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火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

火星を丸裸に!

2012-03-03 23:21:06 | NASA


2月28日のMarsTodayにNASAのDiscovery Programの内の火星を目指すミッションに新しい名前がついたとのことです。
昨年5月13日に当ブログでも紹介したGEMS(Geophysical Monitoring Station)というミッションが「InSight」と命名されたとのこと。
InSightは、下記のDiscovery Programの3つの候補の内のひとつです。

①Geophysical Monitoring Station (GEMS→InSight):火星内部の構造と組成の探査から地球型惑星の形成や進化の理解を深めることを目的とする。
      Bruce Banerdtさん(NASA's Jet Propulsion Laboratory)がプロジェクトを統括。

②Titan Mare Explorer (TiME) :タイタンに着陸し、メタン-エタンの海に浮かぶことで地球外の海の環境を探査することを目的とする。
      Ellen Stofanさん(Proxemy Research Inc)が主任研究者、Johns Hopkinsさん(University's Applied Physics Laboratory)がプロジェクトを統括。

③Comet Hopper :彗星に何回も着陸することで、彗星の進化や太陽からの影響を研究することを目的とする。

いよいよ3月19日までにconcept study reportsが提出されます。
そして、1つのミッションが選ばれることになります。
ぜひ、火星のミッションである「InSight」に決まることを期待しています。

「InSight」について少し詳しく記載します。下記の通りです。

1.スケジュール (2016年5月30日が最接近で地球と火星の距離が7,528万kmとなります。)

 打上      — 2016年3月10日~29日
 火星到着    — 2016年9月20日
 活動期間    — 1火星年 (669 solsまたは687日)
 最初の連絡   — 2016年10月
 装備の展開   — 30 sols (12 solsの予備を含む)
 総取得データー — 30 GB以上
 終了      — 2018年9月10日

2.目的
①火星の内部の構造の調査および火星の進化の過程の調査から地球型惑星の構造および発展を理解する。
・核のサイズ、構成および物理的状態(液体/固体)の測定。
・地殻の厚さおよび構造の測定。
・マントルの構成および構造の測定。
・内部の熱の状態の測定。

②火星の地殻変動活動および隕石インパクトの現在のレベルを決定する。
・内部地震活動の大きさ、割合および地理的分布を測定。
・地表への隕石インパクトの割合を測定。

3.測定機器
①SEIS(地震計):火星内部活動の震動および他の活動の正確な測定。
②HP3(熱流量プローブ):惑星の進化の代表的指標の温度測定。
③RISE(位置情報):太陽引力による火星軌道のゆれや地球との位置変動の測定によって火星内部構造の測定。

地球型惑星の進化の解明が進むことを期待しています。
また、火星の成り立ちが詳しく分かり、現在の内部構造が解明されれば、生命探査の的も絞り易くなると思います。
ぜひ、「InSight」を実行して欲しいと思います。