ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

霰石4

2013-03-12 12:12:51 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「霰石4」です。

今日は天気が良く気持ちがいいです。春です。ブログの背景もタンポポに変えております。

先日来、霰石の話題が続いておりますが、霰石の中にタンポポに見えてしまうものがありました。

Dscf3719
Dscf3727
Pantoja,Toledo,Spain 霰石(Aragonite)

これは霰石の細い針状結晶が放射状に集まって球状になっています。上の写真はその単体で、下の写真は陶土の母岩の中に埋もれている霰石です。それは透明感のある薄いオレンジ色をしています。思わず、カワイイー、という言葉が出てしまいそうです。

この標本はイガグリともウニとも言えると思いますが、今日のような天気の良いこの季節に見ると、どうしてもタンポポにも見えてしまいます。

タンポポと共通しているところは球体である事と、もうひとつ、脆いという事です。タンポポも触ったり、風が吹いたりするとバラバラになってしまいます。この霰石も触ってはいけません。その細い針状結晶はすぐに折れてしまいます。

フラジャイルという言葉が浮かびます。

そこには「美のはかなさ」があります。それは雪の結晶や桜の花にも共通する美意識です。この美意識はある意味、日本的な美意識かも知れません。

実際、上の二つも既に完品ではありません。これらはそれが掘り出された瞬間から壊れていく運命にあります。さらに移動する度に少しずつダメージを受け続けています。そのような儚いものなのです。

ただ、そうだからこそ愛らしいものだとも言えると思います。今、店にあるのは上の二つだけです。





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