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黄鉄鉱は、あまりにも普通過ぎて、あまり面白くない鉱物のように思われがちですが、結晶形態的な側面から見ると、奥深く非常に面白い鉱物と言えるかもしれません。
黄鉄鉱の結晶形の関連図としては砂川一郎さんが示した変遷図が有名です。ただ、実際の結晶形態は、その図よりももっと複雑で、それらの中間的な形や双晶や接合などが加わり、それらの集合体の形態は多種多様で複雑怪奇です。
鉱物コレクターは、そのような多種多様の標本の中から、自分の好みで、ある時はシンプルに、ある時は、珍奇なものを選んでコレクションしていると思われます。
今回は、私が面白いと思った黄鉄鉱を2点紹介します。
最初は、これです。
どうでしょうか?これの面白いところは、シンプルなキューブ状の小さな結晶が数多く集合しているところです。その集合の様も何かしらの秩序が保たれており、その自然な様に魅力を感じてしまいます。
当初、この標本の産地は不明でしたが、先日、関東からいらっしゃった方から、これは秩父鉱山産に違いないという指摘を頂き、素性が分かってうれしく思いました。
次は、これです。
これの面白いところは、多くの結晶面を持ち、何となく双晶風になっているところです。結晶形態的に面白いと言わざるを得ない標本だと思います。
この産地は、元ラベルではカナダ産だけとなっておりましたが、チョッと調べてみると、恐らく、Nanisivik鉱山産だろうと思われます。
鉱物種としては同じ黄鉄鉱でも、産地によって、様々なバリエーションがあり、黄鉄鉱だけでも飽きることなく楽しめると思っております。