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鉱物の部屋へのいざない

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割れの美学

2016-03-18 12:42:20 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「割れの美学」です。









上の写真は今朝の朝食時に納豆が入っていた焼き物です。それは朝食が終わった後の片付けの際に割れてしまったものです。その割れ方が非常に面白いと思い、写真を撮ってしまいました。(本当は金継ぎでもして残したかったのですが、すぐに反対され、保存は諦めて写真で残す事になりました。)

今日は「割れの美学」の事を書こうと思います。「割れの美学」と言ってもNHKのテレビ番組「美の壺」的な「金継ぎ」の事ではありません。(「金継ぎ」はEテレで今度の3月20日に放送されるようです。それからBSプレミアムの3月25日のテーマは「ダイヤモンド」のようです。)

「割れの美学」とは陶器やガラスのようなものの割れ方、石や鉱物の割れ方、等の割れ方の美しさを愛でる事です。陶器やガラス、石や鉱物も何らかの衝撃で割れる事があります。特に鉱物によっては劈開という性質によって規則正しい割れ方するものがあります。そのような劈開を利用して人工的に正八面体に整形した蛍石などはその典型です。そのような規則正しい劈開も鉱物的な「割れの美学」が感じられる現象だと思います。

また、そのような規則正しい割れ方とは別に、不定形ながらもその偶然性に因って美しく割れる事もあります。今朝の食器のような面白い割れ方はその材質と割れる際の接触する角度や圧力などの偶然的な衝撃からそのように割れたように思います。私はそのような偶然性の美を愛でたいと思います。

そのような「割れの美学」には一回性と言う特徴があります。それは再び起こることはない、という事です。そこには「イッコシカナイキセキ」と同じような美意識が働きます。それは「ひとつとして同じものはない」という事に近い価値観です。

ここまで書いて来て、そう言えば過去に同じような事を書いてしまったような気がしてきました。ブログ内検索で調べてみると、過去に「割れ目1」(2013.01.12)、「割れ目2」(2013.01.14)で今日の「割れの美学」と同じような趣旨の事を書いておりました。

・・・、今朝は割れた食器のお蔭でチョッとだけささやかな幸せを感じてしまいました。
コメント
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