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 高田延彦さんと向井亜紀さんの夫妻が,2人の人工受精卵を使い、米国で代理出産によって生まれた子供の出生届を受理しなかった東京都品川区長の処分取り消しを求めた家事審判の即時抗告審で、東京高裁は今年9月29日、申し立てを却下した東京家裁決定を取り消し、出生届受理を命じる決定をした。向井さんは子宮がんで子宮を摘出後、代理出産を目指し、受精卵を米国人女性の子宮に移植。2003年に双子の男児が生まれた。しかし届出先の品川区から相談を受けた法務省が「向井さんを母とは認められない」と回答し、不受理となった。東京家裁は昨年11月に申し立てを却下。向井さん側が東京高裁に即時抗告した結果のようです。(産経新聞から)
後の報道では,品川区は許可抗告を申し立てたようです。

 こういう事件の判断はとても難しいのが実感ですが,係属中の事件のため詳論は避けます。なお,今年9月4日に,凍結精子で夫の死後妊娠し,その結果生まれた子供が,亡父の認知を求めた事件で,最高裁は訴えを退けました。補足意見というのがあって,法廷意見と共に中々含蓄ぶかいものでした。
最高裁のHP(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20060904164054.pdf)で是非ご覧下さい。

 今回の高田さん・向井さん夫妻の問いかけは,結論はどうあれ,今の時代に司法として一つの答えを出さないといけない重要な問いかけであると思います。(瑞祥)

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コメント
 
 
 
臓器売買と同じ (ワイ子)
2006-10-14 20:28:41
 臓器売買の事件があり思いました、代理出産は臓器売買と同じではないかと。

子宮は切り離して移植できない、だから代理母として自分の子宮を一時売り、高田さん向井さん夫妻は子宮を一時買った。

 臓器売買に荷担しては、母としての資格に少々欠けるのではないか。
 
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