ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

ソシュール

2020-03-06 11:52:16 | 日記・エッセイ・コラム
唐突かもしれませんが、今日は「ソシュール」です。

私の大学生時代は文系だったので、その頃は石には興味が無く、もっぱら人文系の本ばかり読んでいました。当時は、構造主義とか記号論が流行っていましたので、私も雑誌「現代思想」とかその辺の書籍も読んでいました。そして、言語学者フェルディナン・ド・ソシュールの存在を知ったと覚えています。(シニフィアンとシニフィエとか、なつかしい気持ちになります。)そして、今でもソシュールといえば、そのフェルディナン・ド・ソシュールになると思っていました。

ところが、「ソシュール(de Saussure)」家は18世紀より多くの著名な学者を輩出した家系で、言語学者のフェルディナン・ド・ソシュールの父は鉱物学者でもあったり、先祖のオラス=ベネディクト・ド・ソシュールは地質学者だったり、他の学問分野でも多くの著名人の名前が挙がり、学問の世界ではソシュールだらけだったようです。

今、なぜ「ソシュール」かというと、実は、先日の仕入れ品に網状のルチル 金紅石(Sagenite Rutile)があり、それをmindat.orgで調べてみると、Sagenite (of Saussure)となっており、「ソシュール」という表記があったのです。この(of Saussure)のソシュールは言語学者のソシュールではなく、恐らく、鉱物学者のソシュールか地質学者のソシュールか、どちらかのソシュールに由来するのだろうと思われますが、詳しいことはわかりません。

いずれにせよ、このルチルは非常に魅力的です。






上の写真はDiamantina Mine,Minas Gerais,BrazilのSagenite Rutilです。

この幾何学的な模様には規則正しい鉱物的魅力が詰まっています。これはエピタキシャル結晶ともいうらしく、2次元的な平面に薄膜成長しています。

この薄膜結晶成長、何となく富山県上市町稲村のフラワー水晶に似ているような気がします。水晶のクラックや岩石の薄いひび割れスペースを埋めるように結晶成長している様は同じようなメカニズムが働いているような気がします。




それらを見ていると、どうしても同じような石の華といえるような趣を感じてしまいます。
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