先日の新入荷の仕入れ品の中に興味深い標本がありました。
上の写真がそれです。
これはブラジル産のリチアトルマリンです。一見、ウォーターメロントルマリンのように見えますが、風化が進んでいるせいか、それほど魅力的ではありません。安価な値段にしようと思って、それを見直すと、内側のピンクトルマリンの部分が何か変です。よく見直すと、その部分は、どうも雲母化しております。もしかすると、その部分だけがリチア雲母化したのでしょうか?同じリチウムの成分のまま、結晶構造が変化し、雲母化してしまった仮晶なのかもしれません。緑色の部分はトルマリンのままで、内部だけが雲母化した仮晶といえるものかもしれません。そういう意味では珍品といえるかもしれません。
リチア雲母化したリチア電気石の仮晶なら見た事があります。ウォーターメロントルマリンの外側の皮の部分だけがそのままで、中身だけが仮晶化する事があるのでしょうか???
いずれにしても、仮晶に変化するメカニズムは不思議です。
宝石質のウォーターメロントルマリンは高価ですが、中身だけが雲母化しているウォーターメロントルマリンの価値はどのようなものでしょうか?
長ネギのように見えるリチア電気石が話題になった事がありましたが、今回のリチア電気石も、同じように面白いものだと思いました。