今日は「光速」です。このブログは石のブログなので「光速」という言葉が登場する事は少なかったものの、それでも過去3回ありました。ただし、タイトルに登場するのは初めてです。
言うまでも無く「光速」は宇宙における最大速度であり、時間と空間の基準となる物理学における特別な意味を持つ値でもあります。
私が初めて「光速」の事を知ったのは中学生の時に理科の先生からすすめられた「相対性理論の世界ーはじめて学ぶ人のために」(1966年 ブルーバックス)を読んだ時でした。当時の私は星新一のショートショートを愛読しており、SF小説にも興味を持っていたので、その辺の影響から宇宙とか物理学にも興味がありました。そんな読書経験から、当時はアインシュタインの相対性理論の理解が避けて通れないものだったと記憶しております。相対性理論は中学生には難しいものでしたが、何かのきっかけで当時の理科の先生から一冊の本をお借りしました。それが「相対性理論の世界」でした。
その本で中学生だった私が知った事は相対性理論の理解そのものよりも「光速」の絶対性だったと思います。常識を覆す「光速」に関する奇妙な現象の数々にはSF小説的な面白さを感じていたように思いました。
余談ですが、ブルーバックスは私の中学生時代から現在に至るまで科学的好奇心を満たしてくれる非常にありがたいシリーズだと思っております。その新書は自然科学の話題を一般読者向けに解説してあり、値段的にも専門書に比べて価格満足度が高いシリーズだと思っております。自宅の本棚には今でも多くのブルーバックスが並んでいます。
さて、「光速」に関して、今朝、非常に面白い事を知りました。今朝、録画していたNHK-Eテレ「宇宙白熱教室」(第4回 「そしてダークエネルギーの発見~私たちのみじめな最後~」講師:アリゾナ州立大学 宇宙物理学者ローレンス・クラウス教授)を非常に興味深く見ました。その番組の最後の方で物体が180億光年以上離れると加速膨張している宇宙の膨張速度が「光速」を超える事を紹介しておりました。「光速」を超える!!その事実に衝撃を受けてしまいました。
現在のビックバン宇宙論では現在は宇宙誕生から138億年たっているそうです。すると宇宙の膨張速度は「光速」に達していない事になります。ただし、加速膨張は続く訳ですから、いずれ「光速」を超える時が来る事になります。「光速」の絶対性はそれまでは揺るぎません。ただ、いずれ空間は光より速く遠ざかるようになり、2兆年後には宇宙のほとんどは見えなくなってしまうそうです。何も観測できない宇宙!というよりもその頃は誰も観測者はいないでしょう!
石のブログ的にはせいぜい46億年程度の時間スケールの事しか考えられませんでしたが、宇宙の事を考えるとあまり想像したくない終末の事実を知ってしまいました。ただ、ビッククランチという宇宙の終焉よりも良かった!と思います。(何が良いのかは?分かりませんが・・・)
今日は「正180面体?」です。タイトルに?が入るのは「小松鉱山?」以来2度目です。
先ほど、今朝録画したNHK総合「あさイチ」で放送された「ピカピカ日本」を見ました。「山梨ジュエリーミュージアム」からの中継で180面キキョウカットの紹介をしていました。180面キキョウカットの水晶の話題はこのブログの「多面体」でも一度書いております。
それで、分かりました。このブログのアクセス解析で外部からのリンク状況が分かるのですが、リンク元のURLとアクセスがページタイトル毎に見れます。それを見ると今日の9時半頃から急にこのブログの「多面体」へのアクセスが増えておりました。この現象は今朝のNHKの放送から間接的な影響を受けたようです。このような現象は先日の「鉱物カフェ」の時にも起きていました。Web検索時代らしい現象だと思いました。
さて、その「あさイチ」ではリポーターが180面カットの分かり易い説明をしていました。ただ、気になったのが「正180面体」という言葉でした。思わず「正180面体?」と思いました。
正多面体は正4面体、正6面体、正8面体、正12面体、正20面体の5種類しかない事は常識だと思っておりました。それは証明されている数学的な真実です。180面キキョウカットは正多角形ではないので、当然、正多面体ではありません。ただ、「正180面体」という言葉はある意味、衝撃的でした。それは生中継ならではの言い間違いだったのでしょうが、その言葉が非常に気になりました。
