ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【9月も毎週日曜日は休業します。】

フェナカイト双晶

2022-05-13 15:36:16 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「フェナカイトの錐面」(2022.04.19)の続きです。

昨晩、「石の華」のメールに野呂 輝雄さんから「フェナカイト双晶の考察(未投稿)」という論文が届いておりました。

私は、「フェナカイトの錐面」を書いた時に、その写真が不思議な桜の花のような形状だと思い、さらに書きながら、野呂さんなら反応して下さるような予感がしておりました。

その予感は的中し、案の定、野呂さんがその謎の解明に取り組んでくださいました。

その後、野呂さんと何度かメールのやり取りがあり、その現物標本を送付しました。野呂さんは顕微鏡観察したりDana 6thや高田雅介さんのペグマタイト誌の情報を元に結晶図(データ)を作成されたり、試行錯誤されたそうですが、2週間ほどで行き詰ってしまったそうです。

その1週間後(充電+リフレッシュ)し、再トライされ、ついに実物と類似している双晶の結晶模型作成に成功されました。

その検討過程については、ミラー指数が出てきたり、C軸中心に60度回転した貫入双晶の結晶図が出てきたり、このブログ用に簡略化しようとしましたが、難解なので割愛します。野呂さんにとってもこれまでの最高レベルの難問だったそうです。論文の原典を読みたい方はご一報ください。PDFファイルで送ります。

それから、いくつかの残された謎も残っているそうですが、その辺の謎とそれに対する仮説は今後の課題として、今回のフェナカイト双晶は鉱物結晶の世界の奥深さを感じられた一件だったと思います。

鉱物結晶の世界には、まだまだ未知の現象が潜んでいるようです。だからこそ鉱物は面白いのだろうと思います。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする