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防災力向上へDX導入 胆振振興局 24年度、訓練にドローン活用

2024-02-17 | アイヌ民族関連

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北海道新聞2024年2月16日 21:11(2月16日 21:25更新)

 胆振総合振興局は16日、2024年度の独自事業を発表した。新規事業は有珠山噴火などの自然災害への対策を強化する「いぶり地域防災力向上事業」で、予算額は101万円。継続6事業を含む総予算額は、前年度から微増の2036万円となった。

 防災力向上事業では災害時の減災を図るため、デジタル技術を活用して作業の効率化を図るデジタルトランスフォーメーション(DX)の導入を促進する。また、地域住民が適切な避難行動を取れるよう、ドローンなどを活用した防災訓練や自治体職員への研修会を予定している。

 継続事業の一つである「いぶり五大遺産等地域資源魅力発信」では、アイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」をはじめ、管内のアイヌ関連施設を周遊するキャンペーンを新たに実施する。

 ・・・・・・

(中田和樹)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/976331/


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原作を信じてリスペクト 映画「ゴールデンカムイ」久保茂昭監督 「リアルに描くのが肝」準備に力

2024-02-17 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年2月16日 10:19

 野田サトル(北広島市出身)の人気漫画を実写化した映画「ゴールデンカムイ」が1月から公開されている。日露戦争直後の北海道を舞台に、隠された金塊のありかを巡る冒険アクションで、道内でも撮影を重ねた。監督はEXILEファミリーが出演する映画「HiGH&LOW」シリーズを手掛けてきた久保茂昭。戦争帰りの杉元佐一(山崎賢人)とアイヌ民族の少女アシリパ(山田杏奈)が出会い、確かな相棒となるまでを描いた。

 元々原作の大ファンで関連グッズを集め、漫画家が取材で巡った道内外の博物館なども個人的に訪れていたという監督。「明治時代や北海道をリアルに描けるかどうかが肝になる」と撮影前の準備に、一般的な邦画より2~3倍の時間を要した。アイヌ民族の職人へ製作を依頼した〝1品もの〟の衣装や工芸が登場する。「マキリ(小刀)の模様の彫り方にも先祖から受け継がれた歴史の深味がある。半年から1年かけて作ってもらい、大事に使いました」。ヒグマが人間を襲う場面はCGの違和感が生じないよう真っ先に取りかかり、仕上げまで最も時間をかけた。「これは『熊の映画』と言い切れるほど」と自信を見せる。

 原作は時代背景などの解説も豊富で、ひとコマの中にさまざまな情報を詰め込んでいる。映画は俳優が生身で表現しなければならず、出演者にまず体幹を鍛えることを依頼したという。「不死身の杉元」の異名を持つタフな主人公を演じた山崎には、専門家の軍事教練も受けさせた。体つきや敬礼、銃の構え方などの所作が説得力をもたらすからだ。「その上で賢人君から『ここ、せりふなしで表現していいですか』と提案されたり、俳優陣と現場で芝居を作っていきました」

 ・・・・・

(渡部淳)

 ◆「アシリパ」の「リ」は小さい字

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/976002/


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世界の言語4割が「消滅危機」 日本は八つ、アイヌ語「極めて深刻」 民族の文化 引きつぐ大切な役割

2024-02-17 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年2月16日 5:00

 ベア先生 クマゾーは普段、日本語を使っているね。そうした「言語」について考えてみよう。2月21日は「国際母語デー」だって知ってた?

 クマゾー 初めて聞いたよ。どんな日なのかな。

 ベア先生 人類が使う、全ての言語を保存、保護することを目的に、1999年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)が制定したんだ。

 クマゾー 母語ってなあに。あまり聞かない言葉だな。

 ベア先生 母語とは、人が生まれて育つ中で、自然と身についた言語のこと。日本にもさまざまなルーツを持つ人がいて独自の言語をほこりを持って伝承している。

 クマリー なぜこの日なの。

 ベア先生 南アジアの国、バングラデシュはかつて、パキスタンの一部だった。1952年2月21日、ダッカという都市(現在のバングラデシュの首都)で、その地域の学生たちがベンガル語を公用語として認めるよう大規模な抗議集会を開いた。そこに警察が発砲し、亡くなった人もいたんだ。

 クマリー ええ! 何があったの。

 ベア先生 1947年、パキスタンがイギリスから独立する際、西パキスタン(現在のパキスタン)と東パキスタン(現在のバングラデシュ)という、千キロ以上もはなれた二つの地域で構成されることになった。西パキスタンにあった政府は、そこで話されていたウルドゥー語を公用語とし、東パキスタンの人にもウルドゥー語を話すように強制したんだ。抗議運動の結果、政府は56年、ベンガル語を公用語として認めた。

 クマゾー 東パキスタンの学生は自分たちの言葉を守るためにたたかったんだね。ちなみに、世界にはどれくらいの数の言語があるの。

 ベア先生 世界の国の数は日本をふくめて196カ国だけど、言語は36倍以上で、7千を超えると言われているよ。

 クマゾー そんなに?

