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団藤先生の死去

2012年06月27日 | 瑞祥

高名な刑法学者である団藤重光先生が亡くなられたと報道されています。http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG25028_V20C12A6000000/

50歳以上の法律家なら、団藤先生の本を基本書にして勉強した人が多いのではないかと思います。40歳代の人でも少なくはないのではないでしょうか。

私も上記のような一人で、定型性や人格責任、人格形成責任など、団藤先生の基本書の言葉が懐かしく思い出されます。「格調のある文章の行間を読め」と先輩に言われ、必死になって何度も読みましたが、行間の意味まで読めたかはなはだ自信がなかったのが正直なところでした。先生の後の世代の平野竜一先生の本も難解でしたが、団藤先生の説を批判されるので、平野先生の本を読んだりお話を聞くと、団藤先生の説がよく分かったりしました。同じ経験をされた人も多いのではないでしょうか。

先生が最高裁判事をされていたころ、補足意見や反対意見が判例集を賑わしました。新聞にもかなり書かれたと思います。影響力は大きかったのではないでしょうか。思い出す判例も多いですね。

生前に一度もお会いできなかったのが残念でしたが、先生のように思索の深い学者や法曹がどんどん育つのが望まれますね。自分もその末席の末席にいることができればと思いますが・・・。

先生の思い出のある方は是非書き込みをしてください。

先生のご冥福を心からお祈り致します。                        合掌