extraction :表土および環境科学、および酸素および月の揮発性の抽出物)という機器です。
RESOLVEは、CSAのArtemis Jr.ローバーに搭載されます。

NASAは、月、小惑星そして火星へと人間による宇宙探検の地平線を拡張することを積極的に計画しています。
そしてISRUは、それを物資調達の面からサポートする為の実験です。
「月面で水や酸素が調達できるか?」「火星の大気からメタンを現地活動用及び帰還用燃料として製造出来るか?」等
全てを地球から運ぶのではなく、一部でも現地調達できれば、我々人類の活動範囲を広げる為のリスクが減り、より安全に宇宙へ出て行くことが可能となります。
ISSでの植物栽培実験もその一面を持っています。当ブログ「宇宙プランテーション」で通販生活から足を洗えそうだと記載してますが。

ISRUのFactSheetから一部を以下に紹介します。
目的は、酸素、水、燃料、および有人宇宙探検に必要な建築資材等の資源を現地調達する可能性の研究です。
場所は、上記の通りハワイ島で行われます。
この辺りの火山灰層は、月や小惑星及び地球型惑星とその月に見られる表土と似た鉱物組成および粒径をしているそうです。
過去には、アポロ計画中の宇宙飛行士のための地質学トレーニングに使用された実績があります。

2012年度は、RESOLVEとMMAMA(the Moon Mars Analog Mission Activities:月火星アナログ・ミッション活動)の2つのテーマで実施されます。

1.RESOLVE includes multiple science instruments:
・中性子スペクトロメーターおよび近赤外線分光計(NIR):水素と水蒸気のような揮発性物質を見つけ、表土中の鉱物を識別します。

・1メーターのドリル・システム:月の表面下から評価用のサンプルを採取する。これらのサンプルは多数のテスト用のより小さな部分に分割されるでしょう。

・オーブン:土から採取したサンプルを焼くことで揮発性物質を分離します。

・揮発物質分析用ガスクロマトグラフ質量分析計:揮発性物質の同定と定量分析。

広い範囲の揮発性物質を探索する為にRESOLVEは、Artemis Jr.ローバーに搭載されます。

2.MMAMA
MMAMAは、小さなプロジェクトのグループで、NASAが月や火星等の表面上で新しい探査技術を行なうのを助けるテストします。
MMAMAのセットは、次のものを含んでいます:
VAPoR:(The Volatile Analysis by Pryolysis of Regolith) は、鉱物及び化学物質を分析するため、質量分析計でサンプルを分析します。
サンプルは機械化されたサンプル処理およびハンドリング・システム(MeSH)道具を使用して、分析の前に準備されます。
VAPoRは、Curiosityに搭載されているサンプル分析計器の小型のバージョンです。(SAMでしょうね。)

Robotic Resource Mapping: 表土あるいは表土下で見つけられた資源の分布を確認する方法を実証するために、CSAのプロトタイプ探査ローバー(Juno)は、地下レーダーと磁力計を装備されています。これらのツールは、Juno搭載のロボットシステムのマッピング能力と人間による測定とを比較するでしょう。

MIMOS II/IIA: A Miniaturized Mossbauer Spectrometer (MIMOS II) 及びMiniaturized Mossbauer と X-Ray Fluorescence Spectrometer (MIMOS IIA)との結合体は、表土あるいは表土下にあるだろう資源を見つけるためにJunoローバーで使用される。
これらのセンサー・システムは、ある資源が存在するかどうか判断するために岩等のサンプルの成分構成を識別することができます。

Testing Operations: エンジニアと研究者のチームは、設備の各部分の能力を評価するためのこれらのテストをすべてモニターするでしょう。
小型のMission control は、MMAMA試運転を支援するためにハワイにセット・アップされるでしょう。

3.実験参加
NASA’s Johnson Space Center
Ames Research Center 
Goddard Space Flight Center
the CSA
the Smithsonian Institute
University of Mainz in Germany

4.Mission control centers
NASA’s Johnson Space Center  in Houston; Kennedy Space Center in Florida;
CSA headquarters in Montreal, Canada

世界では、火星有人探査に向けた取り組みが着々と進められています。
我々が今抱えている多くの問題の解決策がここにあるかも知れないと思っています。

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