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能代市木の学校でこつこつと 英国出身男性、アイヌ民族楽器「トンコリ」製作

2023-02-22 | アイヌ民族関連
北羽新報社2023.02.21

完成した「トンコリ」を手に笑顔を見せる英国出身のカールさん
 英国出身で八郎潟町に住むALT(外国語指導助手)の男性が、能代市河戸川の木の学校でアイヌ民族の弦楽器・トンコリ(五弦琴)の製作に挑戦、約2カ月の作業の末、19日に完成させた。男性は「なかなかの出来栄え」と笑顔を見せながら、「優しい先生たちの下、安心して作ることができた」と施設のサポートに感謝している。
 トンコリを製作したのは、旧琴丘町のALTも務めていたカール・スペンサー・ブースさん(51)。昨年秋、中学生が学校の授業で琴の演奏を体験している様子を目にし、7、8年前に北海道で演奏を聴き、その優しい音に魅了されたトンコリを思い出し、弾いてみたくなったのがきっかけという。
 最初はトンコリ作りの職人に依頼して購入することも検討したが、安くても10万円以上することや納品までに1年以上かかると分かり、「それなら自分で作ってみよう」と思うように。そうした時に、講師を務める英会話教室の生徒から木の学校のことを聞き昨年12月、同施設に協力を仰いだ。
 作業は毎週末や冬休み期間に通って実施。サポートの依頼を受けた木の学校では、カールさんが自身で入手した製作マニュアルを土台に、材料選び(イチョウ)、進め方の手順、丸ノコ盤、サンダーといった機械の使い方、仕上げのコツなどを技術指導員が折に触れてアドバイス。練習用で試作した1台目(長さ約85㌢)に続き、19日には改良版の2台目(約110㌢)も出来上がった。
 同日、早速試し弾きをしたカールさんは「私の演奏技術に問題はあるけど(笑)、いい音。これから頑張って練習して、生徒たちの前で演奏してみたい」とにっこり。「いろんな工程で決断を繰り返しながら進めるものづくりは、本当に楽しい。もう夢中です」として、早くも3台目の製作に向けて動き出しており、「今度はノミを多く使って、よりトラディショナルでワイルドな仕上がりを目指したい」と目を輝かせた。
 また木の学校については「さまざまな機械がそろい、教えてくれる先生たちも皆優しい。この素晴らしい施設を、ぜひ多くの人に利用してもらいたい」と話した。
 製作をバックアップした技術指導員の青山秀樹さん(50)は「楽器作りを相談されたのは初めてで、最初はどうなることかと思ったが、マニュアルがあったのは大きかった。われわれにとってもいい経験になった」と振り返り、「『木でこんな物が作れないか』といった相談はいつでも歓迎。気軽に問い合わせてほしい」と語っていた。
 木の学校の利用時間は午前8時30分~午後4時。機械の利用は有料だが、木工工作室自体の利用は無料。毎月第2、4、5日曜日、祝日は休館。問い合わせは☎0185・52・5249へ。
http://kyodoshi.com/article/14774
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