先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

知里幸恵の生誕祭 旭川で開催

2020-06-09 | アイヌ民族関連
NHK 06月08日 19時47分

アイヌの人たちに伝わる物語を集めた「アイヌ神謡集」を編さんし、19歳の若さで亡くなった知里幸恵の生誕祭が、かつて住んでいた旭川市で行われました。
知里幸恵は明治36年6月8日に登別市で生まれて6歳の時に旭川市に移り住み、その後「アイヌ神謡集」の編さんに取り組みましたが、19歳の若さで亡くなりました。
誕生日にあたる8日、幸恵の文学碑がある旭川市の北門中学校で生誕祭が行われ、地元のアイヌの人たちなどおよそ20人が出席しました。
参加者たちはまず幸恵をしのんで黙とうしたあと、「カムイノミ」と呼ばれる神に祈りをささげる儀式を行ったほか、アイヌ伝統の踊りを披露しました。
この催しは毎年、アイヌ文化を知る授業の一環として、中学校の生徒も出席して行われていますが、ことしは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、生徒の参加を取りやめるなど規模を縮小して行われました。
「旭川チカップニアイヌ民族文化保存会」の川村久恵さんは「幸恵さんがいたからこそアイヌ語の学習や研究が進んでいると思う。今後もアイヌ文化に関心を持ってもらう場として生誕祭を続けていきたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200608/7000021874.html

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オホーツク文化解明に情熱 在野の考古学者・北構保男さん死去

2020-06-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞 06/09 05:00

最後となった発掘調査に立ち会う北構保男さん=2007年8月、根室市の弁天島(根室市歴史と自然の資料館提供)
 【根室】オホーツク文化研究の第一人者、北構保男(きた かまえ やす お)さんが5日、老衰のため札幌市内の老人ホームで亡くなった。101歳だった。中学生の時の歴史的な発見をきっかけに考古学を志し、生涯をかけてオホーツク文化の解明に情熱を傾けた。(村上辰徳、武藤里美、黒田理)
 幼少期から土器や石器を集めるのが好きだった。13歳の時、根室港近くの弁天島で、アホウドリの骨で作られた長さ8センチ余りの針入れを見つけた。表面には7人が舟に乗り、もりを突き立てクジラを捕獲する姿がはっきりと刻まれている。
 5~12世紀、サハリンから北海道北東部、千島列島の沿岸部に、他の地域と違う文化があったことは分かっていたが、「オホーツク文化」という名称すら定着していない時代。漁労や海獣狩猟を生業とするオホーツク人の暮らしを知る手がかりになると、当時の考古学者らに高く評価された。
 親の反対を押し切って国学院大で考古学を学び、戦前、北千島や北方領土の調査団に参加した。その後、自由に往来できなくなった地域だけに貴重な調査となった。
 戦後は根室で印刷会社を創業し、町議や市議を務めた。その傍ら、在野の研究者として東京教育大(現筑波大)などと共同で地元・根室の遺跡発掘に取り組んだ。オホーツク文化の広がりを明らかにするとともに、アイヌ文化の遺跡保存にも力を尽くした。
 冷戦下の1977年には北大とともに旧ソ連の考古学者を招き、合同調査も行った。
 市議をやめた後は東京に通い、さらに研究に力を注ぐ。「古代蝦夷(えみ し)の研究」で母校から博士号を授与されたのは70歳の時。関心は考古学にとどまらず、古代史、民族学、古地図研究など幅広かった。
 北構さんは、北海道新聞に連載した「私のなかの歴史」(95年)で、こう半生を振り返った。「特別に卓越したものを持っているわけでもないが(中略)自分でなければできないようなことを全力でやってみよう(中略)そう考えた。そして思い切ってやることができた」
 長男の太郎さん(69)=札幌大教授=によると、2年前から札幌市内の老人ホームで暮らしていたが、最近まで「考古学関連の地図や本を熱心に確認していた」という。
 2017年、戦前から各地で発掘・収集した土器や骨角器など13万点を根室市に寄贈した。その一部は同市歴史と自然の資料館に展示されている。
 北構さんの発掘調査にも参加した同資料館の猪熊樹人(しげ と)学芸主査は「80代になって調査を主催し、論文を書く研究者を知らない。バイタリティーにあふれる方でした」としのんだ。