 ベア先生 アメリカに本部を置く少数言語研究団体のSILインターナショナルによると、このうち約40%の3045の言語が、話す人が千人未満に減り、将来なくなってしまうかもしれない「消滅危機言語」なんだ。英語が共通言語として世界中に広がる一方で、今後100年で半数の言語が消滅するという試算もある。

 クマゾー そんな…。日本はどうなのかな。

 ベア先生 日本にも「消滅危機言語」があるよ。ユネスコが発表した「世界の消滅危機言語地図」には、アイヌ語、八重山語、与那国語、八丈語、奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語の八つが挙げられているんだ。中でも、北海道などに残るアイヌ語は「極めて深刻」な状態として指定されている。

 ・・・・・・

(有田麻子)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/975796/


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湧別高校でアイヌ文化学ぶ授業 アイヌの女性を講師に招く(NHK2/16)

2024-02-17 | アイヌ民族関連

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20240216/7000064933.html

アイヌの女性を講師に招き、アイヌのことばや文化などについて学ぶ授業がオホーツク海側の湧別町の高校で行われました。

湧別高校では毎年、北海道の歴史を学ぶ授業を行っていて、その一環で、ことしは初めてアイヌの人を招くことになり、2月16日は2年生31人が出席しました。
講師に招かれたのは日高の平取町二風谷出身のアイヌ、関根摩耶さんで、インターネットなどを通じてアイヌ文化の情報発信に力を入れています。
関根さんは、アイヌでは身近にあるすべてのものに神が宿ると考える文化があることを説明したほか、生徒たちとアイヌ語を使ったじゃんけんをして交流を深めました。
そして進路などをテーマにした時間では、アイヌというルーツを生かしてラジオ出演や執筆などさまざまな仕事をしてきたみずからの経験を語りました。
その上で「自分の可能性は周りの人に決められるものではない。周りに『無理だ』と言われても自分を信じてほしい」と生徒たちを激励していました。
授業を受けた女子生徒は「これからの人生について自分で勝手に限界を決めたりせず、いろいろな選択肢を考えてしっかり生きていきたい」と話していました。


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アイヌやマイノリティに対する「決めつけ」をしてませんか?北原モコットゥナㇱさんが著書『アイヌもやもや』に込めた思い(LEE2.16)

2024-02-17 | アイヌ民族関連

https://lee.hpplus.jp/column/2877833/area02/

武田由紀子

みなさんは「アイヌ」という言葉に、どんな印象を持っていますか。アイヌとは、日本列島の北部、主に北海道の先住民族のことをさします。最近では、漫画『ゴールデンカムイ』に登場したり、北海道の白老町にある民族共生象徴空間『ウポポイ』のニュースを目にするなど、アイヌの認識は広まっているように感じます。とはいえ「自分のまわりにはアイヌの人はいない」「会ったことがない」という人もいるかもしれません。しかし、それは本当でしょうか。

アイヌをはじめとするマイノリティに対する「決めつけ」、固執した考えを改めて考えたくなる本『アイヌもやもや』(303BOOKS)が発売されました。著者である北原モコットゥナㇱ先生に取材をして、ふだん感じている“聞きづらい”こと“モヤモヤ”していること、社会にあるマイノリティとアイヌとの共通点について話を聞きました。ちなみに北原さん自身も東京都杉並区生まれのアイヌで、亡くなったお祖母さんは樺太出身のアイヌです。

無関心であることの暴力性、残る“もやもや”の正体

本を拝読して、うっかり自分も「思い込み」「決めつけ」による発言をしてしまっているのでは…と不安になりました。質問についても、思い込み前提の質問になってしまうのでは、と心配ではあります。

北原:私は説明するのが仕事なので、なんでも聞いてもらって大丈夫です。分からないのは当然ですから、ゼロから知りたいですと言ってくださる方が楽ですね。想像で作り上げたアイヌの姿を前提に話をなさる方だと、私も答えにくくてギクシャクすることがあります。

ありがとうございます。最近では『ゴールデンカムイ』も映画化されたりと、アイヌへの認識が少しずつ定着しているように感じます。北原先生は今北海道大学(北大)で教鞭を取られていますが、生徒たち、また世の中の様子からどのように受け取っていますか。

北原:『ゴールデンカムイ』でアイヌを知り、私の授業を取りにきたという生徒は増えました。それと並行して、JR北海道の車内放送でアイヌ語での挨拶を流したりもしていて、大学に来る前から自然と触れていたという人もいました。アイヌの認知度の底上げは大分されてきたのかなと感じています。『ゴールデンカムイ』の影響で一番大きいのは、アイヌに対して、まずは好意的に見るという人が多くなったことですね。

北原:もとは私の指導教官である中川裕先生がアイヌ語監修を担当していたのですが、中川先生が札幌で講演をされる時に、『ゴールデンカムイ』を連載していた『週刊ヤングジャンプ』の編集長と担当編集の方が北大にいらっしゃったんです。その時に、漫画を読んで気になったところを伝えてみたところ、「もっと詳しく教えてほしい」「コミックス化の時にできるところは修正しよう」となり、気付いたところがあれば情報を提供するということで続いています。また、私は樺太のアイヌ文化が専門なので、樺太編の箇所は事前に確認をしています。

アイヌなどマイノリティの認識について考える時、“無関心であることも、相手に傷を負わせる”ということにも気付かされました。「アイヌはまわりにいない」「アイヌの会ったことがない」という思い込み、こういった無意識に発言したことが相手を軽視したり敵意を示すことが“マイクロアグレッション”に繋がるということにも気付かされました。本の中では、北原さんの体験談、まわりの人たちの声も書かれていました。

北原:本を作るにあたり実際に50人くらいの方に話を聞いたのですが、近い間柄でもこういう機会でないと深い話はそうそう聞けないんですよね。20年以上前から知っていた人でも「そんなふうに感じていたんだ」「そんな経験があったんだ」と初めて聞かされて。たとえば、ハラスメントを受けていたり差別を受けている時は、渦中にいてもそれを直視しにくい。自分で考えないように予防線を張ったり、「これは差別じゃない」とやり過ごしたり。後で振り返ってから「あれは何だったんだろう」とモヤモヤした気持ちだけが残る。そういうとき、ハラスメントを乗り越えた人の体験を見ると「自分の経験も本当は差別なんじゃないか」「我慢しなくて良かったんじゃないか」と気付かされる。この本が、そのきっかけになればいいと思います。

被害者を守る第三者“アクティブ・バイスタンダー”になるための“5つのD”

差別やハラスメントを前にした時、私たちはどんな行動を取るべきかについて考えた時、“アクティブ・バイスタンダー”は、今の時代を生きる私たち、特に女性たちは知っておかなくてはならないことだと思いました。

