火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

現地調達(アムンゼン隊を見習え!)

2012-08-03 11:08:38 | MARS on EARTH

NASAは、いくつかの月、小惑星そして火星での活動の為のアナログミッションを行っています。
その内のひとつ、NASA ISRUの2012年度のミッション(The 2012 In-Situ Resource Utilization Analog Mission)について7月17日19日のMarsDailyで取り上げられていましたのでメモしておきます。
ハワイ島のマウナケア山のHiloの外縁部で7月17日から10日間の日程で行われました。

2012年のISRUアナログ・ミッションは、NASAとそのパートナー(主としてカナダ宇宙機関(CSA))の間の共同作業です。
ハワイ大学およびPISCES(the Pacific International Space Center for Exploration Systems :探査システムの為の太平洋国際宇宙センター)が支援しています。
今回の目的は、月面用の新しい探査技術を評価するためです。
水の氷と揮発性物質(volatiles)を探索し、かつ特定するためのロボット工学的な月の極でのミッションをシミュレートすることです。
主となるシステムはRESOLVE(the Regolith and Environment Science and Oxygen and Lunar Volatile Extraction :表土および環境科学、および酸素および月の揮発性の抽出物)という機器です。
RESOLVEは、CSAのArtemis Jr.ローバーに搭載されます。

NASAは、月、小惑星そして火星へと人間による宇宙探検の地平線を拡張することを積極的に計画しています。
そしてISRUは、それを物資調達の面からサポートする為の実験です。
「月面で水や酸素が調達できるか?」「火星の大気からメタンを現地活動用及び帰還用燃料として製造出来るか?」等
全てを地球から運ぶのではなく、一部でも現地調達できれば、我々人類の活動範囲を広げる為のリスクが減り、より安全に宇宙へ出て行くことが可能となります。
ISSでの植物栽培実験もその一面を持っています。当ブログ「宇宙プランテーション」で通販生活から足を洗えそうだと記載してますが。

ISRUのFactSheetから一部を以下に紹介します。
目的は、酸素、水、燃料、および有人宇宙探検に必要な建築資材等の資源を現地調達する可能性の研究です。
場所は、上記の通りハワイ島で行われます。
この辺りの火山灰層は、月や小惑星及び地球型惑星とその月に見られる表土と似た鉱物組成および粒径をしているそうです。
過去には、アポロ計画中の宇宙飛行士のための地質学トレーニングに使用された実績があります。

2012年度は、RESOLVEとMMAMA(the Moon Mars Analog Mission Activities:月火星アナログ・ミッション活動)の2つのテーマで実施されます。

1.RESOLVE includes multiple science instruments:
・中性子スペクトロメーターおよび近赤外線分光計(NIR):水素と水蒸気のような揮発性物質を見つけ、表土中の鉱物を識別します。

・1メーターのドリル・システム:月の表面下から評価用のサンプルを採取する。これらのサンプルは多数のテスト用のより小さな部分に分割されるでしょう。

・オーブン:土から採取したサンプルを焼くことで揮発性物質を分離します。

・揮発物質分析用ガスクロマトグラフ質量分析計:揮発性物質の同定と定量分析。

広い範囲の揮発性物質を探索する為にRESOLVEは、Artemis Jr.ローバーに搭載されます。

2.MMAMA
MMAMAは、小さなプロジェクトのグループで、NASAが月や火星等の表面上で新しい探査技術を行なうのを助けるテストします。
MMAMAのセットは、次のものを含んでいます:
VAPoR:(The Volatile Analysis by Pryolysis of Regolith) は、鉱物及び化学物質を分析するため、質量分析計でサンプルを分析します。
サンプルは機械化されたサンプル処理およびハンドリング・システム(MeSH)道具を使用して、分析の前に準備されます。
VAPoRは、Curiosityに搭載されているサンプル分析計器の小型のバージョンです。(SAMでしょうね。)

Robotic Resource Mapping: 表土あるいは表土下で見つけられた資源の分布を確認する方法を実証するために、CSAのプロトタイプ探査ローバー(Juno)は、地下レーダーと磁力計を装備されています。これらのツールは、Juno搭載のロボットシステムのマッピング能力と人間による測定とを比較するでしょう。

MIMOS II/IIA: A Miniaturized Mossbauer Spectrometer (MIMOS II) 及びMiniaturized Mossbauer と X-Ray Fluorescence Spectrometer (MIMOS IIA)との結合体は、表土あるいは表土下にあるだろう資源を見つけるためにJunoローバーで使用される。
これらのセンサー・システムは、ある資源が存在するかどうか判断するために岩等のサンプルの成分構成を識別することができます。

Testing Operations: エンジニアと研究者のチームは、設備の各部分の能力を評価するためのこれらのテストをすべてモニターするでしょう。
小型のMission control は、MMAMA試運転を支援するためにハワイにセット・アップされるでしょう。

3.実験参加
NASA’s Johnson Space Center
Ames Research Center 
Goddard Space Flight Center
the CSA
the Smithsonian Institute
University of Mainz in Germany

4.Mission control centers
NASA’s Johnson Space Center  in Houston; Kennedy Space Center in Florida;
CSA headquarters in Montreal, Canada

世界では、火星有人探査に向けた取り組みが着々と進められています。
我々が今抱えている多くの問題の解決策がここにあるかも知れないと思っています。

コメント
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