 葬儀は親族のみで行った。喪主は長男太郎(たろう)さん。自宅は非公表。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/428734

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百年記念塔存続求め道に要望書 建築家ら有志

2020-06-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞 06/08 19:41
 道立野幌森林公園(札幌市厚別区)にある北海道百年記念塔について、市内の建築家有志による「北海道百年記念塔の未来を考える会」は8日、道の解体方針に反対し、存続を求める要望書を道に提出した。
 要望書では、国の建物長寿命化ガイドラインに沿った維持管理計画を立てることを道に求めた。アイヌ民族への配慮に欠けているとの批判があることを踏まえ、塔の名称を「北海道大地の塔」と変更することも提案している。
 同会は約30人で構成。昨年12月に道に塔解体の是非を問う公開質問状を提出している。(安倍諒)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/428667

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根室の考古学者、北構保男さん死去 オホーツク文化解明

2020-06-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞 06/08 12:18 更新
 【根室】オホーツク文化研究で知られる根室市出身の北構保男(きたかまえ・やすお)さんが5日、老衰のために札幌市内の老人ホームで死去した。101歳。葬儀は親族のみで行った。喪主は長男太郎さん。
 5~12世紀にサハリンから北海道北東部、千島列島の沿岸部で栄えたオホーツク文化の遺跡発掘や保存に取り組んだ。
 中学2年生、13歳の時、根室市の弁天島遺跡でアホウドリの骨に捕鯨の様子を彫刻した針入れを見つけた。漁労、海獣狩猟を生業とするオホーツク人の暮らしの一端がわかる貴重な資料として考古学者らに注目される。
 国学院大で考古学を学び、北千島・シュムシュ島(占守島)や、北方領土の国後島、歯舞群島の調査団に参加した。
 戦後は根室市で印刷会社を経営し、市議を務める傍ら、東京教育大(現筑波大)や、東大、北大の研究者と共同で根室市周辺の遺跡を調査。クジラの歯で作った婦人像の遺物などを発掘し、オホーツク文化の広がりを明らかにした。アイヌ文化の遺跡保存にも力を尽くした。
 2017年、戦前から各地で発掘、収集した土器や骨角器など13万点を根室市に寄贈した。その一部は昨年から同市歴史と自然の資料館に展示されている。
 1994年に北海道文化賞、2000年に北海道功労賞を受賞した。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/428454

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「臼の婆さん」▶3 アイヌ民族に伝わる物語

2020-06-09 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 2020/6/8配信
 イランカラプテ(こんにちは)。今回はアイヌ民族の物語を紹介します。  ある心根の良い村長の一家が夜襲に遭い、村長の生まれたばかりの息子である主人公を守ろうと、母親はとっさに庭に伏せてある臼の中に主人公を隠し、臼に息子だけは助けてくだ…
この続き:891文字
ここから先の閲覧は有料です。
https://www.tomamin.co.jp/article/feature/chikisani/21063/

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アイヌの叙事詩語る催しが再開 #アイヌ

2020-06-09 | アイヌ民族関連
NHK 2020年6月8日(月)午前11時17分 更新

平取町で地域のアイヌの人たちに伝わる叙事詩「ユカㇻ」をアイヌ語で語る催しが6日から始まりました。
この催しは平取町二風谷地区で地元に伝わるユカㇻと呼ばれるアイヌの叙事詩を語り継ごうと毎年開かれていて、ことしは新型コロナウイルスの影響で1か月ほど遅れて6日から始まりました。
伝統的な家屋「チセ」の中で開かれた催しでは、アイヌ語の伝承者の木幡サチ子さんと萱野りえさんの2人がユカㇻを披露しました。
木幡さんは軽快な節をつけながらアイヌの村を訪れた雷の神様の物語を語り、参加した人たちは手拍子をしながら独特な響きに聴き入っていました。
参加した70代の女性
「ようやくみんなで集まって催しが開けてうれしいです。アイヌ語の美しい響きが大好きです。知り合いにもお勧めしようと思います」
ユカㇻを語る催しは10月末まで毎週土曜日に開かれます。
https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-ne3c852a28067

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カナダの先住民女性、警官に撃たれ死亡 先住民団体は独立調査要求

