ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

水2

2015-09-28 15:05:17 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「水2」です。2014.05.18に一度「水」のタイトルで書いておりました。

ひとつ前のブログのタイトルは「鍾乳洞2」でした。これまで極力話題がダブル事を避けて来ましたが、ブログ歴が4年目に入り、どうしてもタイトル名不足感が出てきております。先ほど、これまでのブログ更新回数を調べてみました。すると、以前のOCNブログ人(3年ちょっと)で735回、現在のgoobブログ(10ヶ月)で80回となっており、合わせて815回でした。ここまで来ましたので、目指せ1000回といった感じで、急がずゆっくり続けて行こうと思っております。

さて、「水2」です。「水石」の事を言うまでも無く、水と石とは密接な関係があると思います。ひとつ前の話題の鍾乳洞も水の浸食で出来る洞穴です。そもそも鍾乳洞が出来る石灰岩の成因には生物起源と化学的沈殿の2種類があるものの、どちらにしても水から炭酸カルシウムが沈殿する事で出来る堆積岩で、そこには密接に水が関係しています。

我々の普段の生活を考えると、言うまでも無く水は重要な存在です。もっと言うならば、生命現象そのものにも水は欠かせません。さらに、生命の起源にも水が関与していたと考えられています。水と生命とは密接な関係性があります。

「生命」だけではありません。実は「鉱物」も然りなのです。

先日、水晶に関する非常に面白い解説記事を読みました。それは「水晶のモルフォロジー 結晶成長と形」(川崎雅之)というタイトルで、「水晶」(第26号)という鉱物同志会会誌に載っておりました。そこには興味深い結晶成長と形の話題と共に「5.宇宙に水晶はあるか?」と題して地球の地殻上部に豊富に存在する花崗岩と水との関係性、花崗岩からのシリカの溶出と移動、水晶の析出の際の水の不可欠性に言及しておりました。人工水晶の研究者ならではの興味深い論文だったと思います。

「鉱物」の代表格である水晶は水と密接な関係があります。それは日本語の「水晶」という名前に「水」という文字が付いているだけではありません。透明度の高い水晶を見ると、古代ローマのプリニウスならずとも、科学的知識の少なかった古代人なら誰しも「水晶は透明な硬い氷」だと考えたであろうと思われます。現代人は水晶が氷ではなく、二酸化ケイ素の結晶である事を知っています。そして、その「水晶こそ水が作った結晶である」と言えるのです。

水晶と水との関係性に関しては、このブログでも過去に結晶形の視点から書いた事があります。今回は水の循環とシリカ成分の移動という地質学的な側面からのお話で、花崗岩に伴う鉱物、水から晶出した鉱物はすべて水の賜物である、というお話でした。

思えば、つくづく「水」とは不思議な存在だと思います。それはどんなものでも溶かしてしまう、という事です。その溶かす能力が鉱物生成や生命現象と密接に関係しているのだろうと思います。宇宙にはハビタブルゾーンという「生命居住可能領域」があります。そこは液体の水が存在する領域です。という事は宇宙空間でいうハビタブルゾーンとは「水晶生成可能領域」とも言えるのかもしれません。

「水」という存在、それはまた、水から氷へと凍結する事で自らを鉱物化してしまうという不思議な存在です。水は鉱物でもあるのです。

思えば、私の関心事は水に関係している事が多いような気がします。例えば、現在、自宅のブルーレイ・レコーダーに登録してあるワードは「鉱物」はもちろんの事、他には「洞窟」、「滝」、「虹」等で、いずれも「水」に関係しています。

「滝」は水の流れなので「水」そのものなのですが、気象現象としての「虹」も水滴と光が創り出す美しい水の現象だと思います。

石の中にもオパールの中に遊色という美しい「虹」があります。そのオパールの中には微量の水が入っており、微細な球状のシリカ粒とその内部の水が回析光を発し美しい虹が見えるのです。オパールにはその成因にも水が関与している可能性があり、そこにもまた水との関連性があると思います。

どうも私の関心事の大半はどこかで「水」に結び付いているような気がしてきました。



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