建設通信新聞 2020-06-24
読書 おすすめの一冊・北海道建設業協会労務部長 井之口淳治
アイヌの人たちは日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族です。本書は、口承文芸である「ユカ 」や飼育したクマを神の国へ送る「イオマンテ」など、自然と共生しながら築いてきた彼らの独自の生活文化について解説するものですが、狩猟採集の民と一般的に思われていたアイヌの人たちが、海路を通じて多くの人々と交わる交易の民であったことも本書を通じてわかります。
また、後半では、彼らを育んできた大地・北海道の歴史について解説していますが、縄文時代の後は続縄文時代となり弥生時代がないなど、北海道は本州とは異なる独自の歴史をアイヌの人たちとともに歩んできたこともわかります。
各地の博物館等に所蔵されている文化財の写真もビジュアルに取り入れ、日本列島の持つ多様性と可能性に思いを巡らすことができる本です。巻末には、アイヌ文化を学べる博物館として、北海道白老町の「ウポポイ(民族共生象徴空間)」も取り上げられています。新型コロナウイルスの影響で開業は遅れていますが、この本をきっかけに、アイヌ文化を身近に感じ楽しい体験もできる「ウポポイ」にも足を運んで頂ければと思います。
(宝島社新書 1200円+税)
https://www.kensetsunews.com/archives/465472
読書 おすすめの一冊・北海道建設業協会労務部長 井之口淳治
アイヌの人たちは日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族です。本書は、口承文芸である「ユカ 」や飼育したクマを神の国へ送る「イオマンテ」など、自然と共生しながら築いてきた彼らの独自の生活文化について解説するものですが、狩猟採集の民と一般的に思われていたアイヌの人たちが、海路を通じて多くの人々と交わる交易の民であったことも本書を通じてわかります。
また、後半では、彼らを育んできた大地・北海道の歴史について解説していますが、縄文時代の後は続縄文時代となり弥生時代がないなど、北海道は本州とは異なる独自の歴史をアイヌの人たちとともに歩んできたこともわかります。
各地の博物館等に所蔵されている文化財の写真もビジュアルに取り入れ、日本列島の持つ多様性と可能性に思いを巡らすことができる本です。巻末には、アイヌ文化を学べる博物館として、北海道白老町の「ウポポイ(民族共生象徴空間)」も取り上げられています。新型コロナウイルスの影響で開業は遅れていますが、この本をきっかけに、アイヌ文化を身近に感じ楽しい体験もできる「ウポポイ」にも足を運んで頂ければと思います。
(宝島社新書 1200円+税)
https://www.kensetsunews.com/archives/465472