2020-06-09 | 先住民族関連
jiji.com 2020年06月08日13時04分
【モントリオールAFP=時事】カナダ東部ニューブランズウィック州エドマンズトンで、先住民女性のシャンテル・ムーアさん(26)が警察官によって射殺される出来事があり、先住民団体は6日、独立調査を行うよう求めた。(写真は資料写真)
カナダの先住民を代表する5団体の一つ、先住民会議(CPA)は、「シャンテル・ムーアさんの死亡と、警察活動や司法システムが先住民族に示す、現在も続く組織的な偏見や差別への公開調査」を要求した。
 ムーアさんは4日、健康状態を確認するために親族が呼んだ警察官によって射殺された。
 エドマンズトン警察は、ムーアさんが警官を刃物で脅したと証言。遺族によると、警官がムーアさんを制圧するため計5回発砲したという。
 CPAのロバート・ベルトラン代表は、「健康状態を確認する際に起きた(ムーアさんの)悲劇的な殺害によって、カナダの先住民族たちが、警察活動や司法システムと関わる際に非常に異なる状況に直面し続けていることが、すべてのカナダ人にありありと示された」と指摘した。
 当局がムーアさんの死亡に関し捜査を立ち上げる中、ファーストネーションズ議会(AFN)のペリー・ベルガルド代表は、中立的な第三者による調査を行い、なぜ命に関わる武器が使用されたか、警官の対応に人種が関係していたか解明すべきだと指摘。
 「助けを求めているのに、どうして検視官を呼ぶことになるのか? こうしたことは決して起きてはならない」「人種が警察の対応に何らかの影響をもたらしたか、ここまで極端ではない武力が用いられるべきだったのではないか、われわれは解明する必要がある」と訴えた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕
https://www.jiji.com/jc/article?k=20200608040165a&g=afp

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「俺たちにも権利はある」

2020-06-09 | 先住民族関連
jiji.com 2020/06/09(火)

オーストラリア東部ブリスベンで6日、先住民族アボリジニの人々が伝統のダンスを披露した。米国での黒人差別に対する抗議デモへの連帯を示したもので、豪州政府に少数民族の権利を守るよう訴えた。【AFP時事】
https://www.jiji.com/jc/p?id=20200608140950-0034913719

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白人優位に怒る米国社会 「人種超え連携」日系人団体も抗議イベント

