最近の私の生活は、朝の連続テレビドラマ「カーネーション」を中心に回っていると言っても過言ではない。何しろ、朝7時半にBSで見て、8時に地上波で見て、ついでに「あさイチ」の司会陣の反応を確かめ、お昼は自宅のリビングで昼食を取りながら地上波の再放送を見、時にはBS夕方の再放送を見る。土曜日の午前中にうっかりテレビをつけると、BSで一週間をまとめて見てしまう。こんなことは「ちりとてちん」以来である。
最初はもちろん、小原糸子が一世一代のはまり役と言うしかない尾野真千子さんの魅力からである。彼女の非凡な演技力は、老作家原田芳雄と渡り合う純文学の編集者(NHK広島「火の魚」)、天才子役芦田愛菜を虐待する母親(日本テレビ「mother」)、飛行機事故を追跡する女性地方紙記者(映画「クライマーズ・ハイ」)等、全く同一人物とは思えない様々な作品からうかがうことができる。
そして、兵庫県西宮市が生んだ天才渡辺あやさんの脚本と、それを更に魅力的にする演出、スタッフワークの妙。二度三度見て初めて得心のいくシーンや細かい仕掛けの発見がたまらない。
もちろん最初からこんなに熱心に見ていたわけではない。しだいに主人公が自分の年齢に近づくにつれ、どんどんのめり込み始めたのだ。主人公が長女への店の承継を考え始めるのが、ちょうど51歳、今の私と同じ年齢である。主人公と同じ自営業者として、もうこのあたりからドラマへの傾斜が止まらない。
そして、世間を騒がせた主役交代。色々言われたが、私はこのドラマチームの力を信じていたので、夏木カーネーションを引き続き注視し続けた。もちろん最初は、岸和田弁以前に関西弁としてどうなの、というイントネーションが耳障りだったし、舞台女優ゆえかと思われる張った台詞の発声に違和感を拭えなかった。しかし、夏木さんの鬼気迫る「老い」の演技に主役交代の必然性を納得し、そこから「反転」してゆくドラマ展開にますます引き込まれ、もうイントネーションなどどうでも良くなってしまった。
夏木さん自身も、尾野さんが快走しているのを見ながら、やりにくさを感じていたに違いない。記者会見でも「アウェイ感」という言葉を率直に口にしていた。しかし、ふたを開けてみれば、見事な逆転ホームラン。先週の「奇跡」では、何度泣かされたことか。あと一週間で終わるのが、惜しくてたまらない(と言いながら、ミムラさん目当てで次の「梅ちゃん先生」も見続けそうなのだが)
閑話休題
裁判官の転勤時期である。弁護士としても、特に地方の小さな裁判所を舞台にする田舎弁護士にとっては、四月にどんな裁判官が赴任してくるのか、どのような訴訟指揮を見せるのかは、一大関心事である。着任当初は、着任した裁判官の一挙手、一投足が注視されているといっても過言ではない。まして前任者の「評価」が高かったりすると、露骨に「変わって残念」感が漂っているかもしれない。まさに、「アウェイ感」であろう。
着任当初は記録読みに追われ、ゴールデンウイークなどないに等しいが、そうした中、プレッシャーをはねのけ、自分らしさを徐々に発揮し、地元の弁護士の信頼を勝ち得ながら、多くの裁判官に、おのが「花」を咲かせていただきたい。そう願っている。
PS 「カーネーション」のDVDは、第8週までの分が既に発売されている。私も早速買い求め、あまり熱心に見ていなかった初期を復習し始めている。7月に全巻が発売される頃には、ひとかどのマニアとなっている所存である。
尚,日本はCar Nation=車社会・といえども→気仙沼線・復興してほしい.<ローカル線と裁判傍聴の旅>楽し
あと、NHK系統だと、古いですが
教育テレビの「カードキャプターさくら」も良いですね。
子ども連れ去りを容認する現在の家庭裁判所は、あまりに法律を軽視しすぎです。
FACTAに掲載されたことで、政財界からの強い批判が裁判所に向けられることでしょう。