連休を利用して,子供と県内をドライブしていると,いろいろな場所で,仕事の関係でつい目が留まります。「このあたりの土地は,確か,原告○○さんと被告○○さんとの間の事件で所有権が争われている土地だな」とか,「あの看板の会社は,印象深い○○事件の会社だな」とか・・・。民事再生事件や破産事件を思い出すことも多々あります。そんなことを思っていると,自分が「仕事中毒だな」と思う反面,民事事件というものが,その地域の経済活動の反映であり,市民生活に密着したものだと切に感じます。よそ見をしていて事故になってはいけないのですが,ドライブだけではなく,ちょっとした工夫をして,裁判官は,弁護士と同様,その地域の実情をできるだけ実感できる方が,事件の理解に役立つのでしょうね。裁判官ネットワークの森野裁判官は,「サイクル検証」と称して,管内の事件現場をすべて自転車で見に行くのを常とされていました(日本裁判官ネットワーク編「裁判官は訴える」(講談社)中の,「「現場」が好きー足でかせぐ事実審理」参照)。中々そこまでまねはできませんが,連休中のドライブで,改めて森野裁判官に感心した次第です。(瑞祥)
民事事件は当事者同士の「もめごと」ですから、その争点とされている現場を視察することも、大切なことですね。
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埋立予定地に関する裁判で某地裁の裁判官は、法廷を
飛び出して(というか、出張して)、公判を係争地である海域に移して実際に現地を見てまでして正義とやらを判断すべく行い、判決は「原告敗訴」だからねぇ。粋な計らいも、原告を納得させるための工作だったのかも?