2020-06-09 | 先住民族関連
西日本新聞 2020/6/8 6:00
 【ワシントン田中伸幸】第2次大戦中の米国で強制収容された日系人らが6日、トランプ政権の不寛容な移民政策への抗議集会をインターネット上で開いた。白人警官による黒人男性暴行死事件を機にマイノリティー(人種的少数派)への差別や抑圧が改めて問題化する中、集会には多様な人種の市民が参加。「不公正な社会を変えるため連帯して行動しよう」と誓った。
 集会は7日まで。企画したのは市民団体「ツル・フォー・ソリダリティ(団結のための折り鶴)」。中南米からの不法移民の親子を引き離して拘束するなど人権侵害が指摘されるトランプ政権の移民政策は、人種差別に根差した日系人強制収容に通じるとして昨年、抗議活動を始めた。
 終戦から75年の今年は、首都ワシントンのホワイトハウス前で大規模集会を予定したが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でネット集会に変更した。
 6日は黒人暴行死事件も踏まえ、日系人や黒人、先住民族などさまざまな人種のパネリストが意見表明。約2千人が視聴した。白人中心の社会構造を解消するため、11月の大統領選を念頭に「人種を超えて連携し抗議の声を上げ続ける」という意見が相次いだ。
 7日はホワイトハウス周辺など全米7カ所で、希望の象徴として折り鶴を掲げて抗議活動し、その模様をネットで中継する。
トランプ氏に矛先 「なくならぬ差別、うんざり」
 米国で人種差別に対する国民の怒りが吹き荒れている。根底にあるのは政治、経済などあらゆる面で白人優位の社会にあって、マイノリティーへの構造的、潜在的な差別や偏見が一向になくならない現実と、それを助長するかのように振る舞うトランプ大統領への憤りだ。
 4日夕、首都ワシントンに隣接する東部メリーランド州の教会前広場。中西部ミネソタ州で白人警官に暴行され死亡した黒人フロイドさんを追悼するため住民約200人が集まった。「息子も彼のように命を落としたかもしれない」。白人女性ウィリアムズさん(59)が参加者に語り掛けた。
 黒人の夫との間に生まれた20代の息子は学生時代、車で帰宅中に警官から理由もなく停車を命じられ、車内を調べられた揚げ句、暴行を受けた。幸い同僚の警官が止めに入り、大事には至らなかったという。
 白人の自分には無縁だった理不尽な扱いを、肌の色が違う息子は何度も経験し、その度に悲しみと怒りで身を震わせた。「私たちが団結して、こんなことはもう終わらせましょう」。ウィリアムズさんの呼び掛けに大きな拍手が湧いた。
 差別の対象は黒人に限らない。ヒスパニック(中南米系)移民が母国語のスペイン語で話していると、白人から「英語を話せ」と罵倒されるなどの嫌がらせは珍しくない。トランプ政権が不法移民の取り締まりを厳格化して以降、彼らは移民・税関捜査局(ICE)を恐れて「摘発の動きがあったら連絡網で一斉通知する」(中米出身の男性)と警戒を強める。
 さらに新型コロナウイルスの発生源として指摘される中国への不信の高まりは、日系を含めたアジア系全体への差別を生んでいる。
 もちろん全ての白人が人種差別をするわけではない。それでも人権活動家たちは差別の根源として「有色人種は劣等だという感情が白人の中に無意識的に潜んでいる」と指摘する。人種間の機会均等が進んだとはいえ「就職や職場での昇進など非白人への冷遇は続いている」(ワシントン近郊の反差別団体幹部)のだ。
    ★    ★
 フロイドさんが暴行を受けて亡くなる生々しい映像は多くの国民に衝撃を与え、人種差別への怒りをかき立てた。そしてその矛先は白人優位社会の“擁護者”とみなされるトランプ氏へ向けられる。
 トランプ氏は暴行死事件を非難はするものの、人種間の融和に動く気配はない。逆に抗議デモの一部が暴徒化したことを殊更に問題視し、軍の投入も辞さない構えを示す。
 トランプ氏の強硬姿勢は全て、5カ月後に迫る大統領選のためだ。マイノリティー側は警察関連の予算削減やICE解体を求めているが、不法移民対策の強化を訴える白人保守層の支持に期待するトランプ氏がそれに応じる余地はない。
 だが米社会は今、コロナ禍による死者数の増大と失業者の急増、そして人種差別問題の「三重苦」に陥っている。最新の世論調査では、これまでトランプ氏の厚い支持基盤だったキリスト教右派の中で支持離れが起きていると伝えられる。
 焦るトランプ氏は「強い経済が人種間の不平等への対処にベストだ」などと述べ、経済再生の加速を強く訴える。デモを警戒するのはその妨げになるからだ。
 6日夕、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事だ)」と改称されたホワイトハウス近くの通りで、デモに加わったヒスパニック女性のロドリゲスさん(55)は声を張り上げた。「白人支配は400年も続いている。もううんざりだ。トランプに期待できることなど何もない」
 (ワシントン田中伸幸)
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/614966/

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カナダで黒人差別に対する抗議集会に参加したら「知らない=発言しない」へのモヤモヤが晴れた|北極かえるのコモンロー日誌