“アクティブ・バイスタンダー”になるための“5つのD”

  • Distract (注意をそらす)————知人のふりや、関係のない話をするなど、加害者の注意をそらすことで被害を防ぐ。
  • Delegate(第三者に助けを求める)————教員や店舗の責任者、駅員など別の人に助けを求める。         
  • Direct(直接介入する)————加害者に注意する。加害者の敵意が向く場合もあるので、被害者と介入者の安全が確保されていることが大切。     
  • Document(証拠を残す)————日時や場所を特定できるよう、映像などを撮影する。安全な距離を保ち、撮影中も被害者から目を離さないこと、撮影したものをどうしたいか被害者に確認をとることが大切。          
  • Delay(後で対応する)————その場にいなかったときや行動を起こせなかった場合でも、被害者に声をかけ、何かサポートできる方法があるか尋ねるなど、事後に行動する。

“アクティブ・バイスタンダー”になるとは、積極的に被害を防いだり、被害者に寄り添ったりする第三者になるということです。この言葉は、大学からセクシャルハラスメント・性暴力をなくそうと活動する団代『Safe  Campus』を通じて知ったのですが、差別や暴力が起こる時、そばで傍観している人は消極的ではあってもそれを許しているという意味で共犯者になってしまう。でも、とっさに何かできるかと言えば、行動できないことも多い。そのために具体的に行動が取れるように示されたのが“5つのD”です。私が目にしたのは性被害の対策から生じてきた動きですが、これはアイヌをはじめとする他のマイノリティにも共通して役立てられるものだと思います。

ジェンダー総合研究所の方に学内の教職員向けに研修を開いてもらった時に言われたのは、とっさに動くことは簡単ではないので、普段から心がけていることの大切さです。たとえば、電車の中で起こる痴漢・スリなどは駅に着く直前に起こることが多い。そのためにまず電車に乗ったら、車両番号とSOSボタンの場所がどこかを確認する。そして乗っている電車が何時何分なのか覚えておく。被害を記録するときにも、そうした注意・意識の積み重ねによって精度が上がり、より適切な対処ができるということですね。

北原:よく議員が失言して報道されますよね。党内でも『失言予防ガイドブック』みたいなものがあると聞いていますが、そこには“ジョークには要注意”といったこと書いてあるらしいです。笑いを取ろうとすると、思わぬ形で偏見がでてしまうからやめなさい、と。私くらいの世代までは、笑いって誰かを落とすことが多かったんですよね。それはやはりやめた方がいいんだと思います。学生からも「失言を気にして何も言えなくなってしまう」と言われますが、まずは言う前に「言っていいことなのか」「言った方がいいことなのか」考えるべきなんだと思います。不必要であるとか誰かが不快な思いをするなら、やめた方がいい。誰かを落として盛り上がるよりも、それならシーンとお通夜みたいな会話でもいいのかなと思います。

マイノリティが特別だから名前がつくわけではない、マジョリティは望まない名前を否定できる力がある

自分がマジョリティ(多数派・多数者)であることで、マイノリティ(少数派・少数者)の存在に気づきにくいということはあると思います。マジョリティには名前がない、マジョリティは自分が所属する属性に気づきにくい、マジョリティの前では扉は開いている。逆を言えば、マイノリティには名前が付けられ属性を意識させられ、日常でも制約や制限を受ける、ということにも改めて気付かされます。

北原:以前は「ろう者(聴覚障害者)」「同性愛者」といった呼び名があっても、マジョリティ側には名前がありませんでしたが、最近は「聴者」「異性愛者」という言葉を使うことも増えました。それによって「ふつう」といったあいまいさが無くなり、立場がはっきり見えて、どちらかが特殊ということも無くなり平等になります。

民族性も同じで、「日本人」という言葉には、国籍と民族性の2つの意味があります。2つが同じだと思っている人は多いと思います。国籍は同じ日本でも、民族性を見た時に、大多数が「和人」「和民族」となり、北海道を中心にいるのが「アイヌ」になる。こう整理するとわかりやすいですが「和人」などの呼び名を拒絶する人もしばしばいます。マイノリティが特別だから名前がつくわけではなく、マジョリティには望まない名前を否定できるパワーがある。それにも気づいて欲しいと思います。

北原:以前『(財)アイヌ民族博物館』で仕事をしていた時、町内の教員に向けてアイヌ史・アイヌ文化の研修をする機会がありました。それは先生方の知識を更新して小学校3、4年生に向けて、アイヌについて教える授業をする準備でもあったんですね。その時に学校の校長や教頭が言うのは、アイヌの保護者から学校に電話がかかってきて「あまりアイヌについて教えるな」「触れないでくれ」「何かあったらどうするんだ」と言われるんだという。だからアイヌについてはあまり扱えないというのですよ。しかし、教育者として、子どもが自分の歴史を知らない・明かせないという状況を放置する姿勢でいいのだろうかと思います。これは「いじめに介入するといじめが激化するから放置する」といっているようなもので、こういう時には学校側が差別を許さない姿勢を示すことで対処しなければなりません。アメリカやヨーロッパでは、“カラー・ブラインドネス”(肌の色や人種で人を分けない)という考え方がありますが、それは肌の色を見ないことにして、違いはないとすれば人種差別がなくなるという考え方です。これは一方で、多様な体質や経験を無視し、現実の差別の問題に向き合っていないということでもあります。性差の違いがあるのにないものとしたり、マイノリティについて触れないようにするのが一番だ、と考えたり。すると、当人は自分を偽り続けるし、我慢し続ける。結果として現状がそのまま維持される。そんな社会でいいのでしょうか、ということです。

どんなに周りが隠したり教えなかったりしても、自分のルーツはいつか知りたいと思うだろうし、大事にしたいと思うようになるのではないかと思います。

北原:自分がどこに立っているのか、つまり自分のルーツがどこにあるのか。そこが空白になると不安になります。ホロコースト(ナチスドイツによるユダヤ人の大量虐殺)の研究では、生き残ったユダヤ人が長くトラウマに苦しんだという研究があります。生きる価値がないと言われ、過酷な体験をしすぎて振り返れない。自分の出自について否定的な感情を持ってしまう。その後も、戦中の出来事やルーツに家庭では触れられなくなってしまう。そうすることで、その家庭で育った子も「ここは触れちゃいけないんだ」と気づき、いびつな状況になってしまう。アイヌについても同様で、家庭の中では話題にできない雰囲気があり、歳をとってから「自分がアイヌだ」とやっと確かめられたという人もいます。環境や状況の変化のおかげで話題に出しやすくはなりますよね。

アイヌの木彫りや刺繍を講習会で指導される方の中には、説明がお上手ですごく立派な技術を持ってらっしゃる方がいる。だけど、それを家庭内で身につけてきたかといえばそうではなく、子育てがひと段落してからやり始め、技術を上げてきました。もともと否定していた自分を認めて、自信を回復させていくことにつながる。けれども、イベントを訪れる公衆には自分の属性を明かせても、身近な人には打ち明けられない。これもよくあることだと思います。

当事者の苦楽を共にし、受け入れる。社会が変化する力になる

北原先生はアイヌの研究をする際に、異なるマイノリティとして、BL(ボーイズラブ)研究やフェミニズムの考え方から学んだそうですね。

北原:BLの研究はとても面白くて、90年代にBL論争(やおい論争)というのがあり、当時は女性同士の同人誌的なもので男性同士の恋愛を描いており、当事者男性不在のままで楽しまれていた。時代を経るごとに、男性の同性愛が幸福なイメージで描かれるようになり、そのことで“救われた”という当事者の声もありましたが、一方でネタとして消費されている感もあり批判的な意見も出されました。しかし、作家やファンの方が批判に真摯に対応して少しずつ変化が起きます。当初漫画の中で抜け落ちていた、ホモフォビアによる葛藤や不安、障壁やハードルについても描くようになり、それによって読者も、当事者のハッピーなだけではない部分を、間接的な体験として受け入れるようになる。それが社会を変えていく力になる。そして当事者も克服していく。そうした力を持った作品は進化系BLとも言われています。それにアイヌの文化を重ねてしまうんですよね。

否定的な声や感情も取り込みながら変化・成長をする。素晴らしいですね。

北原:アライ(LGBTQなどの性的マイノリティを理解し支援する人)という言葉は、例えば「理解者」と訳されますが、これを「苦楽をともにする人」と説明する方がいて、私はこれがいいなと思っています。ネガティブなもの、傷ついた部分は、ファンからすると気が重くなる話かも知れないけど、いいとこ取りしただけでは、理解したことにはならないんじゃないかということですね。アイヌについても同じで、苦楽に向き合いながら変化していくことが大事なのではと思います。

今後は、どんなふうに考えが深まっていけばいいと思いますか。

北原:フェミニズムの研究からも言えることですが、男女に圧倒的な格差が作られているにも関わらず、格差がないように、それが当然のように社会が進んでいる。そこに不均衡があるということをどうやって明かしてきたか、ということがとても参考になるんですよね。アイヌに置き換えてみると、民族的なギャップや不均衡、不正義に自ら気づき、明かしていく。女性の性被害、ジェンダー不平等の話とすごく近いところに他のマイノリティがあるし、女性でもセクシュアルマイノリティでもアイヌでも障害者でもある人だっている。ですから他のマイノリティについて書かれたことを学んでも同じように役に立つんですよね。非アイヌである人も、そういう目線から当事者としてつながるとより分かりやすくなるのではないかと思います

『アイヌもやもや  見えない化されている「わたしたち」と、そこにふれてはいけない気がしてしまう「わたしたち」の。』(303BOOKS)

著:北原モコットゥナシ、漫画:田房永子/1,760円(税込)


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先住民が樟脳製造に用いた鉄鍋、台湾の博物館が半年かけ修復(フォーカス台湾2/16)

2024-02-17 | 先住民族関連

https://japan.focustaiwan.tw/culture/202402160008

樟脳製造に用いた鉄鍋「脳鼎」の修復を手掛ける張志鵬さん(新北市原住民族行政局提供)

(新北中央社)台湾原住民(先住民)族タイヤル族に関する文物を収蔵・展示する北部・新北市の烏来タイヤル民族博物館が、かつて樟脳製造に用いられた鉄製の鍋「脳鼎」を約半年かけて修復した。台湾で最も豊かとされる烏来地区の樟脳油産業史を見届けた貴重な一品だとしている。

新北市政府原住民族行政局のシク・ヤワイ局長によると、同館には300点近くの文物を収蔵しているが、歳月を経て一部で劣化の危機に見舞われているという。同館では修復作業を進めており、昨年には脳鼎を含む10点の修復を終えた。

烏来ではかつて樟脳油の製造が盛んだった。同館によれば、脳鼎は地元に暮らした故・高茂源さんが所有していた。表面に突起物が付いているが、樟脳が脳鼎の鉄分と反応してできたものだという。

修復を手掛けた張志鵬さんは、表面の残留物が強酸性で、中和しなければ脳鼎が分解されてしまう恐れがあったと振り返る。特殊な材料を塗布して腐食を遅らせるようにしたと語った。

また昨年は高さんの母親、高蔡市さんが所有していた聴診器も修復された。市さんは日本統治時代に正式な教育を受けた助産師の1期生とされる。同館によると、ゴムやプラスチックが劣化したり、酸化したりしていたが、本来の機能を取り戻すことに成功したという。

(黄旭昇/編集:齊藤啓介)


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北欧の教育最前線】サーメ語教育で言語継承と雇用創出(教育新聞2-16)

