ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

コレクション

2012-11-26 12:11:45 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「コレクション」です。

昨日「CURIO MAGAZINE」という雑誌が届きました。何かの検索で初めてその存在を知りました。その最新号の特集は「石を愛でる 美しき天然鉱物を探して」となっており、無視する訳にはいきません。

その雑誌は古銭や切手等のコレクター向けの月刊誌でした。私のコレクションはもっぱら石でしたので、そのような雑誌の存在すら知りませんでした。その「キュリオマガジン2012年12月号」の特集が「石を愛でる」となっており、ページが少なかったものの、確かに鉱物標本や勾玉の記事が載っておりました。

思えば、鉱物標本だろうと貨幣であろうと、コレクションする対象が違うだけで、コレクションという行為は同じかも知れません。コレクションには不思議な魅力があると思います。

コレクションの心理も面白いものです。「コレクション」や「蒐集」に関する文献も豊富にあります。何かに偏愛するという心理は人間らしくて興味深い心理だと思います。

「奇妙な情熱にかられてーミニチュア・境界線・贋物・蒐集」(集英社新書 春日武彦著)という本があります。著者は精神科医で、教養あふれる文章で人間の心理に迫っています。特に蒐集癖の章はコレクターの心理をうまくつかんでいると思いました。その章の「透明な鉱物」の部分では、まるで自分の事を書かれているような気がしました。(ミニチュアとしての文章という章では堀秀道さんの「楽しい鉱物図鑑」が登場します。)

その本には「蒐集癖は神経症な営みである。病気といえなくとも、神経症に近い。」と書いてあります。コレクターは精神疾患者なのかも知れません。「蒐集などに熱を上げないで済む者のほうが明らかに健全である。」とも書いてあります。ただし、「健全であることと人間的な奥行きがあることとは別だけれど。」と文章は続いています。

どうもコレクションの深層には病理的な心理が潜んでいるようです。ただし、それは非常に人間的な心理です。コレクションと好奇心(curiosity)は近い関係にあります。それらは人間の根源的な欲求であると思われます。

地球の生物進化の結果、現在の人間が存在しています。地球の物質進化の結果、現在の鉱物があります。鉱物コレクションは地球進化の結果、登場した現象なのかも知れません。

奇妙な情熱にかられて―ミニチュア・境界線・贋物・蒐集 (集英社新書)
春日 武彦
集英社
楽しい鉱物図鑑
堀 秀道
草思社
楽しい鉱物図鑑〈2〉
堀 秀道
草思社
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