2020-06-09 | 先住民族関連
幻冬舎plus 6/8(月) 16:00配信
ここ1週間、私の住むバンクーバーでも、アメリカの黒人に対する差別問題のニュースやSNSの投稿がどんどん流れてくる。
カナダだって例外じゃない。黒人だけじゃなく、先住民への差別もある。
今、カレッジでカナダの先住民の自殺率についてのエッセイを書いているんだけれど、植民地時代から始まった先住民に対する差別は今でも続いていて、それに伴う暴力、自殺、貧困、精神病にドラッグ中毒など様々な問題が起きている。
アジア系移民の多いバンクーバーでも、コロナでアジア人に対するヘイトクライムが昨年より増加しているというニュースも目にするし、差別問題は全然他人事ではないのだ。
先住民というと、日本にもアイヌの人たちがいる。昔高校でアイヌの人たちの歴史や文化を習って以降、カナダに来るまで、アイヌの人たちについて考えたことがなかった。6年前に初めてカナダに来た時に何人かの友達にアイヌの文化について聞かれたことがあって、何も知らない自分にがっかりした経験がある。
その経験とカナダの先住民問題が、自分とアイヌの人たちをつなげ、学び直すきっかけになった。でもそれがなければ考えもしなかったと考えると恥ずかしいし、怒りがこみ上げる。
今回の差別に関する記事も、書くか、書かないか迷った。というのも私は差別問題のエキスパートじゃないし、知らないことばかりだし、変に発言しない方がいいかな? と悩んだ挙句、そのモヤモヤにヒントがあると思って書くことにした。
わからないから発言しないんじゃなくって、わかりたいから発言するんだっていいじゃん、と思い直したのだ。
そんなわけで、6月5日(金)にバンクーバーで行われた黒人差別に対するプロテストに参加してきた。会場には世代を問わず、多くの人が集まっていた。バンクーバーはコロナがだいぶ落ち着いてきたとはいえ、マスクの着用と他の人との距離をとることが繰り返し言われたからか、ほとんどの人がマスクをつけていた。
プロテストでは身近なところで起きていることや差別を受けたことのある人たちの体験談が語られた。肌の色が違うだけで、命が脅かされるなんて本当におかしい。
ある黒人の男性は、警察の前では怪しい人だと思われないように、常にゆっくりと話し、動作もゆっくりすることを生涯に渡って強いられていることにもううんざり、と語った。
ある人は自分が子供の頃に差別を受けて、クラス全員の前で死のうと思った、と言っていた。聞いていて涙が止まらなかった。スピーチをした人たちも泣いていた。
スピーチの中で印象に残った言葉があって、ある人が「Speak!」と大きな声で言った。
「真っ黒に塗りつぶされた画像をSNSに投稿している人たちがたくさんいるんだけれど、それだけじゃダメなんだ。SPEAK!(話せ! なんか言ってくれ!)話すことから始めるんだ。差別問題に対して何をしたらいいのか分からなかったら、まずはそのことを家族や周りのみんなに話してみる、そこから始めるんだ。黙ってちゃ何も解決しない、Speak! なんだ」と言っていた。
なぜ「Speak!」が刺さったかというと、私も正直何をしたらいいのか分からない一人だったからだ。冒頭にも書いたけど、ここに書くのも躊躇した。でも、知らないから思考を止めるんじゃなくて、「知りたい」を形にする一歩が「話すこと」なのか! としっくりきた。
その後に「難しい問題の会話を始める勇気を持て!」とも続けていた。難しい問題を話す時って、自分の無知をさらすような気がしてたけど、だからこそ、無知だからこそ、恥ずかしがらずに人と話して教わる時間を作っていけばいいのか! なるほど。
もちろんお金を寄付したりだとか、ボランティアしたりだとか、他にもいろんな形のサポートができるとは思うし、この問題はお金も時間もかかるかもしれないけれど、人と話すこと、伝えていくことの強さを実感できたことが嬉しかった。
カナダは差別が残っているとはいえ、多文化国家だからか、一人一人違うってことが理解できる土壌があるように感じるし、そういうことについて考えるきっかけが日々の中にある。だから落ち込んだり、モヤモヤすることは日常茶飯事だけど、それでいいのかもしれない。
世界平和を心から願う北極かえるであります。
■吉村静
1987年、新潟県長岡市生まれのランナー。走歴25年。ランニング雑誌の出版社に勤めた後にカナダへ渡り、トレイルランニングやハイキング、日々のお散歩に没頭する。カナダで2年過ごしたのちに南米やニュージーランド、インドなど様々な国で写真を撮りながら旅をする。2019年からカナダの永住権を取得し、現在はバンクーバーで暮らす。トレイルランニング用品専門店Run Boys! Run girls!のウェブにてアウトドアスポーツのある生活を綴る「Tip of the iceberg Newspaper」という名のブログも更新中。バンクーバーのヌーディストビーチで開催される裸のランニング大会Bare Buns Run2014年大会女子の部優勝。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f419a02507f2d671893ff8512abf81421e8275a8

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アラスカで迎えたコロナ禍 穏やかな生活の背景に「分かち合い」の教え〈AERA〉