2024-02-17 | 先住民族関連

https://www.kyobun.co.jp/article/2024021606

【シリーズ】北欧の教育最前線

長谷川 紀子

愛知工業大学非常勤講師。専門は教育人類学、比較教育学

 2月6日は「サーメの日」だった。サーメは、トナカイ遊牧の民として知られる北欧の先住民族である。今年も、1917年の同日に行われた初のサーメ集会を記念して、各地でサーメの旗が掲げられ、さまざまな催しが開かれた。

サーメのためのナショナル・カリキュラム

 サーメが暮らす地域は現在、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、そしてロシアの一部である。サーメには、侵略や同化政策によって自らの言語や文化、アイデンティティーを失ってきた歴史がある。しかし、第二次世界大戦後の復興とともに、サーメに対する権利保障や教育制度が進められてきた。

 特に、ノルウェーではサーメのための教育制度が整備されている。サーメの生徒のための「サーメ・ナショナル・カリキュラム」では、国のカリキュラムと同レベルの教育水準に加え、サーメ語やサーメ文化が各科目に盛り込まれている。このカリキュラムで教育を受けてきた若者たちが、サーメ・アイデンティティーを表明し、サーメ語を第一言語として活躍する地域が生まれつつある。

スノーサ村の南サーメ語教育

ノルウェー語と南サーメ語で表記された役場=撮影:長谷川紀子

 ノルウェー中央部に位置するスノーサは、人口が2000人ほどの小さな村である。もともとサーメが多く居住しており、南サーメ語を保護する特別な言語行政地区に指定されている。そのため、道路標識や看板、自治体が発行しているパンフレットなどには、全てノルウェー語と南サーメ語が併記されている。村のスーパーでも南サーメ語で書かれた陳列棚が見られた。

 スノーサには、公立のサーメ学校がある。そこでは「サーメ・ナショナル・カリキュラム」を基に、南サーメ語の教育が行われている。また、最近では幼稚園でも南サーメ語を学べる環境が整ってきた。

 現在21歳になるヨンマは、幼稚園に南サーメ語教育が導入された最初の学年の生徒だ。そのため、幼稚園から高校まで継続して南サーメ語や文化の授業を受けることができた。南サーメ語学習アプリを活用して、常にスキルアップもしてきた。彼女はその語学力を認められ、高校卒業後、ノルウェーの国営テレビ放送(NRK)の南サーメ局に就職が決まった。彼女は「私の第一言語は南サーメ語です!」と誇らしげに語る。

子供に影響を受ける大人たち

 実は、幼稚園や学校で南サーメ語を学習し、流暢に話す子供たちを見て、その親世代が南サーメ語を学び始めている。言語継承の逆流現象と言える。

 40代半ばのアンナ・リーサさんもその一人だ。彼女は、自治体が提供する成人対象の南サーメ語コースで学んでいる。理由を尋ねると、2人の娘たちが、自分を通り越して祖母(アンナさんの母親)と南サーメ語で会話をしているのを見てうらやましくなったからだと言う。

 アンナさん自身も子供の頃サーメ学校に通っていたが、当時は今のように充実した授業がなかったそうだ。そのため、彼女は南サーメ語を理解はできるが、流ちょうには話せない。娘たちのように流ちょうに話せるようになりたい、彼女たちと南サーメ語で会話できるようになりたいと思ったことが、コース受講の大きな動機だそうだ。彼女のような動機で南サーメ語を学び始めている親たちが、最近は少なくないという。

言語習得が雇用につながる

 南サーメ語学習者の動機には、言語継承という意味合いに加えて、就職のためという実利的な面もある。

 スノーサの役場に設置されている言語教育センターのヴィーク理事長は、南サーメ語が必要な職場について次のように話してくれた。

 「まずは、学校(小学校から大学まで)や幼稚園の教師。南サーメ語を話せる教師がまだまだ足りない。また、さまざまなサーメ組合団体、スノーサにあるサーメ複合文化センター、インターネットやメディアの会社にも南サーメ語話者の雇用の場が広がっている。役場も、南サーメ語の通訳や翻訳者を必要としている」

 また、病院や老人ホームでも、南サーメ語が必要になるという。高齢者の中には認知症が進むと、子供の時に使っていた南サーメ語しか話さなくなってしまうケースがあるからだそうだ。

 同センターでは、国による評価・認定制度を導入しており、コースを修了すると南サーメ語の資格が得られる。就職の斡旋も行っている。ヴィーク理事長によると、最近では、語学力に加えて、ジャーナリズム、グラフィックデザイン、インターネット技術、企画力などの技能のある人材が必要とされているという。現に、南サーメ語に堪能な若い南サーメの人たちが、自治体内のさまざまなクリエーティブ部門で活躍しているそうだ。

 南サーメ語や文化に精通した若者に新しい雇用の場を提供しようと取り組んでいるスノーサ自治体と、南サーメ語に加えて、専門分野に特化したキャリアを持つ新しいタイプの“スーパー・サーメ”とも言えるような若者たちが、地域社会の活性化とサーメ語・文化の維持発展に相乗効果を起こしている。


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メーガン妃&ヘンリー王子がカナダを訪問!滞在中のベストショット集

2024-02-17 | 先住民族関連

ヘンリー王子はスケルトン競技の才能も発揮!? 新ウェブサイト立ち上げが物議を醸すなか、終始笑顔を絶やさなかった夫妻を写真でレポート

BAZAAR 2024/02/16

BY EMILY BURACK

AND MASAYO FUKAYA

カナダを訪問しているヘンリー王子とメーガン妃。夫妻はバレンタインデーをウィスラー山で過ごし、3日間のブリティッシュコロンビア州訪問をスタートした。

ヘンリー王子が立ち上げた「インビクタス・ゲーム」(負傷・退役軍人の国際スポーツ大会)の2025年大会の開催まであと1年になったことを記念し、夫妻は開催地となるバンクーバーとウィスラーを訪問。同大会は初の冬季開催となるため、参加チームがウィンター・アダプテッド・スポーツ(1人ひとりの身体の状態に適応させたスポーツ)を体験するためのトレーニングキャンプを実施している。

