ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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石を選ぶ

2021-11-08 11:50:34 | 日記・エッセイ・コラム

昨日のお客さんの事です。当初、ブログの話題にすべきか?迷いましたが、私も初めて経験した良いお話でしたので、書きたいと思います。

昨日、あるお一人の男性のお客さんがありました。そのお客さんはAさんの旦那さんで、2年ほど前に奥さんとお二人でご来店されて以来となりました。

実は、奥さんは「石の華」の常連さんだったのですが、一昨年、癌でお亡くなりになっていたのです。

私は旦那さんに「ご愁傷様でした。」とご挨拶をしました。それから、Aさんが初めて「石の華」に来店され、滋賀県の高島産の水晶を購入された事や、その後のご来店の事、さらにご家族の方やお友達の方と一緒にご来店されていた事などの話をして御礼しました。Aさんは独自の美意識を持たれた石好きさんでした。選ぶ石も一級品ばかりで、一時は毎月のようにご来店されておりました。その当時は、将来、ご自宅に石の美術博物館を創りたいとおっしゃっておられましたので、私は協力したいと思っておりました。

そのAさん、2年前の今頃だったでしょうか?腰が痛いとおっしゃっておられ、その後、ご来店が止まりました。私は、腰痛とコロナ下だったからだと思っておりましたが、どうも昨年の2月に骨折で入院されていたそうです。病室にもお気に入りの石を置いておられたそうで、石に癒されていたようです。

私がAさんの訃報を知ったのは、昨年の夏ごろ、Aさんのお友達のご来店の際でした。常連さんの訃報は悲しいものです。Aさんの存在は「石の華」にとっても大きい存在でした。

昨日は、そのAさんの旦那さんと「石の華」の店内で石を選びました。旦那さんも私もAさんの好みがある程度わかっておりました。

我々は、Aさんだったら選ぶであろう石を一緒に吟味しました。そして、ある石を選びました。

その石の写真はありませんが、選んだのはイングランド Newlandside産の透明感のある宝石質紫色の母岩付き蛍石でした。我々がそれを選んだ瞬間、Aさんの「それです!」といった声が聞こえたような気がしました。

Aさんの旦那さんは、「仏壇に飾ります。」とおっしゃいました。

私は、死後も石を選ぶ、というAさんの存在を偉大に思いました。そして、うらやましいご夫婦だと思いました。

コメント (2)
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