2020-06-09 | 先住民族関連
AERA 6/8(月) 9:00
 新型コロナウイルスの感染拡大が本格化する直前の2月上旬、アラスカにわたったイラストレーターのあずみ虫さん。街は厳戒態勢だが、森や海の豊かな自然は、変わらぬ営みを続けている。AERA 2020年6月8日号で掲載された記事を紹介。
 アラスカの南に位置するバラノフ島のシトカは、鯨やラッコ、アザラシなどの海洋生物を間近に観察できる自然豊かな海辺の街だ。中心部にはロシア正教会があり、海沿いの散策路に立つトーテムポールには、先住民と深い関わりのある動物や人の姿が刻まれている。5月のこの時期には毎年多くの観光客が訪れるが、新型コロナウイルスの影響で街の中心部に人通りはなく、どこかガランとしている。
 初めてこの地を訪れたのが2年前、これが4度目の訪問だ。20年ほど前、写真家の星野道夫さんが写したアラスカの野生動物の写真と文章に魅了されて以来、アラスカに通うのは夢だった。今回は半年間滞在しようと小さな家を借り、2月頭に日本を出国してシトカに到着した。
 その頃、新型コロナは話題には上るものの、街にその影はなかった。しかし3月下旬には厳戒態勢となり、生活必需品以外の店や公共施設は閉鎖され、レストランはテイクアウトのみ、小さな店では入店制限も徹底される。唯一の公共交通機関であるバスは運行停止となり、米・小麦粉・パスタなどの食料品が一時売り切れとなった。
 このような状況下にありながらも、ここシトカの人々の穏やかな雰囲気はまったく変わらない。見知らぬ私にも優しい笑みを向けてくれる。海外で日本人が差別を受けている、というニュースを目にしたが、自分の身には一度も起こっていない。そのヒントは大きな自然にあるように感じている。
 窓の外ではハクトウワシのつがいが巣を作り、目の前の海ではトドが魚を追って泳いでいる。今までと何も変わらない野生動物の営みを目にするたびに心が落ち着き、自然が人を癒やす力を改めて実感する。
 ここでの日々は晴れた日には森で山菜を摘んだり、雨の日には家で絵本やイラストレーションの仕事をする。そして私がもっとも多くの時をすごし大切にしているのがお墓掃除の手伝いだ。ともにお墓を掃除するのはクリンギット族のボブ・サムさん(66)。クリンギット族はシトカに暮らす先住民族で、彼はこの民族に古くから伝わる神話の語り部をし、先祖が眠る古い墓地の墓守をしているのだ。
 ボブさんが30代前半の頃、住宅開発のために先祖の墓が掘り起こされた。彼はたった一人で墓地に通い、散乱した骨のかけらを拾っては埋めなおした。その行為が街の人々の心を動かし、ついには住宅開発は中止された。以来、ボブさんはこの墓地を30年間ずっと守り続けている。
 そのことを星野道夫さんの著書で知り興味を持ち、最初にアラスカを訪れたとき、思い切って彼に会いに行った。少し緊張しながらボブさんのいる墓地に向かうと、その墓地は小さな森のなかにあり、そこで彼はひとり黙々と草を刈り、墓石を水で洗っていた。
 挨拶を交わすと長身の彼は物静かな印象で、子どものころに読んだ木の精霊を思い出した。墓地の掃除を手伝いたいと告げると、彼は「Strange people(変な人)」と言って、微笑んでくれた。苔むした墓石をブラシでこすると苔の下から名前や100年以上昔の日付が現れて、亡くなったその人物に出会えたような不思議な気持ちがした。
 先祖と深くつながっている彼らは、今を生きる仲間ともつながりあっている。日々の生活の食べ物をシェアすることも、コロナ禍にあっても続けられている。4月にニシンの大群が産卵のためにシトカの海にやってきたときも、海藻などに産み付けられた卵は、皆の手に渡った。私のもとに来た卵は、海に生える木の枝に産み付けられていて、まるでたわわに実る果実のようだった。「私たちは昔から自然の恵みを皆で分かち合ってきた。最も大切なことだ」と、ボブさんはまっすぐにこちらを見つめて教えてくれた。
 自然とのつながり、人とのつながり、命の源である食べ物をシェアすること……。ほんとうに大切なものを守り続けている強さを感じる。(あずみ虫)
※AERA 2020年6月8日号
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ba1597739a24b465b49103935d3cdf526751c70?page=1

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