ヘンリー王子は声明の中で、「インビクタス・ゲーム バンクーバー ウィスラー2025は、ウィンター・アダプテッドスポーツの範囲と知名度を拡大するための世界的なプラットフォームを提供します」「カナダでの大会は、先住民族コミュニティとの真実と和解の精神に基づき、深い敬意とともに、ファースト・ネーション(イヌイットもしくはメティを除くカナダの先住民族)と協力して開催されます」と述べている。

夫妻は、今回の訪問ですでに先住民族コミュニティと交流。カナダ訪問初日にスカーミッシュ・リルワット文化センターで開かれたレセプションに出席した。

以下では、メーガン妃とヘンリー王子のカナダ訪問時のベストショットをお届け。

From TOWN&COUNTRY

2024年2月14日

ウィスラー山で実施されているウィンタートレーニングキャンプを見学するために、ゴンドラを降りたサセックス夫妻。満面の笑みを浮かべていた。

メーガン妃は寒い日でも、ニュートラルカラーでリラックスした雰囲気に。ダウンコートはカルバン・クライン、白いデニムはフレーム(Frame)のもの。さらにバーバリーのニット帽を合わせていた。

同日の夕方、夫妻はユースアンバサダーのチーフ・ネルソンとウィルソン・ウィリアムズとともに、スカーミッシュ・リルワット文化センターを見学した。

インビクタスによると、この大会は「Lil̓wat7úl(リルワット族)、xʷməθkʷəy̓əm(マスキーム族)、Sḵwx̱wú7mesh(スカーミッシュ族)、səlilwətaɬ(トレイル・ワウトゥス族)の伝統的な領土」で開催され、「各先住民族と関わりを持ち、カナダの“真実と和解の行動要請”に取り組み、大会のあらゆる側面で先住民族の慣習を尊重する」と発表している。

ウィスラーでの初日が、これで無事に終了した。

2024年2月15日

2日目となるこの日も、笑顔を浮かべながら姿を現した夫妻。メーガン妃は、ネイビーでまとめたシックな雪山コーデを披露。エルメスのダウンジャケットに、アリツィアのニット帽を合わせていた。

https://www.harpersbazaar.com/jp/celebrity/celebrity-buzz/g46809271/meghanmarkle-princeharry-whistler-vancouver-240216-hns/


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CNN「Culinary Journeys(世界食紀行)」、北海道の食の秘密を探る

2024-02-17 | アイヌ民族関連

CNET Japan 2024年02月16日 15時00分 

From JCN Newswire

TOKYO, Feb 16, 2024 - ( JCN Newswire ) - 北海道は日本最北端の地であり、日本で最も寒い地域です。今月のCNN「Culinary Journeys(世界食紀行)」では、この海岸沿いの冬の楽園を、同地域のトップシェフの1人とともに旅し、厳しい寒さがどのようにご馳走をより甘美なものにしているかを探ります。
CNNは、北海道出身でミシュランの星付きレストランのオーナーシェフであり、「森を料理する」という革新的な料理のコンセプトで知られる高尾僚将シェフに同行します。今回のエピソードでは、高尾シェフが北海道を巡りながら、この地の独特な食文化の秘密を解き明かしていきます。高尾シェフは、先住民族であるアイヌから伝わる、あまり知られていない調理法や食材を自らのメニューに取り入れています。CNNは、この49歳のシェフが札幌周辺の森に入り食材を採取する様子に密着します。高尾シェフの自宅のラボでは、今後の調理のために食材の乾燥、発酵、蒸留を行います。CNNはまた、高尾シェフのテーブルウェアを提供する御坂町の木工職人にも取材します。彼の職人技は、地元の木材の独特の節や木目を最大限に生かし、冬が木に及ぼす影響を引き立てます。
次に、高尾シェフお気に入りのワイナリーの1つ、ドメーヌ タカヒコを訪ねます。ここのピノ・ノワールは、伝統的なレストラン「Noma」で初めて提供された日本ワインであり、北海道が世界的なワイン生産の中心地となる可能性を証明しています。CNNは、冬の雪に埋もれた根菜の味を引き立てるために農家で使われるユニークな「越冬」技術についても探ります。また、高尾シェフと自然派美容ブランド「Shiro」とのコラボレーションについても取材し、廃棄されることの多い地元の植物から美味しい料理や美容製品を作る計画についても話を伺います。
最後に、CNNは高尾シェフとともに活気あふれる札幌の卸売市場を訪れ、競りを見学し、毛ガニからマグロ、ホタテまで、この季節に出回る食材を探ります。厳寒の海では、海洋生物が栄養分を蓄え、魚介類が一年で最も高品質となることを取り上げます。さらに、高尾シェフは、自身が北海道の陸と同じように海を深く知るために、苫小牧港に向かい、地元の漁業協同組合を訪れ、漁師たちがホッキ貝を港に運び、その日の最高の漁獲物を水揚げして港で直売する様子を見学します。そして港のカフェで、この苫小牧の特産品が漁師たちのソウルフードであるホッキカレーになるまでを見届けます。そして、今回のエピソードは、高尾シェフの厨房で締めくくられます。彼はここで、北海道の冬の味覚の粋を集めたユニークな一皿を創り、北海道テロワールを祝う、料理のシンフォニーを奏でます。
「Culinary Journeys: Hokkaido」予告編: リンク
「Culinary Journeys: Hokkaido」画像: リンク
「Culinary Journeys」マイクロサイト: リンク
30分間の特別番組 放送時間:
2月17日(土)午後2時30分(日本時間)
2月18日(日)午前11時、午後8時(日本時間)
CNNインターナショナルについて
CNNはテレビ・オンライン・モバイルなど様々なデバイスを介し、世界7カ国語、4億7,500万以上の世帯にニュース、情報サービスを提供しています。CNNインターナショナルは、ヨーロッパ・中東・アフリカ・アジア太平洋・中南米における主要メディアの視聴調査で国際テレビニュースチャンネルとしてNo.1の評価を得ており、アメリカ国内でもCNNgo(OTT:オーバーザトップ)を含め、高いプレゼンスを有しています。CNNデジタルはオンライン、モバイル、ソーシャルメディアで様々なニュースを配信しています。CNNは、デジタル・イノベーションの最先端企業として、視聴者の膨大な視聴行動データを保有し、デジタル・プロパティや、戦略的なコンテンツ・パートナーシップなどにも多大な投資を続け、報道分野においては世界中で様々な栄誉ある賞を受賞しています。加えて、CNNインターナショナルの報道番組以外の部門では、毎年1,000時間を超える長時間番組シリーズ、ドキュメンタリー、特別番組を制作しています。CNNは世界に36の編集部を持ち、CNN Newsourceを通じて1,100以上の系列局と提携しています。CNNインターナショナルはワーナーブラザース・ディスカバリーの事業部の1つです。
日本におけるチャンネル名であるCNNjは、CNNの長年に渡るパートナーである株式会社日本ケーブルテレビジョン(JCTV)により、全国655万以上の世帯、ホテル、官公庁や法人などに配信されています。
CNNjの視聴に関するお問い合わせ
CNNj視聴者センター 03-3568-8240(平日10:00-18:00)
または、ウェブサイト リンク まで。
お問い合わせ先:
Tracy Yiu
Email: Tracy.yiu@cnn.com