それで、私は思わず180という数字を素因数分解してみました。180=2×2×3×3×5=12×15=20×9です。180面キキョウカットは12面×15面です。すると、もうひとつの20面×9面もありうるのだと思いました。
それで調べてみると、すぐにジオデシックドームが見つかりました。確かに正20面体の一面を9つの正3角形に分割すると180面体ができます。ただし、球面上に出来る9つの3角形は正3角形ではなく、すべての面の形は同じにはなりませんので正確な正180面体ではありません。それは「正180面体?」というよりも「疑似正180面体」というべきものかもしれません。それはあのバックミンスター・フラーの考案した形です。
今日は「正180面体?」からフラーの事を再認識してしまいました。
今日は「鑑賞と観賞」です。
「鑑賞」という言葉は映画鑑賞や音楽鑑賞といった使い方をし、「観賞」という言葉は菊花観賞や観賞魚という場合に使われます。もちろん石の場合には観賞石といいます。
ただ、この「鑑賞と観賞」という言葉は厳密に使い分けられていません。インターネットの世界では誤用が当たり前のように横行しておりますし、水石の専門書を発行している出版社でも間違って使われているケースもあります。
そもそも「鑑賞」という言葉は芸術に対して使い、「観賞」という言葉は「自然」に対して使います。音楽や絵画や映画などは人間が創る芸術作品です。石はもちろんの事、菊の花や金魚や錦鯉なども自然のものです。「鑑賞」か「観賞」かは、はその対象が何であるのかによって決まるのです。
そのように理解すると「鑑賞と観賞」の使い分けは分かり易い、と言えます。
「鑑賞と観賞」という言葉の使い分けは本来分かり易い事だと思いますが、実際のところは誤用も含めて、かなり混乱しているようです。
それにはもしかすると、パソコンの文字入力が関係しているのかもしれません。文字入力で「かんしょう」を入力すると様々な漢字が出てきます。同音異義語の多い日本語では、単純な選択ミスにより、誤用が頻発してしまう、という事があるのかもしれません。以前、マンションの規約に使われていた「準ずる」という言葉の誤記・誤変換で「順ずる」という文字が使われており、不愉快な思いをした事があります。日本語の微妙な意味の違いは正しく使う必要性があると思います。特に利害関係が生じるような規律の文章には自己都合解釈が可能な曖昧な言葉は使ってはいけません。また、その誤用が定着してしまう事も問題だと思います。
さて、「鑑賞と観賞」ですが、「鑑」という字にはかんがみる、照し合せてみる、見わける、という意味があり、「観」という字には、みる、詳しくみる、ながめる、という意味があります。芸術に対してはその表現者と鑑賞者という関係性があり、石や花や魚などに対しては自然と観賞する人間という関係性があります。「鑑賞と観賞」は芸術作品という人間が何かを表現して創ったものと表現されたものではない自然が自然に造ったものとに対する見方の違い、といっても良さそうです。
そのように考えると「鑑賞」と「観賞」との違いは明確です。
ただただ、「鑑賞」と「観賞」との違いは明確だとしても、そう単純でもない事があります。
例えば、観賞石に関してですが、石そのものは自然のものだとしても、それに台座を付けたり、水盤に置いたり、さらに石を磨いたり、石そのものに手を入れたりして観賞石に仕上げる行為は人間の表現行為が介在しています。そのような行為は創作活動であり、広義の芸術の範疇に入ると解釈できます。それと同じような解釈はその対象が石だけではなく、花や魚に対してもあるかも知れません。そのような人間の表現行為が介在するものに対しては「観賞」という言葉よりも「鑑賞」という言葉を使った方が適切だとも考えられます。
「鑑賞と観賞」は単純そうで、その厳密な意味は、そう簡単な事ではなさそうです。
今日は「石の貸出」です。
今日は水曜日ですが、今月はポルテ金沢が無休の為、今月内は毎週水曜日も「石の華」は営業しております。ただし、今日は私だけ朝から福井市のこども歴史文化館に行って参りました。その目的はレアアース・レアメタルの鉱物標本を貸出す為です。
福井市のこども歴史文化館では開館5周年記念特別展示として「ソラの星」(7/19~9/15)を開催します。
こども歴史文化館では年初から春休みにかけて石(イシ)をテーマとした展示を行っておりましたが、その展示をきっかけに交流が始まり、夏休みは星(ホシ)をテーマとした展示を行う、という事で隕石に関する相談を受けました。石(イシ)の次は星(ホシ)という事で面白いと思いました。星(ホシ)の中でも特に石(イシ)と密接に関係するのはやはり隕石です。笠松館長から隕石に関する相談を受けましたので、「石の華」でも協力致しました。今回、展示される隕石の一部には「石の華」が係った隕石もあると思います。