関連情報

https://www.jcnnewswire.com/pressrelease/89003/3/

本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。

お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

https://japan.cnet.com/release/30944336/


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札幌国際芸術祭 2024

2024-02-17 | アイヌ民族関連

デザイン情報サイト[JDN]2024/2/16 10:45

北海道の札幌市内6会場を中心に、「札幌国際芸術祭 2024」が2024年2月25日まで開催しています。

―以下、公式サイトの紹介文を抜粋―

札幌国際芸術祭は、3年に一度、札幌で世界の最新アート作品に出合える特別なアートイベントです。Sapporo International Art Festivalの頭文字をとって「SIAF(サイアフ)」と呼んでいます。2014年にスタートし、SIAF2020の中止を経て、2024年1月、6年半振りに開幕します。

札幌国際芸術祭2024のテーマは「LAST SNOW」です。2020年以降の世界的なパンデミック、分断、紛争、戦争など、私たちは、絶え間ない危機の中で生きています。加速するテクノロジーの発展と、それによって急速に変容する社会。そして、地球規模の気候変動の影響は、私たちの生活をゆっくりと、しかし確実に変化させています。札幌では当たり前のように存在しているはずの「雪」の意味や、雪が作り出す風景も、21世紀末には現在とは異なるものになると予測されています。

この芸術祭では、そのような未来の地球、社会、コミュニティー、生活のための変革と創造に焦点を当てます。

雪とは何か。100年後の札幌はどのように変化しているのか。そして、アートと科学技術の混合は、どのような未来像を描くことができるのか。これからの地球と共生するために、どんな新しい考え方、教育、イノベーション、システム、アクションが必要なのか。未来の地球で、私たちはどのようなコミュニティーを作り、そこに住む未来の「人類」とはどのようなものなのか。

「LAST SNOW」は、このような未来に向けた創造と行動を呼びかけるものです。私たちは、ただ未来がやってくるのを待ち、それを受け入れるだけなのか。それとも、これをラストチャンスととらえ、未来に向けて何かを始めることができるのか。

副題は「はじまりの雪」です。また、この芸術祭では、北の大地で独自の文化を築いてきたアイヌの言葉でも副題をつけています。雪を意味する「ウパㇱ」を語源に考えられた「ウパㇱテ」には「雪とともに未来に向けて走り出してみる、雪を通して互いに気づきあってみる」という今回のテーマに相応しいイメージを重ねています。

2024年、札幌国際芸術祭は、アートを通し、未来への問いと行動にあふれた「実験区」を札幌につくり、みなさんと一緒に「はじまりの雪」を体験したいと考えています。

※札幌芸術の森美術館の会期は2023年12月16日(土)~2024年3月3日(日)

開催期間

2024/01/20(土)~2024/02/25(日)

時間

コンテンツによって異なります。詳細は公式サイトをご覧ください。

休館日

コンテンツによって異なります。詳細は公式サイトをご覧ください。

入場料

パスポート(会期中):一般2,700円/市民・道民2,000円/学生(高校生以上)1,200円/中学生以下無料

参加アーティスト

あべ弘士、エイミー・カール、青木美歌、チェ・ウラム、エネス、フジ森、ジョヴァンニ・ベッティ+カタリーナ・フレック、後藤映則、長谷川愛、平川紀道、平野禎邦、h.o、石原航 他

会場

• 未来劇場(東1丁目劇場施設)、北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館 他

お問い合わせ

011-211-2314

詳細URL

https://2024.siaf.jp/

https://www.japandesign.ne.jp/event/siaf-2024/


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「元寇の勝因は神風ではなかった」「江戸時代の外交は出島だけではなかった」大人が知らない日本史の新常識【鎌倉時代~江戸時代】(SmartFLASH 2/17)

2024-02-17 | アイヌ民族関連

https://www.msn.com/ja-jp/news/politics/原告側の控訴棄却-集団的自衛権を認めた安保法制をめぐり-札幌高裁/ar-BB1inaXk鎌倉幕府成立、1192年じゃない?

受験シーズンの2月が到来。現代の受験生が解く日本史の内容は、大人世代の知っているものとは大きく異なっている。専門家に、「教科書から消えた」日本史の常識を解説してもらった。

<鎌倉>鎌倉幕府の誕生は「1192年」ではない。最有力は「1185年」

鎌倉幕府の成立が「イイクニ」のゴロでお馴染みの、1192年ではなくなった。

「何を基準に武家政権が成立したと考えるか、という研究者の解釈の違いが理由です。幕府の成立については1180年から1192年まで、現状、7つほどの説があります。いまは教科書に『はっきりこの年』とは記載していませんが、朝廷が源頼朝に守護・地頭職の設置を許可した1185年が最有力とされています。1192年は頼朝が征夷大将軍に任ぜられましたが、これが幕府成立の決定打になるのか、研究者の間でも解釈が揺れています」(放送大学講師で、考古学者の山岸良二氏)

<鎌倉>『徒然草』の作者は「吉田兼好」ではなく「兼好法師」

日本中世史を専門とする歴史学者・濱田浩一郎氏は、こう解説する。

「鎌倉時代末期の随筆集『徒然草』の作者は、鎌倉時代後期、南北朝時代の歌人です。かねて教科書に載っていた『吉田兼好』という作者名ですが、彼自身がこう名乗ったことはありません。彼の子孫がのちに『吉田』を名乗ったため、この名前が定着してしまいました。彼自身は卜部(うらべ)氏の息子。また、出家した後は『兼好』を法名としました。そのため現在は、『兼好法師』と記載されることが多く、『卜部兼好』と表記されることもあります」

<鎌倉>元寇の勝因は“神風”――台風ではなかった。勝因は元軍の「不協和音」と「幕府の武力」

元軍による2回の襲来を退けたのは“神風”だった――そんな通説が変化していると解説するのは、南北朝時代と室町時代の研究者で、国立台湾大学助理教授の亀田俊和氏。

「1回めは11月で、台風=神風は季節的に吹かなかったという説もあります。2回めの襲来時の勝因は、防壁を造って、元軍の上陸を防いだ鎌倉幕府の軍事力だとされています。また、元軍の主力は征服されたばかりの高麗人や南宋人で、敵方の戦意は低かったといわれています」

<室町>足利尊氏の肖像画「騎馬武者像」は偽物だった

かつては「足利尊氏」の肖像として教科書に載っていた「騎馬武者像」。しかし、現在では「南北朝の争乱のころの武士の像」などと表記されている。

「戦前から、この『騎馬武者像』には疑問が持たれていました。尊氏の愛馬は絵のような黒毛ではなく、尊氏ほどの武将がこのような乱れた姿を描かせるとも思えません。さらに肖像の上に、尊氏の息子・足利義詮(よしあきら)のサインがあります。通常、格下の者のサインが肖像の上にあることはあり得ません。こうした理由から、『騎馬武者像』が尊氏の肖像ではないことは解明されています。馬具などに描かれた家紋は、足利家に仕えた高氏(こうし)のものであり、現在は、尊氏の側近、高師直(こうのもろなお)か、その息子・師詮(もろあきら)という2説が有力になっています」(濱田氏)

<戦国時代>戦国時代のスタートは、「応仁の乱」ではなく「享徳の乱」

戦国の幕開けとされてきた「応仁の乱」だが、それ以前に戦いの火ぶたが切られていたことがわかっている。「応仁の乱の約10年前、関東地方一円で起こった『享徳(きょうとく)の乱』が、戦国の幕開けというのが最新の説。室町幕府と組んだ関東管領の上杉家が、鎌倉公方の足利成氏と28年にわたり戦いました。応仁の乱は、いわば『戦国時代の第二ラウンド』です」(放送大学講師で考古学者の山岸良二氏)

<戦国時代>織田信長が掲げた「天下布武」は「室町幕府の再興」のスローガンだった

「『天下布武』とは、これまで『天下統一』のスローガンだと思われてきましたが、『天下』とは『日本全国』ではなく『近畿・畿内』。つまり、室町幕府があった京の都を指していたというのがわかってきました。とすると『天下布武』は、当時、影響力を失いつつあった室町幕府の再興を目指す保守的なスローガンだったのです。ほかにも、たとえば楽市楽座というのは信長の政策だといわれていますが、別の大名を模倣したというのがわかっており、信長は『従来の秩序を壊す風雲児』から『保守的な武将』という評価に変わりつつあります」(亀田氏)

<江戸>キリシタン発見の手法は「踏絵」ではなく「絵踏」

江戸時代におこなわれた、キリスト教徒の取り締まりのために、キリストやマリアの絵が彫られた板を踏ませる行為。いまは「絵踏」と表記されている。「これはたんに、“踏ませるもの”と“踏ませる行為”の違いを明確にしたものです。以前、教科書でよく見た、踏まれ続けてつるつるになった金属板が、今は『踏絵』と表記されています」(濱田氏)

<江戸>「出島」以外にも「対馬」「松前」「薩摩」などで貿易をおこなっていた

「現在の学習指導要領から『鎖国』が消えています。そこまで厳しい外交制限をしていなかったことがわかってきたからです。江戸時代の外交には、“朝鮮への窓・対馬”、“琉球への窓・薩摩”、“アイヌ民族への窓・松前”と、旧来は唯一の窓とされてきた “中国とオランダへの窓・出島(長崎)” の『4つの窓』があったというのが現在の常識です」(濱田氏)

<江戸>士農工商ほど厳しい身分の区別はなかった

「江戸時代の身分制度として、この表記が適切ではないとされています。武士が支配階級だったのは間違いないのですが、それ以外の“農・工・商”には上下関係はなかったと現在は考えられています。また、土方歳三のように農民から武士になる、農家が街へ出て商業を始めるなど、“身分の横断”もある程度、頻繁におこなわれていたと考えられています」(濱田氏)


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