星(ホシ)のテーマは奥深いテーマの為、森羅万象のあらゆるテーマに関係します。特に恒星内の核融合や超新星爆発の際の核融合で自然界にあるあらゆる元素が造られるという事実から地球にあるレアアース・レアメタルの鉱物にも関係してきます。今回の展示で「石の華」としてそのような鉱物標本を貸出す事になりました。
今日はその標本の搬入でこども歴史文化館を訪れました。受付でその旨を告げると、受付のすぐ裏の部屋で笠松館長が展示作業をしており、館長自らが床に絵具を塗っておりました。この手作り感がたまりません。好感を持ちました。簡単に御挨拶をした後、館長からその部屋の秘密を見せてもらいました。それはワっと驚く!仕掛けです。見てのお楽しみ!!おすすめです。
「石の華」としては「石の貸出」は今回が初めてではありません。石の店をやっていると時折、面白そうな話が舞い込んできます。昨年は実写版「魔女の宅急便」という映画の為に幾つかの「石の貸出」を行いました。その映画ではどこで使われたのかはよく分かりませんでしたが、「石の貸出」はそれが最初です。
それから、サイエンスヒルズこまつの電子顕微鏡の観察試料として幾つかの鉱物標本を貸出中です。そうそう、今度、サイエンスヒルズこまつで開催される「第70回記念 現代美術展 小松展」のコラボ企画展「色の不思議 いろいろ」(7/4~7/15)でも孔雀石や藍銅鉱などの鉱物標本を貸出中です。
そのような「石の貸出」は今後も続くと思います。私が面白いと思った企画には積極的に乗りたいと思っております。もちろん「石の貸出」は戻ってきます。それらの鉱物標本は元々、「石の華」の商品だった訳ですから、それらは再度、商品として店に並びます。どんな石でもその石ならではの来歴があるのですが、「石の華」の石達にはこれからも新たな来歴を持って欲しいと思っております。
「石の貸出」で新たな来歴を持った石には特別の付加価値が付くと思っております。今後、お店でそのような石を選ばれた場合にはその旨をお話したいと思っております。
今日は「カフェバー」です。
本題の前に、ここ数日、ブログ更新をしていないにもかかわらず、アクセスが急に多くなっております。それも「鉱物カフェ」というタイトルに集中しているようです。これには何か原因があるはずだ!と思い「鉱物カフェ」でWeb検索してみました。すると、どうも「シューイチ」というTV番組で、こだわりカフェの特集をやったらしく、その中で東京の「鉱物カフェ」も紹介されたらしいのです。どうもその番組の間接的影響を受けていたようです。Web検索時代らしい現象だと思いました。
さて、今日は「カフェバー」です。「カフェバー」とは少しなつかしさをおぼえる言葉かもしれません。「カフェバー」は1980年代に流行したカフェとバーが融合した喫茶・飲食店です。その頃は私も東京に住んでいて若かったのでカフェバーブームの走りとなった霞町の「レッドシューズ」などにも行った事があります。当時は私でもアドマンだったので入店チェックにも引っ掛からず入る事ができました。その頃はトレンディという価値観が主流の時代だったので、「カフェバー」もトレンディな場所だったと記憶しております。
現在では「カフェバー」と称する店はなくなってしまいましたが、カフェバー的な店は数多くあると思います。それも何かのテーマ性を兼ね備えたカフェバー的な店が多くなっています。そして、カフェバーという事よりもその何かが問われているのだろうと思います。今は価値観の多様化の時代です。「鉱物カフェ」もそのような多様性の時代の中での現象のひとつなのだろうと思います。
さて、そのようなカフェバー的なお店が金沢にオープンします。そこはクラシック音楽のライブが聴ける「やぎや」です。どうも8月2日にオープンとなるようですが、今からオープンが楽しみです。
金沢には金沢駅前に立派な石川県立音楽堂があり、他にも金沢歌劇座や金沢市文化ホールがあり、「石の華」が入っているポルテ金沢のビルの中にも金沢市アートホールがあります。音楽的には非常に恵まれていると思います。そして、今度はクラシックライブが聴けるカフェバーのオープンです。
「やぎや」のオープンには「石の華」からも何かお祝いをしたいと思っております。そこは鉱物カフェバーではありませんが鉱物を見る事ができると思います。おすすめです。